- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863100091
作品紹介・あらすじ
清朝最後の王女として生まれた少女は、辛亥革命の勃発により日本に渡り、川島芳子と改名する。清朝の復興を夢見る一方で、恋愛にあこがれる美貌の女性に育った芳子に、やがて戦乱が襲いかかる。日本の狭間で歴史に翻弄され、"男装の麗人"と呼ばれたひとりの女性の数奇な運命を活写する。芳子の生涯を辿ることは、日本の現代史を振り返り、日本人の平和観を問い直すことである-。
感想・レビュー・書評
-
この本の表紙に書かれた清朝14王女という文字と表紙の軍服に興味をもってこの本を手に取った。
表紙の写真で想像できるように、この本は清朝の滅亡後に生きた人の話を書いた本だった。
私自身川島芳子を良く知らなかった。日本のスパイとして第2次世界大戦後処刑された人だが、なぜスパイをしたのか理由が分からなかった。
しかし、理由はこの本を読めば分かる。
この本は、第2時世界大戦後の時を経た時代に川島芳子を良く知る老人が語った内容ということで、資料と史実を基に書かれている。
川島芳子は人を惹き付けるに十分な魅力と出自を持っていた人物だったが、そんな人が、なぜ日本のスパイとして活動したのかが書かれていた。
自分のことのみでなく、清朝の復興も願った川島芳子の物語がこの本に書かれていた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うう~ん。伝聞調なのが…
冒頭の老人が思わせぶりすぎて全てがフィクションに思えてしまうと言うか…
時代に翻弄された、と言うにはあまりに過酷な人生だったとは思うのですが。 -
実の父親に「玩具にでもしてくれ」と川島家に養女に出された芳子。
そしてその養父に体を凌辱されてもな、その養父に頼らないと生きていけない状況。
多感な時期にそんなにつらい思いをしたからなのか、とらえどころのない、謎に包まれた女性へと成長していくさま目の当たりにしたようで、同じ女性としては、内容に重さを感じた。
当時の手紙、資料などが原文のまま引用されている。興味深い手紙などもあり。 -
清朝の皇女に生まれながら、日本人の養女となり、スパイとして軍部に利用された。
美貌と性格が彼女の人生を狂わせた。