動的平衡2 生命は自由になれるのか

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  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240445

感想・レビュー・書評

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  • DNAの話についていけなかった。ソメイヨシノが繁殖性を失い。花粉症の症状を抑える薬はいずれ症状を悪化させる。システムは平衡に向かうのです。植物が自分でタンパク質を生成できて動物ができなくなって、食べ続けなければいけないか?スッキリ理解できた。

  • 遺伝子、DNAとRNA、バイオテクノロジー、たんぱく質、進化論、地球環境問題、等生物に関する知的好奇心を満足させてくれる本だ。著者の動的平衡にも書かれていたが、人間は合成と分解を繰り返している。そのために常に食料をとり、睡眠をとらないといけない。これは企業でも同じだ。分社化、M&Aだ。適者生存、ゲノム、エピジェネティックス、Cの時代からNの時代へ、ゲノム解析、ペニシリン、アミノ酸、ヌクレオチド、獲得形質の遺伝、生物の可変性等興味深い。生物をしることは人間を知ることだと思う。

  • かなりチカラの入った作品。
    最初の動的平衡の美 という説明からはじまる。

    レオナルドダビンチ 渦素描。流れが外に向かう。
    ダロウの書。渦巻きが渦巻く。
    伊藤若冲。水の中で泳ぐアユ。水を感じさせない。
    熊田千佳慕 恋のセレナーデ。宇宙とコウロギ。
    エッシャー カストロバルバ 見上げながら見下ろす。
    宮永愛子 時計 時計が溶け出している。
    勅使河原三郎 鏡と音楽。コーディネートとディスコーディネート
    フェルメール 二人のオトコ
    レーウェンフックのスケッチ。
    動的平衡の上に美が宿る。
    『小さな虫の爪の先の粒として、それは一瞬 輝かしい光を放つ』

    動的平衡の 科学史 のような 展開。
    一気に読み切ることができる。
    遺伝子とは一体何なのか?
    生命体の乗り物?ドーキンスの利己的な遺伝子。ミーム。
    カゲロウは なぜ 口をなくしたのか?
    セミは なぜ 17年も地中にいるのか?
    働き蟻の パレートの法則。『働かないアリに意義がある』
    ホモルーデンス。ロジェカイヨワ。
    『遊びをせんとや生まれけむ。戯れをせんとや生まれけむ』梁塵秘抄
    生命の律動。音楽の起源。生命の楽譜。
    卵環境は 受け継がれる。エピジェネティクス。
    『獲得形質は遺伝しない。』
    生物の多様性。『分際』動的平衡を支える強靭さ。
    センスオブワンダー。
    動的であるからこそ、恒常性が保てる。

    動物になぜ必須アミノ酸がいるのか?
    植物から動物へ。移動せざるをえなかった理由とは?
    アミノ酸を作ることができない生物の誕生。
    食べることの意味。グルタミン酸が美味しい理由とは。
    BCAA;バリン、ロイシン、イソロイシン 分岐鎖アミノ酸
    →筋肉のエネルギー源、ブドウ糖が不足した時にも使われる。
    炭素の時代から 窒素の時代。
    →炭素過剰であること。

    バイオテクノロジーに貢献する大腸菌
    脳をすりつぶしてホルモンを探す。遺伝子組み換えで効率的に作る。
    腸内細菌の持つ意味と役割。
    パンスペルミア説

    ヒトフェロモン
    ファーブルの 生の昆虫学。
    『哲学者のように考え、美術家のように見、そして詩人のように感じ且つ書く』
    この世界に因果関係は存在しない。
    生理はうつる。うつる物質が。なぜ効率的

    京都議定書のもつ CO2について。
    なにかが 違っているのでは。

    生命の起源は単一の理由 トリブレット暗号。
    生物は不変ではなく、動的である。
    つねに壊すこと、分解することで 動的平衡を保つ。
    真偽、善悪 ではなく 美しいかどうかである。
    なによりも 『自由であること。』

    いっていることの核心は変わらないが、
    通史として読むには つながっている。

  • 花粉症を抑える薬飲むと花粉症の症状が悪化するそうです。今年もこの季節がやってきそうです。どうしましょうか。とりあえず、マスクで凌いでみようと思います。

  • 一冊目の続きとして読んだ方がより楽しめると思います。

    すべての章内容の世界を体験した上での、著者のあとがきがとても素敵です。
    だから、引用文を載せたくて仕方ないけど載せられない。

    なぜ私たちはこの身体を保ち生命活動を続けているのでしょう。種の存続に一体どんな必要性があるのでしょう。生きていることが不思議でたまらないです。

  • 生物学の話なのに、動的平衡をキーワードに、頭の別のところで、伊勢神宮の式年遷宮の意義や、組織の在り方、人生について考えながら読んだ。

  • 「生命とは動的な平衡にあるシステムである」と、私たちの生命が可変的でありながら持続的であるさまについて語っています。

  • 二匹目の泥鰌~設計図はDNAだが,そこに「自由であれ」と言われているのではないか。ヒトとチンパンジーのDNA上の違いは2%弱だが,第二次性徴を促す性ホルモンが出るスイッチ・オンはヒトの場合,遅れてやってくる。それまでの時間で,試行錯誤や手先の器用さ,好奇心,探索行動が長続きする。卵子由来で継承されるマターナルRNAがどのような働きをしているかはまだ分かっていないし,糸巻き効果,メチル化のメカニズムも未解明だ。花粉症対策として抗ヒスタミン剤を服用すると,ヒスタミンは余計に出て,花粉症は悪くなる。腎臓のメカニズムは,一日に1700㍑の血液が流れ込み,300回の循環だ。原尿と呼ばれるのは180㍑,99%が回収され,残りの1~2リットルが尿となる。沢山水を飲んで,せっせと尿として出すことで,エントロピーを捨てることになる。問1大気中に含まれる二酸化炭素の濃度は何パーセントですか?答0.035%問2一年間に人間の活動によって排出される二酸化炭素の量は,大気に含まれる二酸化炭素の量の何パーセントですか?答1%以下(72億トン/7300億トン)問3日本が排出する二酸化炭素の量は,全世界の排出量の何パーセントですか?答4%問4二酸化炭素排出量を国別に比べると上位ファイブは?日本は何位ですか?答1位中国2位アメリカ3位ロシア4位インド5位日本(4%)問5実質,日本は何パーセント減らさなければなりませんか?答実質十数パーセント。そもそも相関性と因果関係は同じだと考えたがる傾向がヒトにはある。遺伝子外の要因を考えねばね。それはDNAのコピーエラーかも知れない。それが進化を促進したかも知れない。どんなにジムで筋トレしても,子孫に影響は与えない~ロハスって,インチキ臭いんだけど,流石に科学者が書くと信憑性が出る。まだ,続きが書けそうだね

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著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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