- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862760845
作品紹介・あらすじ
「人×コミュニケーション×オリジナリティ」をカギに急成長。注目IT企業から考える次世代クリエイティブ組織の作り方。
感想・レビュー・書評
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「人×コミュニケーション×オリジナリティ」を軸に成長してきた面白法人カヤックの実態。Lineにしてもここにしても、とにかく経営理念と人事制度が秀逸である。企業にとっての柱である当該二つのエレメントは、皮肉なもので、面白くなればなるほど合理的になる。こういった「面白さ」を真の当たりにすれば、大企業のそれらに目も当てられないのも頷ける。
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カヤックはどういう組織戦略なのか?
→どちらを優先するかではなく、ANDの思想をする
リーダーの条件とはセルフマネジメントができることであり、自分らしく生きることがそのままリーダーシップとなる
矛盾を内包してきた組織のカギは
1.組織がフラットでオープン
2.メンバーを厳選
3.常に変化し続ける -
「カヤック=面白い会社」というイメージは持っていたが、例えば“さいころ給”のような特徴的な仕組みの背景にあるメッセージがあることを知って、ますます「面白い」と思った。簡単にはマネできない分、カヤックに負けないくらい“面白い”仕組みを作りたいものだ。
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貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784862760845 -
サイコロ給に込めたのは、人間が人間を評価することには限界がある、というメッセージです。人間同士であれば好き嫌いもあれば気分もある。それでも、会社としてやっていくために人事評価はしなくてはならない。サイコロ給は、会社の評価にはそうした曖昧で不条理な部分もある、ということを毎月1回全員で認識するための、言わば”儀式”なのです
(創業)
お互いが納得して一緒にやると決めた以上はとことん付き合おう
カヤックという大きなチームのリーダーをしているような気持ち
カヤックの「元気玉」
何だかわからないけれどここにいると何かが生まれそうだ、という雰囲気
トムソーヤのペンキ塗り
任天堂には明文化された経営理念がない
クリエイティブを重視しながらスケールも追求することは、難しいからこそチャレンジし甲斐があって、達成できたら世の中に大きなインパクトを与えるはず
受託部門を分社化 クーピー
ほぼすべてのメンバーが複数の業務に関わる「複数担当制」
オフィス
レイアウトや内装については、社内にオフィス担当委員会を設け、デザイナーを選びました。選定基準はその分野で一流と言われるデザイナーであること。一流の方との仕事はこちらにとっても刺激になります。
スマイル給(褒める)、拳給(改善点)
人が人を評価することには限界がある、というのが創業時から一貫した僕の持論であり、カヤックにおける人事評価の前提です。リーダーなどの目に映るメンバーの姿は、その人間のごくごく一部に過ぎない。その一面だけで業務の適性を正しく判断したり、昇給や昇格を公平に決めたり、ましてや潜在能力を見極められる、と考えるのは傲慢ではないでしょうか。
(中略)
こうして生まれたのが、「カヤック流・360度評価」である。
評価に参加しないという選択もできる
事業計画の精度を上げるポイントは簡単。
事業を細かく分け、採算ラインを確認し、撤退基準を明確にする
それをやらないフラット型は、組織の規模がトップの力量を超えた瞬間に破綻する
アメーバ経営
複数担当制が進化した「リソース配分制」
納期が遅れれば出来上がりのレベルを120%にして評価を得る。
クライアントを大切にする、はご機嫌取りではない
THANKS
面白法人留学制度
これは、他社の社員を一定期間受け入れ、お互いに新たな刺激を与え合う、という制度だ。
やるもやらないもどっちでもいいんだけれど、どっちでもいいんだったら面白そうなほうをやろう
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ビジネスモデル特許:ステート・ストリートバンク事件 -
真面目にかつ面白く、利益を出しつつアホなこともする。面白法人カヤックはどこが面白いのか、に迫る本。
世の中の常識にとらわれず、やりたいと本当に思える事をやりたい、という気持ちと、でも儲からないと飯食えないよね、という現実を両方とも包含し、独自のバランス感覚で成立させている会社なんだなと思った。多分、今の30代のビジネスパーソンなら、「俺が起業したらこういう会社にする」というイメージに近いんじゃないかな。誰でも考える事だと思う。でもそれを現実に実現してるのは、創業者が3人いて、皆友人である、という部分が大きいのかな。
カヤック流365度評価等で、あらゆる方向から個人個人が見える化されていて、能力のある、フリーランスでも十分やっていける人じゃないと働くのはキツイと思う。"あと一歩足りない"人がカヤックに入ったら、大変なストレスを感じるんじゃないかな。ベンチャー企業はどこもそうなんだろうけど。
そういった厳しい面もありながらも、人の評価は必ずしも100%正しいわけじゃない、という思いを込めた、サイコロで給料を決めるサイコロ給。これは素晴らしいネ。