- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862804396
作品紹介・あらすじ
投資商品を見極め、世界市場で長期の運用をすれば、安定した高利回りが得られる。注目のETF、NISA、金(ゴールド)についても徹底解説!世界金融を知り尽くした超プロがこっそり教える運用の極意。
感想・レビュー・書評
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世界の金融に着目して運用を行ってきた方ですので、特に世界市場に目を向けることと、投資収益から差し引かれる手数料を知ることの重要性を説いています。
本書の流れは1章で世界第二位の金融資産保有国なのに、有価証券にほとんど投資されていない穂人の現状を書いて、2章で定額を長期に投資し続ければ成果が得られること。
そして、3章で成功するための投資の心得として、ドルコスト平均法やリスクに対する理解を書いております。残りの4章と5章で投資商品の見極めと、注目すべき投資商品について書かれてあります。
流れとして投資初心者でも読みやすく、投資の啓蒙本としてもいい本だと思いました。投資の手法としてETFを活用しているのは私の投資手法に近いので参考になるなと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
専門知識を必要としないような話が中心だったので、初心者でも読みやすかった。
本書で特に強調されているのは、日本の金融資産のほとんどが現金とか銀行の預金で、証券の比率がアメリカやヨーロッパと比較するととても低いこと。
しかしギャンブル依存症の人はたくさんいるので、リスクが嫌われるというよりは単に「投資が下手」なんだろうということ。
個人的には日本人の「投資下手」は、企業の退職金や企業年金、年功序列型の給与モデルが大きく影響していると思う。
高度成長期には、資産のことを自分の頭で考える必要がそもそもなかったんじゃないだろうか。
今後は超高齢化によって日本全体のパワーが低下し、社会保障の質が低下するのは確定的に明らか。
自分で自分の資産をしっかりと運用できないと、たちまち貧乏父さんになってしまうと思われる。 -
著者は、ドル・コスト平均法での長期投資、世界中の株・債権を使った分散投資で利回5%は達成可能と主張している。
世界経済の成長率が5%(名目)である以上、世界中の金融資産に投資をすれば、投資利回5%は達成可能であり、その理由として、株価の市場価格には本来価格に基づく平均値に回帰する性質がある事を挙げている。
巷にある「株で○○億儲けた!」の様な大きな儲けを求めるのではなく、株・債権投資を、「貯蓄」と位置付け、長期投資や分散投資の効果とリスクを踏まえた上で、株・債権投資を有効に活用する事、それが結果として銀行の預金よりも有効である事を説明している。
一般の個人投資家の大半が、株・債権投資で損をしている事を踏まえると、本書の推奨する方法は一考に値するもので、この手法を更に掘り下げて自分で調べてみようと思わせてくれる一書である。 -
・株式投資が本来の貯蓄で、現在におけるゼロ金利の銀行預金は資金をただ寝かせているに過ぎない。
・日本株だけに投資するのでは、年利5%の目標は困難であるのみならず大きなリスクを伴う。世界を土俵として考える必要がある。 -
「投資の教科書」
フェイスブックでだれかのコメントがあったので興味を持ち読んでみた。
もっとも、著者と名前が漢字と音で一字違いと言うことが読んでみるきっかけとしては大きかった。
教科書という意味では投資についていろいろと知らないことの概要がわかり勉強になった。しかし、これで『さあ投資を始めよう』とはならないだろう。
ピケティを読んだ後では年利5%というのは、投資すれば黙っていても自然とそうなるように思えるが、ピケティの場合は歴史的事実としてと言っているのに対し、本書は資本主義を信じるならと言っている点が違うように思う。
つまり、今後どうなるのかは誰もわからないと言っておきながら、株式を含めた投資が利益を生むとは言えないだろう。控えめに言っても資産の減耗を和らげるという程度が妥当なところではないのだろうか。
特に実体経済以上の金融マネーが世界を流通する一方、地球の資源が限られることがこれまでになく認識される現代において、金儲けと言うこと自体が成り立たなくなっているように感じられる。ひょっとすると世界はとてつもない転換点にあるのかも知れない。とは言っても、個人はそれぞれの日々の営みをするしかないのだが。 -
再読すれば変わる可能性はあるが、初読での感想としては『投資の教科書』というタイトルは合わないんじゃないかという印象。
筆者の主観が随所に入っているせいか、個人的には教科書としての違和感を感じました。
理論も書いてあるのですが、説得力に欠けるのが原因かもしれません。
ただドルコスト平均法の優秀さをデータで示しているのは面白いと思いました。