思考する豚

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制作 : 福岡伸一 
  • 木楽舎 (2009年10月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240179

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思考する豚の感想・レビュー・書評

  • このような本がよく流行ったなあというのが正直な気持ちです。これと、エレファントムと、かなり流行りましたよね。タイトルのせい?
    動物学の博士が豚に対する愛を込めた本です。
    私の知る限り豚は好奇心が旺盛で、初めて会う人間にも鼻汁とヨダレを垂らしながらタックルしてきます。あまつさえ歯茎で手を噛みます。いくらか愛らしいとは思えど、それを、「礼儀正しかった」「挨拶することを怠らなかった」と表現する氏の懐の広さには感銘を受けました。
    種ごとの特徴が事細かに記載されていて、始めにイラストが付いているので絵を見ながら楽しく読めます。足がすらりと長かったり、胃が複数あったり、臭腺が一つだったり九つだったり。

  • まだ10ページぐらいだけど名著の香りがする。

  • 序章 なぜ、人間の関心を引くか
    第1章 そんな豚がいたのか!
    第2章 苛烈な生存競争
    第3章 豚は遊ぶ
    第4章 家畜豚の誕生
    第5章 豚たちの爆発
    第6章 人間と豚の愛憎
    第7章 豚はどれくらい賢いか

  • 豚がいなければ、人類はここまでこれなかったのでは、と思えるほどの、豚と生活・文化の関係。この本は、豚をただの動物としてではなく、人間と対等以上のスーパー動物として丁重に扱っています。豚の社会性、挨拶もする豚。喧嘩しそうになっても、フェロモンでなんとなくとろけて片付けてしまう豚。それでいて野生にも帰ってしまう自由っぷり。豚がなぜ人と仲良くなれるのか、そんな、豚愛にあふれる一冊。

  • 「この、ブタ野郎!」などという時には、当然相手を蔑んでいるケースが多い。豚を用いる慣用句の多くは、大食いと官能を表している。泥の中で転げ回り、飽くことなき怠惰、我がまま、肉欲、食欲を顕にして悔いることがない。そんなイメージが前提条件となっている。

    しかし、われわれは豚について、どれほどのことを知っているのだろうか?研究の世界においても、古くから豚は軽んじられてきたという。世界中の野生豚を追跡している人間の数を合わせても、ニホンザルを実地調査している生物学者の数にかなわないそうだ。豚の不運は、彼ら自身の問題というよりは、捉えられ方に問題が潜んでいるのである。

    本書は、そんな豚の「文化」や「知性」について語った一冊。中東地域では厳格にタブー視されながら、片や太平洋地域の大部分では厳格に崇敬の念を抱かれている不思議な存在の豚、その真の姿に迫っている。

    ◆本書の目次
    序章  なぜ、人間の関心を引くか
    第1章 そんな豚がいたのか!
    第2章 苛烈な生存競争
    第3章 豚は遊ぶ
    第4章 家畜豚の誕生
    第5章 豚たちの爆発
    第6章 人間と豚の愛憎
    第7章 豚はどれくらい賢いか

    ウィンストン・チャーチルはこんな言葉を残している。「猫は人を見下し、犬は人を尊敬する。しかし、豚は自分と同等のものとして人の目を見つめる。」これだけ起源を異にしながら、あまりにもヒトと豚は対等な存在である、それゆえにヒトは豚を直視できないでいるだけなのだ。

    豚は不潔だというのが、そもそもの誤解である。周りの環境が著しく制限されている場合でさえ、仲間同士で「屋外トイレ」を設けて、決まった場所でしか排便をしないという。また、意外なことに、豚の身体の大半は筋肉で出来ており、脂肪ではない。

    驚くのは、その知性である。豚はものを考える。しかも、仮定の状況を理解して、以前の経験を新たな状況に活かし、環境や仲間との相互作用を行うという。本書でこんな実験が紹介されている。

    小さな豚と大きな豚の二匹がいる。小さな豚が実験エリアに放され、餌が隠れている場所を発見する。その後、この餌の在り処を知っている小さな豚を大きな豚と一緒に実験エリアに戻すと、大きな豚は小さな豚の後をつけて餌場をつき止め、餌の横取りという搾取行動に打って出た。しかも、再度同じことを繰り返すと、小さな豚は大きな豚が別のことに気を取られるまで餌場には近づかないという知能的な行動に出て、自分だけがちゃっかり餌にありついたのである。

    この実験の意味するところは、大きな豚の行動を、小さな豚が推測し対策を立てた可能性があるということだ。これが正しいなら、豚には心というものが備わっているということになる。そして、それを受け入れるかどうかは人間の問題である。

    加えて、豚にはユーモア感覚が備わっている。バカバカしいことに対する感覚が鋭くて、集団になって浮ついた真似をする生来のエンターテイナーでもある。豚はバカを演じることすら可能なのである。表面的に豚を見ていては気付かないことが、たくさん隠されているのである。

    と、なぜだか分からないが、ひたすら豚を擁護してみた。豚をよく知らずして「ブタ野郎!」などということは、豚に失礼なのである。ひょっとしたら、豚に飼われているのは、「ヒト野郎!」の方かもしれない。

  • 豚の歴史等の広範な紹介と
    最終的には豚に思考力があるという主張
    実験的事実として高度な思考力を垣間見せているとのこと

    豚が考え、感じているということは
    家畜として飼っている豚の現実を考えると背筋が寒くなる。
    新世界よりの禿ねずみを思い出した。
    それは、普段自分が目をつぶっていることのひとつか

  • 豚という生き物の想像をはるかに超える生態と、個人的な思い出を共有するに至る著者の貴重な体験談。
    豚が社会においてどう捉えられているのか、3匹の子豚やくまのプーさんのピグレットやマペットショーのミス・ピギーまで名前に挙げて、紹介されているのも面白かった。

  • 題名にひかれて読み始めたが、内容もとてもおもしろかった。
    豚の細かい分類・特徴などはあまり興味がもてなかったが、豚と人間の長い関わりや、豚同士のコミュニケーションなど新鮮だった。

    豚肉を食べるのはやめないけど、複雑な気持ちになった。

  • ライアル・ワトソンかぁ、、、と思いつつ読み始めたが、意外にも(?)アヤシゲさのない、豚に関する普通の博物学的な本。ワトソンにとっては遺作となったらしい。福岡氏の文章はあいかわらずの洗練ぶり豚というと、豚舎で残飯をあさっているというイメージしかなかったが、迷路テストなどをやらせると犬やねずみよりもはるかに賢く、清潔好きな動物らしい。世界には10億匹もいる。飢餓状態におかれると、一世代で野生を取り戻し、顔は長細く手足も長いイノシシ型になるそうで、DNAには家畜化される前の記憶が色濃く残っている。■人間と動物が対等に向かい合うという、かつての出会いの根本にあるぞくぞく感や身震いも何も起こらない。これは大いなる損失であり、世界からの撤退である。

  • はじめの方は、百科事典を読み進んでいる気になるくらい豚の種類と特徴の記述が多く、萌え?とちょっとの退屈さが入り混じっていたけれど、第4章が非常に面白い。

    感動したのが、あくまで仮説なのだけれど、
     狩猟時代の人間が肉が余ると豚が集まってくる
     自然に豚に愛着が沸く
     移動して狩をするのを放棄し、栽培・牧畜をはじめる
    という考察。

    こんな風に、時代のいろんな場面で、豚が人類史を決定付けた要因になったことを紹介してる。

    他にも、北米新世界の開拓で、西海岸にたどり着く前に定住するようになったのは、豚がその環境を好んだからだ、とか。
    非常に納得感があるけど、考えもしなかった因果関係が沢山。

    豚はお酒も甘いものも大好きで、自然と愛着が沸く。
    だから、豚が喜ぶように歴史が動いてきた。
    人間の歴史の決定が、こんなに人間くさいとは思わなかった。

  • 豚が人間を対等に見ているという話が非常に気になる。

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思考する豚の作品紹介

「文化」はヒト固有のものにあらず。「豚文化」へといざなうライアル・ワトソンの調査記録。

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