BOPビジネス 市場共創の戦略

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制作 : テッド ロンドン  スチュアート・L・ハート  清川 幸美 
  • 英治出版 (2011年8月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761118

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BOPビジネス 市場共創の戦略の感想・レビュー・書評

  • 個別の章は、切り口は異なるが提言パートにくるとどれも同じことの繰り返しになってしまっている。現地をよく理解すること、画一的アプローチではなく現地化すること、地域コミュニティを事業者として巻き込むこと、製品を押し付けず消費者が使い方をカスタマイズできるようにすること、長期的実践を覚悟し学習思考の指標をせっていすること、など。章毎に執筆者を割り当てていることによくある弊害だが、繰り返しを省けばもっと短くシンプルにできたと思う。
    それでも、各章(切り口)からのBOP分析パートは非常に良く出来ていて、BOPビジネスに取り組む上で理解しておくべき点が満載だ。
    大企業が取り組むにはよっぽど市場理解が浸透していないと難しいと改めて感じた。生半可な気持ちで片手間に取り組んで成果が出るようなものではなさそう。

  • ○この本を一言で表すと?
     BOPビジネスにおける現状の把握から参入・展開までを最近の知見も含めて書かれた本


    ○この本を読んで興味深かった点
    ・「ネクスト・マーケット」を読んだ時にBOPビジネスの可能性を大いに感じましたが、「ネクスト・マーケット」に書かれていた事例は「市場発見」だが、それに目がくらんで参入した企業のほとんど失敗し、「市場共創」に到達できた企業・団体だけが持続できているという話を知って、「ネクスト・マーケット」を読んで感動していた自分を恥ずかしく思いました。この本で失敗や成功の事例を踏まえて更にBOPに対するアプローチを磨き上げていくという熱意が感じられ、その熱意と行動の先の事例が楽しみに思えました。

    ・「設計」「パイロット試験」「規模拡大」の三段階と「市場機会を創出」「BOPとともに解決策を創作」「効果的な実験を組織」「失敗に対処」「社会的埋め込みを活用・移転」「複合的な競争優位を創出」「相互の価値を高める」の7つの基本原則はBOPにとって重要なことの全体図が表されていて、この本を読み終えた後に改めてみるとうまくまとまっていると思いました。BOP向けのビジネスを展開する、というBOP1.0から、BOPとともにビジネスを築き上げていく、というBOP2.0にシフトしていること、そうでなければ持続的に続けていくことはできないということは、地に足がついた方向に舵を切っているなという印象を受けました。(第1章 より良い事業を構築する)

    ・「徹底的にコストを削減する」「BOP志向の経営チームをつくる」「人間中心の設計を用いる」「新しい市場を育てるために、BOPとの間に信頼関係を確立する」の4つのイノベーションについて、実際の事例を当てはめて説明されていて分かりやすかったです。この4つのイノベーションはBOP以外でも適用できそうな考え方だなと思いました。(第2章 4つのイノベーション)

    ・19世紀以降から蓄積的に発展していった先進国に対して、途上国では19世紀の状態に21世紀の技術をいきなり投入できるという意味で、緑の「飛躍」としているのはうまい表現だと思いました。資源制約的にそうせざるを得ないとはいえ、そのことがむしろ途上国での強みになれば面白いなと思いました。(第3章 緑の飛躍戦略)

    ・ニーズはあっても市場が存在しない、という先進国では考えにくい状態がBOPでは当たり前だということを改めて確かめることができました。そもそも市場が存在しないところに「参入」することはできず、市場を「創出」するしかないことは、当然導き出されることだと思いますが、そのためのプロセス「種まき」「基盤づくり」「成長と強化」において、成功した事例でも「種まき」と「基盤づくり」にかなりの時間をかけていることは、その難易度からすると当然かもしれないなと思いました。(第4章 どこにでもあるニーズ、どこにもない市場)

    ・貧困の多面性(低い識字率、蝕まれる自尊心、対処能力を得ることの困難さ、人的な交渉力の必要性、ネットワーク)、強みと弱み、その調査のための現地入りの様子、多様な環境それぞれにおいての解決策とその持続可能性の検討など、実際のBOPの中で自立しようとしていった人の話を通して理解しやすかったように思いました。特に、文字を理解できないことによる「絵文字的把握」の話は、コミュニケーションとしての識字能力以外の意味での物事の把握能力にも関わってくる識字能力の大切さが伝わってきました。先入観を捨て、「誰かのために設計するには、その人から学ぶという姿勢が求められる」ということが大事というのは、本質的な解決には必要なことだろうなと納得できました。(第5章 ミクロレベルで市場を理解する)

    ・現地の状況に応じたデザインが求められることは何となく想像がつく、と思っていましたが、その現地の状況に応じる、現地のニーズに対応することの前に、その潜在的なニーズを知ることの大切さがよく分かりました。どこかでうまくいったものが他の場所でもうまくいく、ということは、もちろんないことはないと思いますが、よくよく考えないとそこで思考停止してしまいそうにも思いました。(第6章 デザインのリフレーム)

    ・BOPにおいて、ビジネスを展開する時でも規模拡大を検討したBOP外の既存組織との連携や、現地でそのビジネスを含めたエコシステムを構築するということは、そのビジネスを発展させるうえで必要になってくるのだろうなと思いました。ローカルな組織であることとグローバルな組織の一部であることを兼ねていい所採りをするのは、持続が困難なBOPにおいて重要な強みになりそうです。(第7章 拡大可能な組織構成とは)

    ・今後、BOPビジネスにおいても組織自体が強力である必要があること、利害関係者となる政府や寄付団体などを含めたエコシステムを構築し、その中でやっていくことが有効であり、持続的な存在になる上では不可欠であることが書かれていて、地に足のついた意見だなと思いました。(終章 旅は続く)

  • BOPを市場と見るだけでなく、市場を共に作る覚悟が必要。そのためには、生活へ深く入り込み、洞察し、新しいライフサイクルを提案することが必要。そして、着々とパートナー(信者)を増やし、根気強くビジネス化のチャンスを待つことが大切。

    今の日本へ当てはまる部分もあるのでは?と感じた。

    「デフレの経済」を読む中で、人口減少に伴い日本の購買力が減っていくという話が
    あったが、BOPと状況こそ違えど、根本として共通する部分はあるのではないか。

    今の日本は消費市場が成熟しており、作れば売れるという帝国主義的なビジネスモデ
    ルは通用しなくなり、「需要を喚起することが大切」「体験型モデルが人気」などと
    言われて久しい。まさに新しい消費のあり方を模索しているフェーズであり、BOPビジネスから学ぶことは多いのではないか。
    BOPビジネスの中にはそういった「市場の創出」ではなく、中流社会市場で激しく消耗した結果、BOP市場へ流れ込んできたものも多いと思うが、参考になるのはそういったものではなく、マンダムやフマキラーなどのように市場を切り開いた戦略である。

    国の成長を国民の生活の質の向上と定義するならば、外需型の経済成長が日本を豊か
    にするというものは企業利潤を軸にした幻想にすぎず、内需拡大によって作り出され
    る経済成長こそが本当に国を豊かにしていると捉えることが出来る。高い貯蓄率など
    事象をややこしくする因子は枚挙に暇が無いが、感覚として「一人当たり消費額」が
    高い方が豊かということは何となく腑に落ちる。

    国民消費を創出する内需型のビジネスモデルこそが日本を豊かにするのだろう。
    そういった意味では、古くは乳酸菌を摂る習慣を根付かせたヤクルト、海外ではマイ
    クロファイナンスのグラミン銀行は本当に偉大だな、と。また、AppleのiTunesは本
    当に社会価値が高いビジネスだな、と。

    マクロ経済で見たときに企業は自社の部分最適を図ることから、必ずしも経営と経済
    の最適化は一致しない。(多くの場合、背反する。)
    その中で、日本が豊かになるためにどんなビジネスモデルを構築し、どんな付加価値
    を探るべきなのか、改めて舵取りの難しさを感じた。

    そんな一冊でした。

    ビッグイシューの挑戦。主婦層のアルバイト雇用と言っても背景はことなるので、しっかりと入り込むことが必要。

    貧困層はこうだ、という決め込むことはダメ。人材ビジネスにおいても離職中だから困っているだろう、は決めつけすぎ。仮説と先入観の違い。仮説を持つここは大切だが、先入観を持つことは良く無い。

    筆者がどんな思いで書いているのか。
    市場が細分化されすぎており、ペルソナが作れない。トップの考え方を使うことは難しい。現地の情報をいかに獲得するか。

    そもそも儲けようとしてはいけないのではないか。社会起業家は背反する考えを持っていないといけない。GDPを上げるビジネスにおいて限界がきた?⇨うちも公共系の仕事をしている。視点の違いを持つことの必要性。地域経済の活性化。製造派遣もそんな感じ。

  • 大学のゼミ発表のために購入。C・K・プラハラードって人の考え方にすごく感動した。物事を考えるときには、出来る限り望遠鏡を反対側から覗くように考えよ。参考にします

  • (BOP1.0からBOP2.0に)
    BOP1.0は巨大市場である貧困層を利益創出についての課題であったが、BOP2.0は企業とコミュニティとの共有価値創造にある。企業は地域コミュニティ、NGOなど様々なステークホルダーと共に価値を共有して運営することにより持続可能な企業活動と地域コミュニティの繁栄が可能となる。

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BOPビジネス 市場共創の戦略の作品紹介

世界40億人の「貧困層(BOP=Base of the Pyramid)」をターゲットとする「BOPビジネス」は、その概念をC・K・プラハラードとスチュアート・L・ハートが提唱したことをきっかけに、次世代の経営戦略として世界中から熱い注目を集めた。しかし、BOPを単なるボリューム・ゾーンとみなして新規顧客の獲得を目指した企業の多くが苦戦し、またいくつかは完全に失敗した。その経験から得られた教訓は「BOPと"ともに"富を創造する」ということ。BOPビジネスの第一線で活躍する研究者・起業家たちが深い対話と共同作業を通じてつくりあげた本書は、実例を交えて事業構築のロードマップと実践的な戦略を提示する。

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