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- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784862850386
作品紹介・あらすじ
杜甫が農事について歌った詩を組織的、総合的に考察することで、詩聖杜甫のイメージからは伝わってこない世界を明らかにした画期的な作品である。士大夫階層により支えられ継承されてきた漢詩の伝統的表現のなかにあって、杜甫の農業詩は新たな表現空間を生み出すとともに、詩人の細やかな観察と人間ヘの眼差しを通して、杜甫の生きた日常世界が鮮明に浮き彫りにされる。杜甫は、今やわれわれにとって等身大で身近な存在となった。農民に同情し社会の矛盾を告白した初期の作品群に対して、〓(き)州に移ってからの杜甫は自らの農業的実践に関わりそれを具体的に詩に詠じたが、それらの農業詩は先人がなしえなかった独自の詩境を切り開くものであった。農業社会を基盤に営まれていた近代以前の思想や文学を、農業という観点から見直す著者の試みは、今後の文学研究にとって示唆に富むものとなろう。