メディア症候群

著者 :
  • 総和社
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本棚登録 : 80
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862860439

作品紹介・あらすじ

日本は世界の中で埋没しながら自壊してゆく。

感想・レビュー・書評

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  • 2013年6月25日

    <MEDIA SYNDROME>
      
    装丁/芦澤泰偉
    装丁写真/Aflo
    DTP/佐藤春生

  • ――――――――――――――――――――――――――――――○
    オランダ政府は多文化共生を掲げて、総人口の一〇%を占めるイスラム系移民との融和をはかろうとした。ところが、イスラム系移民は自らの権利が拡大したことで逆にオランダ人と融和する必要がなくなってしまったのだ。彼らは都市部に別国家のような生態を形成し、治安は悪化の一途を辿っている。(…)EU統合という流れの中で、逆に個々の国家は行き過ぎた社会民主主義からナショナリズムに回帰しているのが現実で、多文化共生政策の見直しが始まっている。これは"偏狭なナショナリズム"などではない。48
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    戦後一度も日本が交戦しなかったのは、護憲派が言うように憲法九条が交戦権を認めていないからでなく、国家主権と国民の人権が重大な侵害を受けている事実すら公式に認められないほど、日本の主権が溶解していたということだ。(…)国家が公式に認めても拉致被害者奪還に着手することさえできなかったのだ。すなわち個別的自衛権すら行使できない憲法九条が、拉致の温床になっていたという歴史的事実は何人にも否定できない重みがある。84
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    軍事力と表裏一体となった外交戦略こそ、世界の独立国家の前提であり、それはまさに、北朝鮮が身を以ってわが国に示していることではないか。そして、日本が決してそういう外交姿勢を取れないのは、わが国が本当の意味での独立国家ではないということを逆証明している。202
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    平成二十一年(二〇〇九)の米中戦略経済対話とは、事実上経済破綻をしている米国が自らの延命を図るために、支那の覇権主義、人権弾圧に目を瞑り、支那に米ドルを買い支え続けさせようと、二つの巨大な悪の帝国が手を結んだ瞬間なのである。それはまた、衰退しつつある巨大帝国米国が、アジアに中華帝国の誕生を許したこととほとんど同義である。286
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    天安門虐殺事件の張本人、李鵬首相が「日本は二十年で消えてなくなる」とオーストラリアのキーティング首相に嘯いたのは、十五年前の十九九五年のことだった。李鵬の予言が正しければ残された時間は五年しかない。288
    ――――――――――――――――――――――――――――――○

  • テレビや新聞では見えてこない現代社会の問題点を洗い出す快著である。

    ネット上でメディアの言説に批判的な議論を日常目にしていれば、聞いたことのある話と思える事柄がたくさん出てくる。本書は国益に反する法案や政治家の思想について丁寧に紹介し、放っておけば国を滅ぼしかねないような事実を報道しない既存メディアの存在を痛烈に批判する。

    驚くのは、日系人と思われる名を持つ海外通信社の日本駐在員が、わざわざ日本を貶めるためだけとしか思えないような記事を世界に向けて配信しているという事実である。日本を批判することで自国に利益を誘導できるような立場にない海外メディアのこうした行動は、私には理解できなかった。

    特定アジアの国々が、景気浮揚策であったり票集めのために日本を批判するのであれば理屈はわかるような気がする(もちろんいいかげんにしろと思っている)し、国内に反日的なメディアがあるのも、幼少のころから「日本は悪い国でした」と教わって素直にそう信じた人々で構成されているならわかる気がする(それも何とかしてほしいものだと思うけれど)。

    ただ、関係のない国はどういうことなのだろうか。やはり現在の日本に、中韓と並べたとき、非難を受ける要素があるということなのだろうか? 中国は経済発展著しく、韓国はアメリカにおけるロビー活動が活発である旨が本書にも記されているが、それだけなのだろうか? 

    個人的には概ね本書の主張に同意できるのだが、現在の(あくまで現在の!)日本が自省しなければならない点があるのかもしれないという感想を持った。それはしかし、他国におもねるべき点を見つけるということではなく、日本の意思や姿勢を知らしめる努力・方法とその結果において、という意味である。

  • 自分には不要な本と判断した。確かに知識があれば、モノの見方は大きく変わる。しかし、筆者の前提が、根拠の無い過去の全肯定や男尊女卑であり、読んでいて心が痛む。故に途中で読むことを止める。

  • ここに書かれている事が全て事実ならこの国の報道機関は一体どこの国(人)の報道機関なのだろうか。
    偏向報道の類はこのまま治まるところを知らずにつき進んで行くのだろうか?

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著者プロフィール

西村幸祐(にしむら・こうゆう)
批評家、関東学院大学講師。昭和27年東京生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科在学中より「三田文学」編集担当。音楽ディレクター、コピーライター等を経て1980年代後半からF1やサッカーを取材、執筆活動を開始。2002年日韓共催W杯を契機に歴史認識や拉致問題、安全保障やメディア論を展開。「表現者」編集委員を務め「撃論ムック」「ジャパニズム」を創刊し編集長を歴任。(一社)アジア自由民主連帯協議会副会長。著書は『ホンダ・イン・ザ・レース』(講談社)、『「反日」の構造』(文芸社文庫)、『幻の黄金時代』(祥伝社)、『21世紀の「脱亜論」』(祥伝社新書)、『韓国のトリセツ』『報道しない自由』(ワニブックス【PLUS】新書)、『朝日新聞への論理的弔辞』(ワニ・プラス)など多数。

「2022年 『九条という病 - 憲法改正のみが日本を救う -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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