ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論

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著者 : 古谷経衡
  • 総和社 (2013年4月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784862860705

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論の感想・レビュー・書評

  • ネット右翼と言われる人たちの存在とは何か?

    巷間言われているような、過激な排他主義のイメージのネット右翼。
    著者は調査とインタビューを繰り返しながら、それに対する反論を行っている。

    本書にもあるように、「在特会」というレイシスト集団について、保守を自認している20〜60代の方々は批判的である。

    「在特会の下品な活動や、それを支持する粗悪な言説が大手メディアで取り上げられればられるほど、日の丸や愛国の価値が下がっていくような気がする」

    「保守派の集会と在特会の集会は、日の丸や君が代といった共通点があるので、事情に疎い人は在特会と保守をどうしても混同してしまう。
    在特会が知性のない、下品極まる振る舞いをして保守の評判が下がるのはやるせない」

    などなど。

    マスコミなどで報道される「ネット右翼」ひとくくりにした言い方には語弊がある。
    リベラル⇄保守、左翼⇄右翼、革マル⇄在特会など、ある程度整理が必要であると思う。

    敗戦後、日本人の心の中に頚となっている「保守」的なものへの恐れ。

    世の中をフラットに考えるためには、リベラルこそが素晴らしいという考えを疑ってみるのも必要ではないだろうか。
    新自由主義の名のもとに行われた「改革」がはたして国民のためになったのか?

    歴史や伝統というものには意味があるからこそ、現在でも続いている。
    我々は歴史の中では点でしかない。
    そいうった過去の遺産を我々の代で無くしてしまうことの恐れが保守の本質にはあると思う。
    それは過去に対する敬意であり、未来に対する責任である。
    時代とともに伝統や文化も変わる。
    それはしょうがないにしても、熟議した上で緩やかに変えていくことが大切なのではないか?

    保守というのは、軍国主義になるとか、外国人を排斥するというのとは全く関係のないことだということを、もっと発信してもいいと思う。

    本書においては、保守に対する間違った認識に対するひとつの答えを示しているだけではなく、変更報道や知識人といわれる人々の保守層への差別的発言など、様々な問題を鋭く指摘している。

    在特会=保守という認識をもたれている方にこそ読んで欲しい一冊。

  • 保守派とされる著者。

    p91以下のはやぶさ機関騒動をメディアが扱わなかったのは知らなかった。
    p107以下ネット右翼の社会的地位が低い(≒低所得・低学歴・恋愛経験に乏しいなど)が異なりむしろ学歴が高いという調査結果は重要だ。
    p130、7割近い方が自分自身をネトウヨだと思わないという。p137「既成の大手マスメディアや紙媒体なども上手に利用しながら、やや軸足をネットにうつして知的好奇心を満たす…バランス感覚の良さがこの設問の結果から明らかになっている」p145以下、保守派は在特会と自分は違うという感覚を持ちつつも、共有できる価値観があるという方も。

    p175「ネット右翼と括られることになる人々の発生が、平成14年(2002)のサッカーW杯のころから目立ってきた現象」。スポーツは正負の影響が絶大だ。

    なぜ既存の右翼団体(日本会議のような)と合流しなかったのか。p195「ネット右翼のもつ思想的中心たる嫌韓を、既存の右派・保守団体ですら代弁することがなかった」。その理由はp204「冷戦時代における日本の韓国観は、保守側が一貫して融和的で、左翼・リベラル側が一方的に韓国に対して辛辣であった」。

    ネット右翼の実態は、社会的地位の低い人がインターネットに逃避し、社会に逆恨みしているというのではなく、複数のメディアを利用している情報感度の高い層が常識的な感覚でいきついた先ではないか。慰安婦問題などで、韓国はあんなにひどいことしているのになんだ、という反発もわかる。勢いに乏しい左翼は、在特会を批判しても、多数の「ネット右翼」には響かない。常識的な感覚をもって、自分たちの言説を通すためのごまかしをやめることが、ネット右翼から過激なレイシズムへの変質を緩和することになるのではないか。

  • ネット右翼登場の背景分析は面白い。でも、ネット住民への思い込みが強すぎない?

  • 麻生太郎はネット上で大人気だった。
    ネトウヨと呼ばれる人たちって、まともな人が多いと思う。
    ネトウヨでなくても韓国嫌いな人、民主党が嫌いな人はたくさんいる。そもそもネトウヨというのがよくわからない。この本読んでも、よく理解できなかった。

  • 【感想】
     前半の、ネトウヨの実情に関する考察は秀逸。「ネトウヨ」がアキバ系低収入とは限らない、ということなど、調べればわかるはずのことが、あまり知られていない現状を知ることができた。ただ、終わりの部分の座談会では、他民族に対する配慮について若干欠けているように感じられた。
     ほか、校正漏れだろうか、語法の間違いや誤字も二ヶ所程度気づいた。前半がなかなか面白い視点だけに何とも残念であった。

  • 著者の問題意識ってどこにあるのかわからない。
    「在特会」問題で世論を沸騰させた「ネット右翼」を排外主義とレッテル貼りするまえに、いまやごくふつうの日本人でさえ抱くようになってしまった「嫌韓」感情の背景こそ、直視しなければならない。っていうけど内容は、俺らは保守であってネトウヨじゃねーからな。っていう、保守の名誉回復に費やされている。たいした分析もなくそれだけのために一冊の本を書き上げてしまうんだからすごい。
    ネトウヨだけではなく、ヘイトスピーチも根底にあるのは同じだと思う。
    社会がまわっていない状態で、不安や鬱屈を抱えた人たちが攻撃的な排外主義にコミットする。これは日本だけではなく先進国共通の問題だ。
    将来不安による承認欲求を抱えた人間を大量生産する構造は社会的問題で看過することは勿論できない。しかし一方で、ネトウヨやヘイトスピーチャーらの議論は一見公共的であるように見えるけど、動機は極めて個人的なものなんじゃないのっていう。
    なので韓国嫌いだから云々、とか正直お下劣で卑しすぎる。
    熟議を提唱する政治学者、ジェームズ・S・フィッシュキンや「第二階の卓越主義」を主張する法学者、キャス・サンスティーンなど
    の名前を最近よく聞くけど、要はまわりがしっかりしてればそこいらの極端な意見など聞くに値しないよ、と断じることができるんではないかね。4点。

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ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論の作品紹介

「在特会」問題で世論を沸騰させた「ネット右翼」。排外主義とレッテル貼りするまえに、いまやごくふつうの日本人でさえ抱くようになってしまった「嫌韓」感情の背景こそ、直視しなければならない。約千人にのぼるアンケート調査、取材によりネット右翼の虚像と実像を若き論客が徹底検証する。

ネット右翼の逆襲--「嫌韓」思想と新保守論はこんな本です

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