イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

著者 :
  • 英治出版
4.03
  • (1422)
  • (1520)
  • (802)
  • (190)
  • (34)
本棚登録 : 20602
感想 : 1593
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862760852

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 取り組む課題を何にするか、そこが重要。

  • 『感想』
    〇提案の仕方を脳神経科学の知識を混ぜながら説明していて、ただのテクニックだけでない話がおもしろい。

    〇仕事を創造する人をメインとして書かれていると思われるが、その節々に目的や最終結果が決められている仕事のその過程を改善し、効率的効果的にすることを目指している人にも役立つ考え方が表されている。

    〇図が多く取り入れられ、イメージが分かりやすい本だが、「概念は言葉で定義」と言われている。言葉は大事だが、イメージも大事だとわかる。

    〇自分だけが理解しても意味がなく、相手に同じだけ理解してもらわなければ意味がないことは納得。

    〇最後は経験がものをいう。多くの経験を積むことで、経験と経験をつなぐことができるようになり、新しい知識になる。それがまた高度な経験に昇華され、それと別の経験をつなぐことができたなら、また新しい知識になっていく。

    『フレーズ』
    ・「悩む」=「答えが出ない」という前提のもとに、「考えるフリ」をすること、「考える」=「答えが出る」という前提のもとに、建設的に考えを組み立てること(p.4)

    ・仕事とは何かを生み出すためにあるもので、変化を生まないとわかっている活動に時間を使うのはムダ以外の何物でもない。(p.5)

    ・現場で情報に接するときに、どこまで深みのある情報をつかむことができるか、それはその人のベースになっている力そのものだ。(p.39)

    ・脳は脳自身が「意味がある」と思うことしか認知できない。そしてその「意味がある」と思うかどうかは、「そのようなことが意味を持つ場面にどのくらい遭遇してきたか」によって決まる。(p.40)

    ・人間は言葉にしない限り概念をまとめることができない。「絵」や「図」はイメージをつかむためには有用だが、概念をきっちりと定義するのは言葉にしかできない技だ。(p.51)

    ・よいイシューとは、「きっちりと答えを出せる」ものでなければならない。(p.56)

    ・「人が何かを理解する」というのは、「2つ以上の異なる既知の情報に新しいつながりを発見する」ことだと言い換えられる。(p.66)

    ・分析とは比較、すなわち比べること。(p.150)

    ・明確な対比で差分を明確にすればするほど脳の認知の度合いは高まる。そう、分析の本質が比較というよりは、実は私たちの脳にとって認知を高める方法が比較なのだ。そして、私たちはこれを「分析的な思考」と呼んでいる。(p.173)

    ・理解するとは情報をつなぐこと。(p.174)

    ・既知の情報とつなぎようのない情報を提供しても、相手は理解のしようがないのだ。(p.174)

    ・「××と〇〇は確かに関係している」という情報が実際につながる「理解の経験」を繰り返させなければ、相手の頭には残らない。(p.176)

    ・聞き終わったとき、あるいは読み終わったときに、受け手が語り手と同じように問題意識をもち、同じように納得し、同じように興奮してくれているのが理想だ。このためには、受け手に次のようになってもらう必要があるだろう。(p.205)
     1 意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
     2 最終的なメッセージを理解してもらう
     3 メッセージに納得して、行動に移してもらう

    ・どんな説明もこれ以上できないほど簡単にしろ。それでも人はわからないと言うものだ。そして自分が理解できなければ、それをつくった人間のことをバカだと思うものだ。人は決して自分の頭が悪いなんて思わない。(p.222)

    ・「人から褒められること」ではなく、「生み出した結果」そのものが自分を支え、励ましてくれる。生み出したものの結果によって確かに変化が起き、喜んでくれる人がいることがいちばんの報酬になる。(p.234)

    ・これまで「与えられた問題にどう対処するのか」と考えていたが、まず「本当の問題の見極めから入らなければダメなんだ」ということがよくわかった。(p.237)

  • 20191108/20200401
    コンサルタントかつ研究者でもある安宅氏の、本当の課題とは何か=イシューについて記載した本。
    答えは非常にシンプルで、イシューの設定を徹底的にしろというもの。イシューを特定し、サブイシューに砕き、ボトルネックに提言をする。その際、ストーリーラインをシンプルかつ強力なロジックで並べ、中身の見栄えを整えていく。
    とは言え、日々の中でイシューかどうかを問い続け、深い仮説を練習しない限り、このスキルは身につかない。コンサルタントへの転職活動は手段として、自分が深く考える行動を繰り返し、受動的な行動から自分を解放することが最終的な目標である。

    //MEMO//
    目的ドリブンで全ての行動を繋げていく。ロジックの太さが日常行動に生きているひとの著作。
    批判的に自分の意見を持って読みたい。

    イシューを目的にせよ

    答えが出る前提で考えよ。考えてるフリで悩むな

    イシュー: 課題設定
    解があるかどうか

    イシュー度×解の質

    ①本質的な課題設定
    ②深い仮説があるか
    ③答えが出せるか

    イシュー特定のアプローチ
    ①変数を削る
    ②視覚化する
    ③最終形から辿る
    ④So Whatを繰り返す
    ⑤極端な事例を考える

    イシュー特定→サブイシューにMECEで砕く→ストーリーラインに乗せる

    事業コンセプトのフレームワーク
    Where(どこの顧客層)
    What(どのような仕組み)
    How(どのように運営)

    ストーリーライン
    ①Why型=並列=帰納法
    ②空・雨・傘型=演繹法

    絵コンテ
    ①軸の設定
    ・比較
    ・構成
    ・変化

    ②データの意味合いを予測しながら取得

    ③データの取得方法も明示しながから考える

    優れたチャートの3条件
    ①1チャート・1メッセージを徹底
    ②タテとヨコの比較軸を磨く
    ③メッセージと分析表現を揃える

  • 正直私の今のレベルでは理解が苦しい本だった。
    例えの説明が、全く想像できず自分の実力のなさを痛感した。また、自分の教養が追いついたら読んでみたい。

    内容に関して言うと、生産性とは何かを突き詰めて出した答えがイシューという考え方なのだと理解した。
    生産性が高いとは一言で言えば、短い時間で大量の成果を上げることだが、前提には成果の質があり、質が悪いと戻りの作業ややり直しや改めてはじめからとなるので、最終的な生産性は落ちるということだと理解した。

    そして、この生産性を高めるための根源がイシューである。
    イシューとは問題・課題を意味する言葉だが、ここの見極めこそが最も重要で、クリティカルな問題ボトルネックな問題を見極めて問題に設定することが、イシューから始めるということなのだと考えている。
    それを見つけるためには、仮設設定と一次情報を得ての分析が大切であり、世に出ているテクニックを使うにもここを間違えては生産性は上がらない。
    筆者の仮設設定での条件として、常識的でないこと、だから何とその仮説を見直すことなど、非常に良いフレームワークになっている。

    生産性を高めるためには、この考え方を実践してより早くイシューにたどり着けるようになることだろうが、非常に難しい。

    だが、やって身につければハイパフォーマーになることは約束されると確信できた。
    まずは実践だ!

  • ①解く前に見極めーイシュー
    ②見極めたイシューを分解しストーリーライン組む
    ③ストーリーの絵コンテ(分解した要素を分析)
    ④分析をアウトプットする※答えありきではない


    まとめ良記事
    https://note.com/1996_0928/n/n8abfb82f5ed7

  •  イシューからはじめるストーリーづくりは、日々の戦略づくりの時にこの本片手に慣らしてみる。
    そして下記の二つの習慣は、早速明日から実践してみる。
     空雨傘に頭の中を整理して1テーマあたり1分以内で上長への報告を行う。
     そして1チャート1メッセージの習慣づけ。

  • 10年間売れ続けている理由がわかる。
    グロービス流のクリティカル・シンキングのテキスト解説版といった印象。
    イシュー設定からの思考ステップとドリブンさせる大切さは、ふと立ち止まって読むにはちょうど良い。
    現在地確認と軌道修正に役立った。
    ストーリー立てはプレゼン資料にも活かせる内容。

    また、例も理系らしくアカデミックでわかりやすい。
    ニュアンスでごまかしていない、いい本。

    印象に残ったのは、ここまでイシューと思考ステップを回したとしても、
    思考を共有、相談できる仲間を作ることが大切ということ。

    クリシン未取得の後輩に読ませたい。

  • 大学時代に教授から言われて続けていたことがようやく理解できた。ごめんね教授…
    学部生のうちにぜひ読んでおくべき1冊だと思う。

  • 人に薦めたい!

  • 生産性を高めるためには、問題解決を考える前に、本当に解決すべき問題かを見極めることが大事と語っている本です。中身の約40%を占める第一章までが最も強いメッセージになっているように思います。
    確かに自分にもムダな仕事が多数あり、そのせいで中夜問わず働いているように思えます。この本を読むことで明日から劇的に変わるというところまでは行かないですが、イシューを見極めるという観点を持って仕事をし続けることで、3年後には大きく変わっているような気がしました。

全1593件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。2016年春より慶応義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年9月より現職。内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版、2010)

「2020年 『シン・ニホン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

安宅和人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
J・モーティマー...
デールカーネギ...
村上 春樹
シーナ・アイエン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×