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- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863240445
感想・レビュー・書評
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科学エッセイとして読むにはいいと思うが、ところどころ主張に賛成できない。その手の人たちには妄説も膨らませる材料にされてしまうのではないか。
特に、反進化論者と同じレトリックを使っているのには驚かされた。なぜそうまでして「利己的な遺伝子」を覆したいのか分からない。あまりに鮮やかすぎて反感を覚えるのだろうか。遺伝子の発現順というのも究極的には遺伝子に還元される要素であるはずで、遺伝子外の要素があるにしろ、エピジェネティクスの研究から「遺伝子から自由」という見解は出てこないはずだ。
ひとつの倫理観を科学で補強しようとしているように感じてしまう。もちろん筆者は立派な研究者なのだからそんなつもりはないのだろうが、そのような試みは倫理にとっても科学にとっても不毛だ。
あとがきの量子論的ゆらぎが因果律の破綻を示しているというのは分からない。あれはそういう話なのか。
生物多様性を守る意義として、生物間ネットワークを維持して、環境の復帰力を維持するという考えはなるほどと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示