おべんとうの時間 (翼の王国books)

  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240223

作品紹介・あらすじ

おべんとうハンター阿部夫婦が全国各地でみつけた家族のおいしい物語。

感想・レビュー・書評

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  • 全国を巡り、出会った39人の手作りなお弁当の写真&インタビュー。
    ANA機内誌「翼の王国」の連載を書籍化。
    本人の全身とお弁当の写真。
    氏名、所属、職名や立場等と地域名、お弁当の時間写真。
    インタビューで各4ページでの構成。コラム有り。
    幼稚園児からおばあちゃんまで、職業も様々な人たち。
    その飾らぬ言葉とお弁当の中身がほっこりさせてくれます。
    全身の写真は緊張、或いは仕事の誇らしさが表れ、
    やや小さめの食事の写真は素の笑顔、職場の和やかな雰囲気が
    漂っていて、とっても良い感じです。
    インタビューは、お弁当への想い、家族の想い、作り手への想い。
    また、過去のお弁当の思い出がさりげない自分の言葉で語られて
    います。それをぴったり1ページに納めるのにも、感嘆。
    なんとも幸せ溢れる食事の風景に、癒されます。

  • ANA機内誌『翼の王国』の連載をまとめたフォトエッセイ集。夫がカメラマン、妻がライターの阿部夫婦が全国各地の手作り弁当を二人三脚で取材。海女、釣り堀経営、素麺職人、高校生、猿まわし、営業マン、大学教授…手作りのお弁当を食べながら語られたのは、お弁当箱には詰めきれない物語だった。

    見開きページの右側に、職場に佇む人物、左側にその人のお弁当の写真。ページをめくると、右側にお弁当をほおばる写真、左に人物が語ったお弁当にまつわる話。お弁当にまつわる話と言っても、仕事、家族、思い出など、話はどんどん広がっていく。皆それぞれお弁当が違うようにどれ一つ同じ話はなくて、それがとてもおもしろく、1ページだけではなくもっともっと読みたい、話を聞きたいという気持ちになった。

    印象に残ったのは、生命保険会社の営業のおじさんの話。お弁当は30年近く奥さんに作ってもらっていると言う。「弁当の中身のことは、なにも言いません。うん、それはもう言わないことにしてる。もし嫌なことを言われたら、作らないよね、やっぱり。弁当ってふたりで食べるものだと思うんです。作る人と作ってもらう人のふたり。作ってくれる人の気持ちは伝わるから、ありがたいなぁって思います。そしたら、なにも言えないです。」作る人の気持ちはお弁当と共に、作ってもらう人のそばにいるのかな、と思い心がじんわり温かくなった。どんなお弁当であっても「作ってくれる」ということ自体が大切で、ありがたいこと。作る人の思いやりと、作ってもらう人の感謝という気持ちのやり取りが、お弁当には存在するのだと感じた。

    ふと、私自身、高校生の頃は毎日母親にお弁当を作ってもらっていたことを思い出した。一度だけ、お弁当を食べようとしてうっかり箱ごと床にひっくり返してしまったことがあり、その時の母に対するすごく申し訳ない思いだけはとてもよく覚えている。母は仕事をしていたが忙しくても毎朝お弁当を作ってくれていて、やはり当時の私なりに母に感謝していたのだと思う。

  • 「おべんとうの時間」の第1巻です。全日空の機内誌に連載されている写真エッセイということですが、オシャレを目指しているわけではありません。どっちかというと、この列島に暮らす人たちの「生活」を、ちょっと泥にもまみれながら見つけてきているところが肝です。
     写真かとエッセイストの御夫婦の間にはおチビちゃんもいらっしゃるようで、本の中にも微笑ましく登場します。それがまたなんとも言えない味わいです。
     雑誌連載分に、独自収録分もありますが、取材しているところがなかなか半端じゃないのも素晴らしい。
     ブログにも書きました。覗いてみてくださいね。
      https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202009090000/

  • 先に「2」を読んでいたから、早く読みたかったの。
    両方とも図書館で借りて読みました。

    またまたいろんな人生を垣間見る事ができて、ほんわかします。

    全国各地の方が紹介されてるから、
    東北とか沖縄の言葉もそのまんまだったりすると読むのも楽しい。
    だいたいは標準語だけど。

    お弁当もそうだけど、職業もいろいろあるんだな~って思います。

    とっても面白い本なんで、オススメです。

  • 写真もいいし、自分が実際に雑談しているような錯覚におちいるくらい話し口調もいい。
    お弁当を作りたくなる。

  • ずっと読みたかった。
    文も写真も素晴らしい。
    飾ってなくていい。
    なんでもない日常の、その尊さ。
    お弁当主さんの、しごとにもフォーカス。

    もうちょっと噛み砕いて書くと、
    お人柄が伝わってくるような全身写真、
    お弁当の俯瞰写真、
    インタビューから起こしたエッセイ、
    どれもこれも味わい深くて、
    続編が出てほしいなと思いました。

    ANA機内誌「翼の王国」の連載です。

    ・弁当ってふたりで食べるもの/損保ジャパンひまわり生命営業さん

  • 職場での姿は みなさん
    はにかむような それでいて場なれた風格もあり
    次のページのお弁当が本当にぴったり
    インタビューから起こされたエッセイが
    とてもすてきなんです
    ご本人たちが 本当に目の前でしゃべっているみたい

  • 疲れてるとき、落ち込んだときにおすすめ。ほっと落ち着いて、じんわりと元気をもらえる本。
    人のお弁当見るのってなんでこんなに楽しいんだろ。グルメ的にもだけど、その人の仕事や家族との関わりが垣間見れちゃうからなんだろうな。

  • 私もお弁当作ろうかな、と思うのでお弁当作るのが面倒なときにまた読み返したい。それぞれの人の話がステキ。

  • いろんな人にインタビューを申し込み、いろんなお弁当をひたすら納めた本。ANAの機内誌『翼の王国』内のエッセイをまとめなおして書籍化したもの。

    まず構成がいい。見開き右側にインタビューした人の写真、左側におべんとうの写真。単純においしそうなお弁当だなと思ったり、この外見にしては意外なお弁当と思ったり。。想像がかき立てられる。

    そしてページをめくるとインタビュー内容が書かれている。この文章がまたいい。短文によるテンポよい文章で、お弁当につまったそれぞれの日常が描かれている。ああこの人はこういう思いで毎日お弁当つくっているのか〜とか、このお弁当にはこういう意味があったんだ〜とか。

    インタビューをふまえてもういちど見開きの写真に戻ると、最初の印象とはまた違って見えるから面白い。
    という1つぶで2度おいしい見方をして、より楽しめた。

    お弁当とは毎日のことで、ありふれた日常のひとコマ。でもだからこそ、改めて見つめ直してみると、お弁当にはそれぞれの人にとって大切な思いや時間がつまっている。そう思った。
    ふと「おいしそう」と思って買った本だが、思わぬ産物となった。

    日々のごたごたで、気分が落ち込んでいる人は是非読んでみてください。

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著者プロフィール

阿部 了(あべ・さとる)
1963年東京都生まれ。気象観測船「啓風丸」に機関員として4年乗船後、シベリア鉄道で欧州の旅に出て写真に目覚める。東京工芸大学で写真を学び、立木義浩氏の助手を経て1995年よりフリーランス。2010年の写真展「ニッポンチャチャチャ」では、全国のキャノンギャラリーにてお弁当とポートレートをモノクロ写真で展示。著書に「おべんとうの時間」1~4巻、「おべんとうの人」(ともに木楽舎)など。「おべんとうの時間」シリーズは、フランス、韓国、中国、台湾で翻訳語版が刊行。2011年からN H K「サラメシ」にてお弁当ハンターとしても出演中。2018年7月21日~10月8日・東京都美術館「BENTO おべんとう展― 食べる・集う・つながるデザイン」展に参加。

「2018年 『ひるけ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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