動的平衡2 生命は自由になれるのか

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  • 木楽舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240445

感想・レビュー・書評

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  • 科学エッセイとして読むにはいいと思うが、ところどころ主張に賛成できない。その手の人たちには妄説も膨らませる材料にされてしまうのではないか。
    特に、反進化論者と同じレトリックを使っているのには驚かされた。なぜそうまでして「利己的な遺伝子」を覆したいのか分からない。あまりに鮮やかすぎて反感を覚えるのだろうか。遺伝子の発現順というのも究極的には遺伝子に還元される要素であるはずで、遺伝子外の要素があるにしろ、エピジェネティクスの研究から「遺伝子から自由」という見解は出てこないはずだ。
    ひとつの倫理観を科学で補強しようとしているように感じてしまう。もちろん筆者は立派な研究者なのだからそんなつもりはないのだろうが、そのような試みは倫理にとっても科学にとっても不毛だ。
    あとがきの量子論的ゆらぎが因果律の破綻を示しているというのは分からない。あれはそういう話なのか。
    生物多様性を守る意義として、生物間ネットワークを維持して、環境の復帰力を維持するという考えはなるほどと思った。

著者プロフィール

福岡伸一 (ふくおか・しんいち)
生物学者。1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学医学部博士研究員、京都大学助教授などを経て、青山学院大学教授。2013年4月よりロックフェラー大学客員教授としてNYに赴任。サントリー学芸賞を受賞し、ベストセラーとなった『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)、『動的平衡』(木楽舎)ほか、「生命とは何か」をわかりやすく解説した著書多数。ほかに『できそこないの男たち』(光文社新書)、『生命と食』(岩波ブックレット)、『フェルメール 光の王国』(木楽舎)、『せいめいのはなし』(新潮社)、『ルリボシカミキリの青 福岡ハカセができるまで』(文藝春秋)、『福岡ハカセの本棚』(メディアファクトリー)、『生命の逆襲』(朝日新聞出版)など。

「2019年 『フェルメール 隠された次元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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