杜甫農業詩研究: 八世紀中国における農事と生活の歌

著者 :
  • 知泉書館
5.00
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 1
感想 : 0
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862850386

作品紹介・あらすじ

杜甫が農事について歌った詩を組織的、総合的に考察することで、詩聖杜甫のイメージからは伝わってこない世界を明らかにした画期的な作品である。士大夫階層により支えられ継承されてきた漢詩の伝統的表現のなかにあって、杜甫の農業詩は新たな表現空間を生み出すとともに、詩人の細やかな観察と人間ヘの眼差しを通して、杜甫の生きた日常世界が鮮明に浮き彫りにされる。杜甫は、今やわれわれにとって等身大で身近な存在となった。農民に同情し社会の矛盾を告白した初期の作品群に対して、〓(き)州に移ってからの杜甫は自らの農業的実践に関わりそれを具体的に詩に詠じたが、それらの農業詩は先人がなしえなかった独自の詩境を切り開くものであった。農業社会を基盤に営まれていた近代以前の思想や文学を、農業という観点から見直す著者の試みは、今後の文学研究にとって示唆に富むものとなろう。

著者プロフィール

1954年、佐賀県生まれ。九州大学文学部卒、同大学院博士課程中退。鹿児島県立短期大学、島根大学、佐賀大学をへて、現在佐賀大学名誉教授。博士(比較社会文化・九州大学)、博士(文学・神戸大学)。
〔著書〕『中国スキンシップ紀行』(筑摩書房、1988年)、『初唐の文学思想と韻律論』(知泉書館、2003年)『杜甫農業詩研究 : 八世紀中国における農事と生活の歌』(同、2008年)、『杜甫の詩と生活 : 現代訓読文で読む』(同、2014年)

「2020年 『二十四節気で読みとく漢詩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古川末喜の作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×