もしリアルパンクロッカーが仏門に入ったら

著者 :
  • イカロス出版
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本棚登録 : 146
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863203693

感想・レビュー・書評

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  • 仏教の入門として楽しめる一冊。
    堅苦しい単語も一応出てくるけど、
    『菩提心(仏になりてえという気持ち)』
    みたいなよく噛み砕かれた説明がされるので、すんなり読める。

    仏教の話となるとどうしても仏陀=偉いみたいなイメージがつきがちだけど、この本を読むと「なんていい加減なやつなんだ」って思えてくる。
    でもそれは悟りとして間違ってないという、スタンスが変わることでよく理解出来る面がある。

    ちなみにパンクロックはほんの少しだけしか関係ありません。

  • 仏教について、よく知らないけど、勉強したかった時に読みました。
    とにかく面白い!!
    でも、重要な部分、ブッダがどんな思想を生み出したのか、そこからどう仏教ができあがり、日本にどう広まってどんな思想がまた生まれていったのか、はわかりました。

  • Twitterでフォローしている真言宗の和尚さん、中村甄ノ丞氏が執筆協力しているとのことで読んでみた(尤も何もしていないと書いてらしたけれど)。

    表紙を見れば一目瞭然なように『もしドラ』の二匹目の鰌を狙った本なんだけれど、まったく仏教に通じていない自分には充分な手引きとなった。パンクと萌えカルチャーに喩えた説明はわかりやすいし、何より本気にしなくていいので鵜呑み防止にもなるし(笑)。

    <blockquote>仏教とは「どうやって生きていけばいいか?」という問題に対し、何らかの答えを得よとするもの(P.17)</blockquote>

    こないだある人と飲んだ時に「あぁ、この人はバカなんだな」と思う人が―なにせバレンタイデーにtenngaを配ったと初対面の人間に自慢するようなお方でしたので―「宗教と哲学は生きるか死ぬかの違い」と判るんだかわからないんだかなことを仰っていたけれど、本質的な違いは無いかなと思う。そこに神秘主義が加わるかどうかが境目なのではないか? 
    著者は釈迦の教えを「論理的に現状認識を行って問題点を抽出し、それを克服するための精神的トレーニング法(観察型瞑想≒精神医学でいうところの離人症に近い?)」により意識転換を図るものと解説している。今で言うライフハック、自己啓発的なもんだったのかなと自分はイメージしました。


    それを大衆にわかりやすくしたのが大乗仏教かなと。


    無常観=空=どうでもいいというのはヒントになるかな。

  • 非常にユニークな表紙、タイトル、そして文体、ストーリーを有しておきながら、内容は意外にも真面目でわかり易い仏教解説でした。
    現代的な喩えやブラックユーモアが丁度良い潤滑剤となり、本当はちょっと難しいはずの仏教思想をするすると読ませてくれます。よって、それらの特徴を素直に楽しめる人ならば、一読して損は無い一冊でしょう。
    少なくとも、表紙とタイトルのパロディ色だけで侮り、スルーするのはとても勿体無い。そんな本であることは間違いありません。

  • 筆者が正確性を捨てていると本文で言っているので正確性には欠けているのだとは思いますが、それでも仏教の入門書としては破格の出来栄えなんじゃないかと思います。いや知りませんけどね。
    少なくとも私はこの本を読んで仏教に多少なりとも興味を持ちました。しかし興味を持ったところで次にどの本を読めばいいのかが分かりません。
    だってこんなに分かり易く書いてくれてる本が他にもあるのかしらん?てことですよ。

  • 完全パンクマニュアルの著者による仏教って何?を簡潔にまとめた本。あるパンクロッカーが仏教における時代ごとの重要人物たちと出会っていくという流れで話は進みます。何故パンクロッカーなのか?それは仏教の祖である仏陀(釈尊)の行き着いた境地が「どうでもいい」という状態であり、それを弟子が広めたのが仏教であります。その「どうでもいい状態」が自堕落で低クオリティな音楽性をカッコよさとするパンクロックに通じるという解釈をしたわけです。つまりこの本によると、仏陀はパンクロッカーであり、仏教はパンクロックなのです。パンクロッカーは自分以外をファッションパンクだと蔑まなければなしません。であれば自分こそがパンクロッカーだと認めさせるために仏門に入るのは必然であるということです。 まぁパロディのパロディみたいな作品です。しかし仏教の歴史というほとんどの人があんま興味ないであろうテーマについてこれほど面白さを伝えている点はすごい。仏教ってそもそもは一人の人間、釈尊が考えたいかにいい感じに生きるかの哲学なんだということがわかりました。言ってしまえば「正しいと思うことをやれば心が乱れない」ということです。これが長い歴史の伝言ゲームで妙に神格化され、題目を唱えないと呪われるみたいな変な話になったりします。そんなわけはないのです。そういったものが宗教に対する僕らがなんとなく感じる胡散臭さの原因だったりします。この本を読んでそういったわけのわからないマイナスが払拭された感じがしました。

  • ファッキンシット!!
    この本のせいでブッキョーのことがすこしわかった気がするぜ!クソッタレー!

    ということでw
    仏陀って呼ばれてる釈尊ことゴータマさんの生い立ちから始まり、日本の仏教の無茶苦茶さ、まで
    だいたいうっすら仏教がどんなものかわかるような内容でした。

    リアルパンクロッカーが何故か、仏教のことを何か勘違いして話が進んでいくわけですが、ここがまた飽きさせない感じで(というか笑えるかんじで)よかったです。

    バカげているほんと思いきや、内容は結構真面目なところもあり
    四聖諦、中道、涅槃、唯識とかいろいろ聞いたことないぜー!みたいなこともめっちゃ分かりやすく説明してくれています。

    仏教の本質って、「どうでもいい」と思うことみたいで
    ここが衝撃的でしたw
    四聖諦は〜したいという気持ちを諦める(どうでもよくなる)ことらしいですが、これが僕にはヒットしました^^
    なんか全部を諦めるのもなんだかなーと思う人もいるかもしれませんが、そんなことは釈尊からしたらどうでもいいんですよねw
    要は苦(自分ではどうしようもないこと)を”どうでもよくなる”のが
    仏教的に(というか釈尊的に)いいんだろうと僕は解釈してます。

    おもしろいのが、本書中によく出る「全体ドカーン」。
    これは、つまりよく仏教でイメージする禅でやろうとしてることらしいです。
    詳しいことは本を読んでほしいですが、
    ちょっと体験してみたいです^^

    あと、今の日本の仏教を批判するわけじゃないですが、
    今の仏教はなんとなく信じられない理由がよくわかりましたw
    初期の仏教(というか釈尊の説いたことくらい)がこんなに論理的なものだったのに・・・言伝ってこわいですね^^A

  • 分かりやすくて面白い仏教入門書。ものすごく端折っているので、全体の流れがつかみやすい。他に宗教でもやって欲しいなあ。

    カンボジアとか上座仏教の歴史も解説してくれるとよかったけど、高望みしすぎか。

  • 釈迦はパンク! その発想だけで大勝利。そのせいか話が釈迦の教えから派生するほどパンクと離れてくけど、文章がユーモラスで飽きさせない。

  • 著者の「よいこの君主論」とはてなダイアリーのヒップホップ仏教なエントリが面白かったので購入。わかりやすーく仏教のエッセンスを抽出してあります。いやあ、文才って大事ですね!
    ちなみに「もしドラ」要素は表紙とタイトルだけです。

著者プロフィール

1980年生まれ。広島県出身。作家。著書に『仁義なきキリスト教史』『完全教祖マニュアル』(辰巳一世との共著)など多数。

「2020年 『仁義なき聖書美術【新約篇】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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