改善の鬼 山田日登志のムダに喝!

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著者 : 山田日登志
  • ウェッジ (2009年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (147ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863100398

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改善の鬼 山田日登志のムダに喝!の感想・レビュー・書評

  • 製造業、工場における改善活動を前提に書かれているので、いかに日常の生活・仕事につなげていくかは読み手の力量といったところでしょうか。
    大量生産は豊かさとともに、多くの無駄を作りだしている。
    故に生産性の無いムダを取り除く事の重要さが語られています。若干、くどいですが参考になります。
    余裕の無い日本社会に身を置いている以上、仕事量は増していくのは避けられません。忙しいが口癖で、作業のように毎日をこなすなんて御免こうむりたい!という訳で改善活動を習慣化したく、手に取りました。
    以下は僕なりに要点をまとめました。

    【改善魂①ムダに気づく】
    ❶ムダを見る眼
    『ムダを見る眼・ムダをとる勇
    気・ムダをとる知恵
    これが仕事に重要なのである』
    ‥‥世の中にはムダが溢れている。これに気づいている人は少ない。
    ‥‥より良いモノをより安く。
    製造業の論理は物不足の時代には有効であったが、物余りの時代には通用しなくなっている。
    ‥‥意識改革がムダとりの第一歩
    ❷現場におけるムダ
    『現場におけるムダは、モノに関する停滞のムダと人間と機械の繰り返す動作・運搬のムダしかない』
    ‥‥目に見えるムダは二つに大別される。「停滞のムダ」「動作・運搬のムダ」である。
    ‥‥付加価値を生むかがムダを定義づける一つの基準である。
    ❸知恵を出せ
    『反復訓練、きびしい訓練と反省、何がムダかを考え続けると神が宿る。
    それを知恵という。』
    ‥‥知恵を出すには、頭で考えるより実際に行動してみる事。
    ‥‥理論・知識重視の社会では理論をなるぼとな〜とインプットしても意味はない。習得してこそ役に立つ!
    ❹川の流れのように
    『分析・分業ばかりで全体を見る目を失っていないか。
    お客様に満足してもらうためには、材料から完成までを一貫して考えてこそ仕事といえる。』
    ‥‥毎日の仕事、生活でムダに気が付かないのは、惰性の証。
    ‥‥与えられた仕事さえこなしていれば良いというのは、分業の弊害で、全体の位置付けを意識する。でなければ、ムダが生まれ、誇りは生まれない。
    ❺改善の本質
    『工程間の淀みをなくす。
    繰り返す動作や運搬はなぜ必要なのかを考える。そして原価低減に結びつける。』
    ‥‥忙しさに負けて、ルーティンワーク化すると、働く意味・目的を見失う。
    ❻強い意志
    『毎日に流されるな。
    現状を否定するところに改善は始まる。現状を守ろうとする人間の抵抗に勝ってこそ、改革は成し遂げられる。』
    ‥‥人間とは元来保守的で、変化を好まない生き物。
    ‥‥抵抗には実証で対抗する。
    ◉革新とは9割の人が反対することをやることである。
    ❼間締め
    『最終工程から、逆にさかのぼれ。工程と工程、作業者と作業者の間が離れていないか、仕掛り品はないか。』
    ‥‥多能工化をすすめ、ラインを短くすることを間締めと呼ぶ。
    ‥‥手間を少なくし、その余った分を別に生かす事が重要。
    ❽管理の基準
    『時間で管理をするのか。
    量で管理をするのか。
    定時管理、定量管理をしてこそ、早い・遅いがわかり、良い・悪いがわかる。』
    ‥‥ビジネスマンにとって、仕事の上で様々な「管理」は不可欠である。
    ‥‥管理をどう捉えるかは、視点によるが、端的に言えば早い・遅い、良い・悪いを分かるようにするためである。
    ‥‥上司たるものは、管理して規制する意識ではなく、人の能力を活かして伸ばすかという姿勢が大切である。
    ❾必要なのは何か
    『稼働率を上げる、投資効率を上げるといって、ムダなものをつくっていないか。モノは不足するくらいで、価値がある』
    ‥‥本当に必要なモノは何かを考えれば、ムダは見えてくるし、そこからムダとりへとつなげていけるのである。
    (10)現代の奴隷
    『人から与えられた標準作業や、マニュアルに従って動作だけを繰り返していないか。
    自分の意志と知恵が入ってこそ、自分の仕事になる。』
    ‥‥何も考えずに指示された事のみをやれば、楽だが充実感・満足感は得れない
    ◉山田流考える社員育成法
    ⑴現状確認
    ⑵問いかける
    ⑶考えさせる
    ⑷トライさせる
    ☞○‥‥ほめる
    ☞X‥‥一緒に検討する

    【改善魂②自分を変える】
    ❶「わかった」と「やれる」は大違い
    『わかったと、やれるは違う。
    わからせるとやらせるは、また違う。やらせる・やれたの言葉が必要だ。』
    ‥‥仕事を頑張っているのに成果が無いのは、ムダが生じている証。悩む前にムダとりを!
    ❷ものさしを持て
    『自分のものさし、
    達人のものさしをいつも比較せよ。自分に何が欠けているかがわかる。』
    ‥‥高い目標はやる気・意識を高める。
    ▷その分野の第一線の人物を目標に設定する。
    ❸反復・繰り返しで体に刻め
    『人の話を聞く、良いものを見る‥‥で「参考になりました」では役立たぬ。良い事は、身につくまで訓練せよ。』
    ‥‥良い結果はすぐには出ない事が多い。スポーツでも楽器でも何でも何度も練習をして上達していく。
    ‥‥世の中は常に変化しており、変化に対応しなくてはならない。改善に終わりは無い。
    ▷強いというのは変化にいかに対応出来る体質をつくるか?
    ・弁慶が装備の劣る牛若丸に負けたのは、変化に対応出来なかったからだ。
    ❹鋼のような強い意志
    『どんなことがあっても成し遂げるという強い意志、
    そのために毎日何をなさねばならないかを知れ。
    自分に負けるな。』
    ‥‥何かを始めて、目に見える成果を出すまでには時間がかかる。継続の重要性を理解していながら、人間は無意識に楽な方へ流れる。続けるんだという強い意志が必要。
    ‥‥目標を決めたら、声に出してやる気を高める。
    ‥‥自分に負けないために、自分を客観的に見るためにも、他人の目を借りるという事も必要。
    ❺逆算こそ勝利への近道
    『石の上にも三年という言葉がある。
    今年は何を、今月は何を、
    今日は何をそのためになさねばならないか。』
    ‥‥明確な目標に基づいた時間管理が出来ていないと、漠然と毎日が過ぎていく。達成感や充実感は無い。
    ‥‥ビジネスマンとしてのゴールを描き、これからの10年間、次に3年間だとどうか?、1年なら、という具合に逆算して行動目標を割り出す。これがムダとりの極意。
    ▷製造現場では、出荷の後肯定から前工程に遡り、ムダを排除していく。
    ❻差別化が人を強くする
    『自分の仕事の位置をつかめ。
    だれに勝ち、だれに負けているのか。安心するな、一番になるまで。』
    ‥‥ビジネスマンとしての目標は出来るだけ高く設定するべきである。
    ‥‥ある分野での日本一を目指す。勉強と経験が必要になる=頭と体で覚えていく。
    ‥‥競争が努力を生み出す。
    ‥‥一人の客を満足させる術を毎日、研究すること。
    ❼谷は深いほどよい
    『倒れることが失敗じゃない。
    立ち上がれない、起き上がれないところに失敗がある。
    諦めるな!這い上がれ!』
    ‥‥スランプに陥っても、諦めてはいけない。努力の継続がやがて成果を生み出す。
    ◉厳しい、苦しいは自分の力のなさを表現する言葉だ。
    そんな泣き言を言う前に訓練しておけ!
    ❽技は気で伝わる
    『名人・達人と共に過ごす。
    名人・達人の側に近づけ。
    気の伝わり方が勇気、やる気を生み、訓練に耐えられることとなる。
    金をだしても一流から学べ』
    ‥‥一流の人物は独特の気を発している。
    ‥‥一流と接する機会は自らアプローチして、造らねばならない
    ❾良い仕事
    『仕事に良い悪いの差別はないが、結果には差が出来る。
    どのお客様に喜ばれようと、毎日の仕事に向き合っているか』
    ‥‥疎かになりやすいのが、誰に向けて商品・サービスを提供し、誰に喜んでもらおうと思って仕事をしているのか、という意識面である。
    ◉ムダとりは肩書ではできない。現場に立てば、みんな同じと思ってムダを見る目を養え。
    (10)人生、三万日の旅
    『どんな旅をしたいのか。
    そのために何が必要か。
    夢と希望を叶える旅にするために自分にどんな技があるのか』
    ‥‥肩書きではなく、こういう仕事で一流になりたい、こういうことをして社会に貢献したい、という目標を持つ。それが生きる術にもなる。
    ‥‥決められた時間、決められた作業の繰り返しの中で創意・工夫が忘れられていく。
    ‥‥生きる目的を達成するには環境も大切。環境実現の為に、生活を見直し、人生のムダとりを継続していくのである。

    【改善魂③会社を変える】
    ❶経営とは人づくりである
    『この会社には、どんな人が必要なのか。自分が、この会社で役立つには何が必要なのか。』
    ‥‥会社は社員がいてこそ、価値を発揮できる。社員を育てることこそ、良い経営につながる。
    =自分の価値観を持ち、自分の意志で動ける人をつくる。
    これを促進するのが、ムダとりである。
    ❷経営とは価値を知ることである
    『人の価値を知っているのが人事部、モノの価値を知っているのが製造部、サービスの価値を知っているのが営業部。
    お客様に価値をしってもらってこそ、会社は成り立つ。』
    ‥‥大学卒は一律に初任給は同じ。野球界では絶対にあり得ない。成績によって契約金は異なる。つまりスターが誕生するということ。ビジネス界にもこれは必要である。
    ❸ニンベンのつく自働化を目指せ
    『自分の知恵が入ってこそ本当の仕事。ただ動くだけなら牛でも、機械でも出来る。』
    ‥‥単に動くだけなら『動』だが、意志・知恵が加わると『働』になる。
    ◉現場で一分、一秒のムダを見つける。これがムダとりの目を養う、全ての動作に疑問を持て
    ❹かなしき赤字会社
    『赤字会社に行く。
    帳簿上の赤字ではなく、そこで働く人の心が赤字になっている。経営者は景気が悪いと言い、幹部は部下の働きが悪いと言い、部下は、こんな上司じゃ大変だと言っている。
    みんな、自分が悪いと言えない企業になっている。』
    ‥‥他律要因は、自分の改善点を曇らせる
    ‥‥改善・ムダとりはすぐに身に付くものではない。何度も継続して発展させていく姿勢が不可欠なのである。
    ❺本当の気づかい
    『部下を困らせること、克服すべきことを成し遂げること。
    そこに自信と勇気と信頼が生まれる。』
    ‥‥決して甘やかすのではなく、部下を困らせ、本人に知恵を出させるように育てていく。
    それが上司・経営者の心得。
    ❻キビキビ、ハキハキでモラール・アップ
    『挨拶が出来る。明るく振る舞える。決算書には出てこないが、そんな社員の少ない会社では儲からぬ。』
    ❼現場の仕事は現場の人に
    『上司は方針を出し、部下から提案が出る様にする。
    良い方法を一番知っている人が現場にいてこそ最強の職場。』
    ‥‥現在の企業は管理が進歩しすぎて、現場の知恵が生かされなくなっている。
    ‥‥やらせっぱなしは言語道断。
    常に現場を見て、検証して、改善指示を出す。これが管理者・経営者の仕事である。
    ❽機会損失
    『機会損失で潰れた会社はない。売れると思って設備投資をする。売れると思ってつくってしまった。で、倒産した会社はゴマンとある。』
    ‥‥企業は機会損失を心配するよりも、製造の単位をどうするかや、リードタイム(製品開発にかかるまでの時間)をいかに短縮するかに知恵を絞ることが大切である。
    ◉年度計画はダメ。年度の目標を日々に落とし込み、計画と実績を比較せよ
    ❾何をどれだけ売るのか
    『どんな人が、どうかかわって製品ができたか。どれだけの量を、だれに買ってもらうのか。
    身の丈に合った経営を知れ。』
    ‥‥大量生産・大量消費の時代は終わった。
    増産を目指して行われた過大投資の為に、合理化→作りすぎ→安売りの繰り返しが起きている
    (10)経営の結果が数字を生む
    『企業の結果は、そこに働く社員の総力にかかっている。
    一人一人を大切に、一人一人が大切に働く時間を過ごしたい』
    ‥‥日本は人以外に資源が乏しい国だ。にもかかわらず人材育成に無理解である。
    ‥‥ムダとり=改善の積み重ねがやがて大きな結果へとつながる。

    【改善魂④社会を変える】
    ❶大量生産、大量消費は安物買いと使い捨てを生んだ
    『日本が始めた規格大量生産による豊かな国づくりは、世界中が真似をして、安物買いの使い捨てを生み、エネルギー、地下資源、産業廃棄物という人類の新しい悩みを生んでいる。』
    ◉豊かさとは貧しさの相対言である。すべての人が豊かだったら、豊かという言葉はいらない。
    ❷モノづくりは現代の奴隷
    『標準作業・マニュアル作業に慣れるな。自分の意志と知恵の入らない動作の繰り返しは、考えない社員を生む。』
    ❸価値を知り合う社会にしよう
    『便利さと安さを求める消費者が、働く人を低賃金にし、人件費のかからない工場づくりをすすめている。
    あのお客様のために作る、あの人が作ったものならと生産者と消費者が満足し、信頼しあえる社会がいい。』
    ‥‥完全平等などあり得ない。格差・競争こそやる気を生み出し、活力を呼び起こす。
    ❹限りある資源を大切に
    『石油も鉄鉱石も、人間が作れない。再生のきかないものは使わない。』
    ‥‥製造業の定義
    【自然を、人または自然のために加工して、自然に戻すまでの一連の工程】
    今の製造業は、自然に戻すという部分を忘れている。
    ❺共生の社会のために
    『人と人、人と自然が、お互いに尊敬し合って生きられる社会は決して国際競争という言葉を使えない。』

  • 生産現場での「ムダを省く」活動を、現場・管理のそれぞれの視点からその効果を指摘していました。

    ここで得るものは事務所や様々な職場でも応用が効きそうです。

    トヨタの「カイゼン」や「見える化」関係の本に近い内容なので、ウェッジ書籍にしては入り込みやすいと感じました。

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