世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

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制作 : 小田理一郎  枝廣淳子 
  • 英治出版 (2015年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862761804

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世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方の感想・レビュー・書評

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  • 工場を取り壊しても、工場を作り出した理屈がそのまま残っているなら、その理屈が別の工場を作り出すだけ。革命が起きて政府を倒したとしても、その政府を作り出した組織的な思考様式がそのまま残っているなら、その思考様式は同じ事を繰り返す。

    政治リーダーが不況や好況を起こすのではない。景気の上下の動きは市場経済の構造に元々内在している。

    複雑なシステム内ではフィードバックに遅れが生じるため、問題が明らかになった時には、その解決策は不必要に難しくなっている。

    世の中のあらゆる問題は、システムの問題。私たちは非難をどこかに向けるのをやめ、システムをそれ自体の源であると見て、そのシステムを再構築する勇気を知恵を見出す事。

    システム思考とは、
    1.部分を理解する力を鍛える。
    2.相互のつながりを見る。
    3.将来的に可能性のある挙動について「もし〜ならどうなるか?」を問う。
    4.創造的に勇敢にシステムを再設計する。

    システムを構成する3つのもの
    「要素、相互の繋がり、目的」

    その方向に行き過ぎてしまう前に、要素分解をやめて、要素をつなげている関係性を探す事。

    AがBを引き起こしていれば、BもAを引き起こしている。

    新しい事を学ぶよいやり方は、抽象概念や一般論よりも具体例を通して学ぶ事。

    新しい構造を作り出し、複雑さを増していくプロセスの中で、自己組織的なシステムによって生み出される事が多いのが「ヒエラルキー」。宇宙もヒエラルキーに組織されている。

    シンプルなシステムから進化して複雑なシステムが生まれるのは、安定した中間的な形態がある時だけ。結果として生まれる複雑な形態は、必然的にヒエラルキーのあるものになる。

    部分最適と同じくらい害がある問題は、過度に中央でコントロールする事。

    ヒエラルキーのあるシステムは、下位から上位へと発展する。ヒエラルキーの高次層の目的は低次層の目的に役立つ事。

    私たちの知識は驚くべきものだが、私たちの無知もそれ以上に驚くべきもの。

    成長によって制約要因が変わっていく事を知る事。

    建設や処理の時間的遅れをモデル化する時、そのシステムの中にいる全ての人に、その時間的遅れはどれくらいの長さと思うかを尋ねて、もっとも妥当だと思われる数字を考え、それを3倍する事。

    限定合理性、、、人は自分の持っている情報に基づいて極めて合理的な意思決定を行う。

    「わかったよ、みんなでちょっとの間、一歩下がろうよ」と言う為には、多大な相互信頼が必要。

    施策への抵抗に対処する上で最も効果的なやり方は、全ての主体者が各自の限定合理性から脱出する事ができるような包括的な目標を提示し、サブシステム(低次層)の様々な目標の整合性を取る方法を見つける事。

    共有地の悲劇の回避方法は、規制する事。相互の合意による相互強制を図る。

    自己強化フィードバックループの一種である「エスカレート」を回避する方法は一方的な武装解除。意図的に自分自身のシステム状態を縮小して
    、相手側の状態の縮小を誘導する事。

    自己強化フィードバックループの「成功者がさらに成功する」原型から抜け出す方法は、定期的に条件を公平にする事。

    システムを統治するルールは、「ルールに従っている」「目標を達成している」という見かけを与えながらシステムを歪める「ルールのすり抜け」に繋がる可能性があるが、この回避方法は、ルールの目的を達成する方向に創造性を解き放つよう再設計する。

    GDPが測っているものに、人生を価値あるものにしているものは何一つない。

    自己組織化とは、まったく新しい構造や行動を作り出す事によって、自らを完全に変えてしまう、下位にあるシステムのどんな側面をも変える事。

    システムの中の人を変える事は、その人が同じ古いシステムに属している限り、あまり機能しない。唯一例外はその人がトップの場合だけ。

    パラダイムを変えるには古いパラダイムの異常や失敗を指し続ける事。自信を持って新しいパラダイムに基づいて話し、行動し続ける事。新しいパラダイムを持った人々をみんなに見え、権力のある場所におく事。反動主義者に関わって時間を無駄にしない事。能動的な変化の担い手や、偏見のない中立的な多くの人々と共に活動する事。

    システムのモデルを構築する為には、システムの外側に出て行き、システム全体を見る事。

    パラダイムを変えるよりさらに高次のレバレッジポイントは、柔軟で在り続ける事。「真実であるパラダイムなど存在しない」事を知り、膨大で驚異的な宇宙について、ほんの僅かしか理解していない事を知る事。

    システムをいじろうとする前に、そのシステムのビートを理解する事。「何が悪いのか」だけでなく、「どうしてこうなったのか?」「どのような挙動モードが可能なのか?」「方向性を変えなければ最後はどこに辿り着くのか?」を考える事。

    情報は力。可視化するだけで大きな影響がある。

    可能な限り正しく言葉を使う事。

    測りやすいかに関わらず、成長、安定性、多様性、レジリエンス、持続可能性と言った、システム全体の特性を高めよう。

    システム全体を見るために従来の専門分野の境界線を越えて学際的に取り組む事。各々が学問的に正しくあろうとするのではなく、無知を認め、問題解決に全力を尽くす事。これが起こるととても胸が躍る。

    時間軸と思考の範囲を広げるだけでなく、思いやりの範囲を広げる事。実際のシステムは地球の生態系と繋がっている。道徳的なルールと実用的なルールは相互に繋がっている。

    よりよい未来を築く為の5つのポイント。
    1.ビジョンを描く
    2.仲間を創る
    3.真実を語る
    4.学習する
    5.慈しむ

    システム思考の活用法
    1.何が起こっているのかをありのままに見つめる
    因果だけでなく、フィードバックループまでみる
    2.なぜ起こっているのかを説明できる物事のつながりを見出す
    3.レバレッジポイントと呼ばれる効果的な介入ポイントを特定する
    4.その実施や移行の為の戦略を築く
    5.リソースを動員する人達の合意を得る

    「誰かが問題を起こしている」と見るのではなく、「いかなる構造がそこにいる人に問題に繋がる行動をとらせるのか」と見る。

  • 近頃、本を読むスピードが落ちたな〜、と思っていたけど、これは3日間で読んでしまった。
    単に、最近、それほど面白い本に出会っていなかったということだね。

    これは、本当に面白い、エキサイティングな本です。

    システム思考については、ある程度、知っているつもりだったけど、なるほど〜、な話しが満載です。目から鱗が落ちまくります。全く新しいことが書いてある訳ではないのだけど、これまで知っているつもりだったこと、単独では分かったつもりだったことが、つながるわけ。まさに、個別要素の合計ではなくて、知識同士のつながりが新たな知識として、立ち上がってくる感じ。

    ちょっと、またシステム思考、がんばってマスターするぞ〜、な気持ちになりました。

    ちなみに、これは、入門書としては、やや難しいのではないかと思います。システム思考関係の本は、入門書か、スターマンとか、モデリングとか、どっちかというと中〜上級向けの本しかなかった印象なので、その間を埋める中級の本かな?と思います。

    多分、「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか」を読んでからにしたほうが、いいかな?あと、複雑系とか、限定合理性みたいなのに関連する本もパラッと読んだ方が分かりやすいかもしれない。

    クドいけど、この本の価値は、分かりやすい中級レベルの本ということには留まらない。いろいろな刺激的な視点をくれる本です。

  • 大変な名著ですので、ぜひ多くの人に読んで頂きたいと思います。

    多くの人が「読みづらい」と言っていて、「あ、そういうものなのか」と思いました。

    ぼくが「システムのモデリング」や「ダイナミクスの分析」というアイデアをすんなり理解できたのは、もともとシステム制御工学を専攻していたり、バージニア・アンダーソンの『システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術』を若い頃に読んだりしていたからなのかもしれません。

    ぼくはそのような知識に早くから触れるという「幸運」に恵まれていました。しかし、多くの人は、そうではないんですね。

    たしかに、学校教育のカリキュラムを考えてみれば、「システム的な思考法」に関連した教育内容は、ほとんど無いかもしれません。

    この「システム思考」というものが、多くの人にとって馴染みがないだけでなく、容易に理解できないものであるということを、あらためて認識しなければならないと思いました。

    その認識から出発することで、よりよい実践や、よりよい教育につなげていくことができるだろうと。

    いずれにせよ、この本を多くの人に読んでもらいたいと思いました。

    ---

    お気に入りの逸話:カーター元大統領はメキシコからの不法移民に対処すべく、「米国とメキシコとの間の、機会と生活水準のギャップが埋まらない限り移民は止まらない」「国境警備や防壁より、メキシコ経済の構築のためにカネを使うべき」と主張した。しかし実現しなかった。

    本書の難点:索引がないこと。

  • いきなり読むとなかなか理解に苦しむ。可能なら研修を受けてから読むのがいい。

  • システムとして仕事、世界、日常をとらえる考え方が私には新鮮であり、考え方をまとめるのに非常に参考になり、モデル部分を中心に、まとめるために積読する

  • 「システム思考」の解説書。
    ビジネス書的な問題解決を扱ってるはずなのですが、書きぶりからアプローチから、非常にユニークな本、という印象を受けました。「システムとダンスを踊る」って表現は面白いです。

    そこまで難しい言葉では書かれていないはずなのですが、どういう訳か読みきるまで時間がかかりました。身につくにも少し時間がかかりそう。

    入り口の入門書、キッカケとして良い本ではないかと。

  • システム思考の中でもシステム・ダイナミクス学派に属する著者がシステム思考の基本から、身の回りにあるシステムの捉え方をレジリエンス、自己組織化、ヒラエルキーなどの視点も合わせて指南、シンプルな例題から経済問題、そして環境問題や格差問題にまで切り込み、間違った目標を落とし穴として指摘します。 終章では、システムの世界に生きる心得が15ほど訓示されています。なかでも「自分のメンタルモデルを白日にさらす」、「測定可能なものだけではなく、大事にものに注意を払う」、「謙虚であり続け、学習者で有り続ける」、「複雑性を祝福する」、「時間軸を伸ばす」、「学問の”領域”に逆らう」などが印象に残りました。

  • システム思考の入門書、解説までよむとシステムシンキングの学派の流れがよくわかり次に読み進めたい本が見つかる。

  • この本がひとつのきっかけになればいい。

  • 世の中で起きていることは、ストックとフローからなるシステムで説明できる。システムの特徴、なぜ予想外の動きをするのか、どんな落とし穴があるのか、そしてシステムを期待するように動かすにはどうすれば良いか、などなどをわかりやすく解説するシステム・ダイナミクスの良書。
    再読したい。

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