ティール組織――マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現

制作 : 嘉村賢州 
  • 英治出版
3.91
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862762269

作品紹介・あらすじ

上下関係も、売上目標も、予算もない!?従来のアプローチの限界を突破し、圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。

感想・レビュー・書評

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  • 組織開発関係の本は、いろいろ読んで、最近は、なんとなくどこかで読んだような話が多い感じがしていて、以前ほどは熱心にいろいろ読むエネルギーが出てこない感じ。

    というなかで、久しぶりに、心を揺さぶられるというか、「これを実現したい」という熱い思いがわき上がってくる本だったな〜。

    要素に分解すると、どこかで読んだ話ではある。

    例えば、「ああ、これはアプリシエイティブ・インクワイアリーと一緒だ」とか、「NVCと一緒」とか、「社会システム的なアプローチだな」とか、色々、元ネタは見えるんです。

    でも、「それが単に色々なツールを組み合わせているだけ」とは全然感じなくて、「ああ、このツールはこういうコンテクストの中で本当に活きるんだな」と頭が整理されつつ、自分の中にすでにリソースがあることに気づき、力が出てくる感じ。

    もちろん、そういうツール的なことを超えて、この本は、なんだか思いが伝わってくるんだよね。

    例えば、自律型の組織論である「ホラクラシー」は、読んでも、そこまで感動はしなかった。どちらかというと仕組み系の話だからかな〜。

    それに対して、「ティール組織」には、人と組織が「全体性」として存在する、そしてそれが自律的に進化していく、という思想があって、そこに大きな希望というか、夢というか、解放があるんだよね。

    現実的に、じゃあ何をやるのかと考えると、障害だらけで(やはり、組織のリーダーのメンタルのパラダイムシフトが必要条件)、全く困ってしまうのだけど、それでも、なんかやりたいという気持ちが高まる。

  • 「それはメンタルヘルスや離職率の問題、縦割り組織における部署間の対立や非協調関係についてのものだった。また、どの組織のリーダーも口をそろえて『当事者意識が足りない』ともらしていた。…」

    組織論を7つの色(段階)に分ける。
    ほとんどの会社が達成型(オレンジ)。能力に応じて報酬を支払う。目標は上から降りてきて、組織の人事なども幹部だけが決めてそれが最後に社員に知らされるという組織。
    その上が多元型(グリーン)。メンバーを家族として一つの共同体を作る。今まではこれが最高段階と見られていたけど、さらにその上が

    ティール(進化)組織。組織を一つの生命体として、目標設定は自身で行う。長い会議もない。
    達成型の場合、あまり高い目標を置くと、未達成の場合処分を受けるため、メンバーは目標を低く設定し、能力に蓋をする。ティール組織は、達成型のこのような様々な点に問題提起して、より高次元の組織として存在する。

    というお話!
    600ページ弱あって、何度か挫折しそうになった…

  • ずっと途中までで止まってたこの本。やっと終わった。思想としては理解できるけど、現実としてはどーなのかな〜。

    ①ティール組織を導入してる会社に入る
    ②今の会社に導入する
    ③自分で会社をおこしてティール組織にする

    の三択だと思うけど、どれもハードル高くてメゲる。

  • 589頁にも及ぶ大書。パラダイムシフトのゴールとして、あたらしい「ティール組織」を定義する組織論。自然発生的な集団である無色からはじまって、マゼンダ、レッド、アンバー、オレンジ、グリーン、ティール。7段階の組織構造を7つの色で表し、その組織の特徴を考察する。

  • 会社の存在意義が問われてきてるけどティール組織の考えはものすごくしっくりくる。

    会社上位ではなく、自主組織であり、社員が自分をさらけ出せる。上層部の会議はいらないってさ。

    具体例も豊富で読みやすい。

  • 原題は「ReinventingOrganizations(より良い組織の発明)」
    人類史上、社会と組織はより複雑になった。
    現代社会における組織も、より複雑になってきている。
    世界各国の先進的な企業に共通している特色によって、進化型組織はどのように変化しているのかを紐解く良書。実現困難に思われるような内容もあるかも知れないが、まだ私たちが知らないだけだと考えさせられる。

    • 小島康平さん
      詳しく紹介されているオランダの企業の代表の方が、野中郁次郎さんを敬愛しているそうで、私たち日本人にとっては誇らしいことです。
      詳しく紹介されているオランダの企業の代表の方が、野中郁次郎さんを敬愛しているそうで、私たち日本人にとっては誇らしいことです。
      2021/02/20
  • 最先端の『組織』理論。これらの組織はピラミッド型の階層型組織ではなく、10数人程度のグループですべてを行う『組織』がこれからの社会では有効だということを論じている。

    ティール組織の実例として、オランダの在宅ケア組織「ビュートゾルフ」を挙げている。この組織は、1チーム約10数名の医療スタッフで実際の介護から、新人のリクルートまでほとんどすべてのことをこなし、現在ではオランダ国内で約890チーム、約10,000人の看護師・介護士らが活躍、地域包括ケアの成功事例として世界的に注目を集めている。

    ティール組織とは
     〇 セルフマネジメント / 自主経営
       上司がおらず、それぞれが自主的に判断して行動する。
     〇 ホールネス / 全体性
       家族といる時や自分一人の時と同じように、職場でも自分らしくある。
     〇 存在目的
       この組織は何のために存在するのかを常に意識する。一度組織を作れば、この組織は生き物のように勝手に成長していく。いかにCEOといえど組織を意のままにすることはできない。
    と定義づけている。

    以前読んだ、『TEAM OF TEAMS (チーム・オブ・チームズ)』(スタンリー・マクリスタル (著), 日経BP社)でもこのような新たな形の『組織』の有用性が論じられている。
    元アメリカ軍司令官の著者が最新鋭の装備で武装したアメリカ軍がろくな装備を持たないテロリスト組織を根本的に倒すことができなかった。敵のリーダーを倒しても、捕まえてもテロリスト組織が弱体化しなかった原因として、このテロリスト組織が従来のピラミッド型組織ではなく、ティール組織に変化していたからだ(実際にはティール組織という言葉は使っていなかったが)と結論づけ、アメリカ軍も新たな『組織』への変革を目指している。

    世界は進み、この100年~200年で過去のどんな時代よりも人類は進歩した。そして今後、組織も社会も進化していく、あと十数年すればこのティール組織が組織のあり方として当たり前になるのかもしれない。

  • 少し自分には難しいかなと思っていましたが、
    頑張って背伸びして読んでみました。
    分厚い本ですが、予想していたよりも読みやすかったので、何とか読み切れました。

    内容はというと、組織形態について、革新的なアイデアにもかかわらず、
    自分の中にとてもすーっと入ってくる内容でした。
    ティール組織というと、単にフラットな組織なのかと思っていましたが、
    それだけではなく、お互いの弱さをチーム内でさらけ出し、
    助け合う自分が前々から考えていた理想的な組織に近いように思えました。

    こういう革新的な組織形態は、日本の大企業に当てはまらないだろうな、と思いながら読み進めていましたが、
    本によると、トップの意思次第では大人数の組織でも成り立つとのこと。
    何かと変化が嫌いな保守的な企業では、実践するのは難しいでしょうが、
    それでもどんな組織でも適応可能という点は驚きです。

    こういう組織で働いてみたい、又は、
    こういう組織をつくってみたいと思わせてくれるような本でした。

  • (1)マッキンゼーの7Sモデルを想起させる。
    システムを変えることで価値観や人材、文化を変える。
    昔は、組織構造をいじって、文化などのソフトを時間をかけて変えようとする。
    そのために、目標管理制度や成果主義型賃金制度などを導入して、失敗した。

    今は、心理的安全性を重視し、個人のパフォーマンスが発揮できる環境づくりに力を入れる。
    ハーズバークの衛生要因を整備し、動機づけ要因を刺激するような仕組みを取り入れる。

    (2)ティール組織はIT発達の恩恵も受けている。
    限界費用ゼロの世界では、有形資源のリソースは溢れてる。
    しかし、人の能力という無形資源が最後の制約。
    だから、人やチームに任せた方が速い。

  • 組織論という一般受けしづらいテーマと、あっさりした表紙で、正直手に取るのを躊躇してしまう第一印象だった。
    しかしその実は、組織運営関係なく万人にお勧めできる良書である。

    ティールの価値観は最近共通して語られている概念、価値観に近い印象を受けた。
    例えば信用を稼ぐ、メタ認知、副業解禁、ストーリーテリング、コーチング、マインドフルネス、WorkAsLifeなどだ。
    それらと最も親和性の高い組織形態は何か、と考えた時にティールという形に帰結するのは、非常に納得感がある。
    単なる組織論ではなく根底の考え方に繋がる話であり、これからの時代は主流になっていくものだろうと感じられる内容だった。

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