パワー・ハングリー――現実を直視してエネルギー問題を考える

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制作 : 古舘 恒介 
  • 英治出版 (2011年7月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761125

パワー・ハングリー――現実を直視してエネルギー問題を考えるの感想・レビュー・書評

  • 同じ重さのガソリンなら、最高のリチウムイオン電池と比べても、エネルギー密度は約80倍
    風力で原子力と同じ量のパワーを生み出すには約45倍の土地が必要
    デンマークはアメリカ以上に石炭に依存している
    100MWの風力タービンで確実な電気量を供給するには、100MWのガスタービンが必要
    最も複雑なモデルも精巧な推測に過ぎない
    新たな状態に移行した経済は、原則として、エネルギー消費量を増やす方向に向かう

    今はガソリン車に乗っています。ハイブリッド車という選択肢もあったのですが、制御の安定性、走行距離と価格とのバランスを考慮して、ハイブリッド車は見送りました。

    次に車を購入する時はガソリン車はないだろうな、と思っていましたが、本書を読んで考えさせられました。エネルギー密度の差が80倍と聞いてしまうと、余程ガソリンの価格が高くならなければ、電池車のメリットはなさそうです。

    購入するとしても10年後くらいだと思いますので、その時の技術動向を見て、ガソリン車にするか、電気車にするか、改めて検討したいと思います。

  • 世界中で貧困から抜け出すにはパワーが圧倒的に不足している。
    パワーx時間=エネルギーと言うのが定義。
    先進国が如何に足掻こうが圧倒的に安価なパワーの源である石炭の使用量は今後も増えるということだ。日本ですら08年の石炭依存度は24%もある。
    地球温暖化が正しいかどうかはともかく石炭というのは重金属や硫黄、場合によっては放射線までばらまくのでなかなか厄介であり、廃棄物の量も膨大になる。
    どうやら短期的にベターな解決策は天然ガスということになりそうです。
    風力発電は悲しいことに化石燃料の現象にはまるで役に立たない。ベースロードにはなり得ないので蓄電池と組み合わせるとかピークカットにどう使うかを考えるしかなさそうだ。
    太陽電池についてはあまり言及されていないがイノベーションへの期待は持っているようである。
    長期的には原子力ということだがこちらも課題は多い。
    フリードマンのグリーン革命も読んでみよう。

  • 結論までの計算が簡単。単純計算しすぎる気も。

  • エネルギー(電気だけでなく、ガソリンなども)をかなり多面的に
    かつ、データも信憑性の高いものを使って分析している。

    なにより、エネルギー問題を考える上で、非常に面白い前提をしている。
    「エネルギー」と「パワー」の2フェーズで考えているのだ。

    エネルギー:生み出されるモノの総量
    パワー:エネルギーを変換して行う運動

    物理的な発想だが、ある種会計的でもある。
    エネルギーがストック概念であるのに対し、
    パワーはフロー概念なのである。

    エネルギーを生み出すだけでは、何も恩恵を受けない。
    あくまでその先のパワーにこそ恩恵がある。

    その前提をおいて、筆者は様々なトピックスを

    ①エネルギー密度(面積・体積ごとに生み出されるエネルギー量)
    ②パワー密度(面積・体積ごとに使えるパワー量)
    ③コスト
    ④規模

    の側面から評価する。
    再生可能エネルギーについては
    ①~④について、現状劣っているのに加え、今後の進展にも疑問をもっているようで
    なにより促進するあたり、エネルギー密度を補うだけの土地をどう提供するのか、また、送電線をどう設計するのかなど、現実的課題を淡々と述べている。

    結論は、アメリカにおいてはシェールガスがかなり豊富にあることがわかったため、
    シェールガスと原子力に集約されるという。

    当然、3.11以前に書かれた本であることも踏まえると
    原子力が必要である、と簡潔に結論づけることは到底できないが
    持たざる国である日本において
    特に「密度」の視点、加えて「リスク」についてももっと多面的に議論した上で
    よりよいエネルギー政策を策定するべきだという示唆は得られた。



    かなり網羅的にトピックスを洗っていくので
    興味のある人は読み通しても良いが
    つまみ読みしても十分面白いと思う。

  • 現実を直視してエネルギー問題を考える。近年グリーンエネルギーが注目を浴びていますが、数字と簡単な物理の法則を用いてその実像を鋭くえぐり出しています。世界のエネルギー需要についても透徹した冷静な分析でその将来像を予見し、その上でこれからは天然ガスと原子力を中心に据えてエネルギー問題を考える必要があると説いています。3.11以降は脱原発の声が勢いを増していますが、技術革新が起こっても、新しいエネルギーへ移行しそれが本格的に普及するまでには一定の時間がかかります。その意味でも長いスパンで、新しい技術を開発しその利用を促進していくための努力を行いながら、新エネルギーがある程度普及してくるまでのつなぎとして、既存の限りある資源をいかに効率よく活用していくかをグローバルに、また国家レベルで考えていくことが必要だということを再認識しました。

  • 英語オーディオブックで聞いてよかったので日本語で内容を確認した。日本の場合、今後数十年は原子力を外さざるを得ないので、やはり天然ガスの利用を上げるしかないか。

  • エネルギー政策についての冷静な現実論。決して耳触りは良くは無いが、私たちも理解しなければならない考え方だと思います。

  • 米国のエネルギー事情について実務的なアプローチで書かれた本。パワー密度、エネルギー密度、コスト、規模の観点から筆者はこれからのエネルギーはN2N、すなわち天然ガスと原子力であるべきという主張。そもそも「エネルギー」と「パワー」の違いとは、という点で初心者の自分にはふーんと思うことがたくさんあった。でも日本はこれからはこうはならないだろう、と思いつつ2週間みっちり読みました。良書。

  • ジャーナリストの書いた本は良く無い、の典型。
    再生可能エネルギーへの偏見か?
    木を見て森を見ず。
    翻訳者の古舘さんの努力には敬意。

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