芸術と科学のあいだ

  • 331人登録
  • 3.50評価
    • (5)
    • (24)
    • (18)
    • (2)
    • (3)
  • 28レビュー
著者 : 福岡伸一
  • 木楽舎 (2015年11月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863240933

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
又吉 直樹
恩田 陸
ピエール ルメー...
宮下 奈都
三谷 宏治
村田 沙耶香
西 加奈子
カズオ イシグロ
有効な右矢印 無効な右矢印

芸術と科学のあいだの感想・レビュー・書評

  • 白い正方形に黒いフォント。
    シンプルでクールな装丁が目をひきます。

    日本経済新聞に連載されたコラムを書籍化した本書。
    個々のコラムもよいけれど、1冊にまとまったことで、1篇1篇の緩やかなつながりをより一層楽しめました。
    芸術の中の科学、科学の中の芸術。
    福岡伸一先生に導かれつつ、学問の根っこをたどれば芸術と科学が近いものだったことに思いを馳せていたのでした。

    以前から『Molecular Biology of the Cell』の、科学者たちのアソビゴコロあふれる裏表紙ににまにましていたので、本書でも取り上げられていたことに親近感を感じました。
    また、福岡先生のレーウェンフックとフェルメールに関する仮説が「もし本当だったら···」と思うとわくわくしてきます。
    きちんと証明されてほしいような、仮説のままであってほしいような···。
    知的な高揚感に包まれながら読了。

  • ほぼ1:1のアスペクト比が良い。ただ白いだけの装丁が良い。表題が活字でなくデザインされたフォントで書かれているのが良い。ちゃんとした活字だと日本語の場合、意味が目に飛び込んできてしまうので、記号化されているとデザインのひとつとして見れるから良い。こういう飾っても絵になる本は意外と好きだなぁ~。トイレの常備本として決定! 隠(ちん)思黙考のお供に。

    ということで、久しぶりに買って読んだ本。日経新聞の連載をまとめたもの。約1000文字のコラムが74話。それぞれの話にひとつは役立つ話、目からウロコ的な情報が含まれていて、グイグイと読み進んでしまった。これはサラっと1度の素通りで読み終わるのはもったいない。時々手にして興味のあるところを読み返し、1話ごとに添えられたARTな画像を眺めながら思索に耽りたくなる(のでトイレ常備本に・笑)。

     ミケランジェロ、フランク・ロイド・ライト、ロゼッタストーンに漢倭奴国の金印、赤外線写真から近頃日本で流行りのエアリーフォトまで、取り上げるジャンルが実に広範。
     特に、自身が大ファンだというフェルメールを扱ったパートは質、量ともに重厚だ。ただフェルメールを取り上げていても、その切り口や付随情報は多様で斬新、個々の話それぞれ独立して楽しめる(新聞のコラム故、そういう作りになっているとはいえ、見事だ)。
     かと思えば、1章でMOMAに飾られたイサム・ノグチの「エナジー・ヴォイド」という中空の作品を見て、自分自身がヴォイド(≒空虚)であることを思い出すという理由は、終盤の免疫システムを語るところで明かされたりする。曰く、免疫システム上、自分自身と反応する、まさに自己とも言える細胞は、将来の外的との戦いには用を為さないとして生育の途中で淘汰され、残るのは非自己な細胞というパラドックスから来るというのだ。
     著者自身が、見事に芸術と科学の間に存在しているんだなぁ。いや、芸術だけでなく、森羅万象、様々な事柄に対して絶妙のバランスで立ち位置を確保している。本書で紹介される”ボロノイ分割”という幾何学の概念のように。

     著者は生物学者だそうな。動的平衡という方丈記の”ゆく川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず”な理論の著作も有名だとか。本書の中にも幾度となくその理論に基づく解説があるが、理屈っぽくなく明快に簡便適切に説明してくれているので感覚的にとても分かりやすい。
     この”感覚”というのが大事で、突き詰めればArtもScienceも感覚、感性、ひらめきの産物なんだな、という気がする。つまり、その間には、実は境界線はないのかもしれない(そこにもヴォイドが?!)

  • ネタバレはないですが、あんまり好意的な感想ではないので。


    他の方のレビューみると好意的な感想が多いですが、私は正直ダメでした。
    たぶん、そもそも感性が合わない。
    科学と芸術は相いれないとはいわないけど、この方と私は合わないんだろうなぁ。
    読んでて押しつけがましく感じられてちょっとうんざりしました。

    手に取ったのはたまたま開いたページにカドゥケスが載っていて、それが医学のシンボルマークとして紹介されていたから。
    混同されることが多く、たしかに医学関係のシンボルマークに採用されることが多いけど、医学だったらアスクレピオスの杖じゃないかなぁ……と思ってとりあえず読んだ本。
    同担の解釈違い、みたいな感じ!たぶん!私は生物学者じゃないしフェルメールにも思い入れはないけれど!

    作者のブログかなんかなのかな?と思ったら新聞に掲載されたコラムで納得。
    各話に関連のある写真が掲載されているのですが、画像が小さいし、同じ話のなかでこれも写真つけておいてほしかったと思うことが多々あり、その点は残念。

  • 「相補性」の話が良かった。

  • フェルメールにデューラー、レーウェンフック、カバのウイリアム、ネアンデルタール人、などなど、断片的に知っているさまざまなアート作品や作家への、自然科学的見地からの考察や福岡先生ならではの解釈で、とにかく密度の濃い本。
    完結で無駄のない文章で読みやすく、その詩のような響きも美しい。写真もいい。
    いろいろ満たされる。

  • 科学のなかに芸術をみる。相容れないと思われるふたつを面白い視点で結びつけてくれる。新しい発見。装丁も、すき。

  • 科学は謙虚であれ。芸術は科学的であれ。

  • 蝶は脚の先で味覚を感じる。脚で蜜を感じると、それまで螺旋状に固く巻かれていた口物がするするとほどかれる。
    螺旋をテーマに蝶の口物、バベルの塔、アンモナイト、DNA、電話線のコード、縄文土器、室伏広治、葛飾北斎を同一線上で結ぶ発想力。
    ---
    ヴィレンドルフのヴィーナス、ON KAWARA、ランドルト環、パワーズ・オブ・テン、ボロノイ分割、

  • 芸術と科学のあいだには、相通ずる事柄が多々あるということを本書を読むことでまざまざと感じることができました。

    芸術家としてあまりにも有名なレオナルド・ダ・ヴィンチが科学にも秀でていたということは知っていましたが、科学の知識が創作活動に果たしてどれだけ影響を及ぼすのか、芸術と科学のあいだには何か関連性があるのだろうかと長年漠然と疑問に思っていましたが、その謎が解けたように思います。

    芸術と科学に限らず、何かを突き詰めると行き着くところは同じなのかもしれないと思いました。

  • 興味あるタイトル!
    もう少し写真が大きい方がみやすい。
    生物にとって中央はあとから、発生的に作り出された
    ネアンデルタール人のDNAはヒトとは大きく異なる
    フランク ロイド ライト 落水荘 流れ
    カズオ イシグロの作品
    あなた方は死を詮索しておられるが、私は生を探っているのです ファーブル昆虫記より

  • ★SIST読書マラソン2016推薦図書★
    ★科学道100 / 導かれたルール

    【所在・貸出状況を見る】
    http://sistlb.sist.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=11600178

  • 写真も装丁も素敵で、モノとして持ってたいなと思える一冊。

  • 福岡伸一先生は科学者でありながら、芸術好きで文章を書くのがお好きなので、自分にはない視点で解説されていて楽しかった!理系的センスがあると人生楽しいだろうなー。

  • 生物学者による芸術論というより、アートの中にある科学的な見方、科学の中にみる芸術的現象を読みやすい言葉で語っている。科学と芸術を結びつけてくれる面白い本。
    アフォーダンスはデザインでも参考になりそうで、インスピレーションを得るのにいい一冊だと思う。著者の博識さも刺激になる。

  • 日経の連載の単行本化。

    題名の通り、芸術と科学が如何に強く結びついているかについて。

    ピックアップされたお題に対して、福岡氏がどの様な視点で捉えているかがシンプルに述べられていて、とてもさわやかな刺激を与えてくれる本。思考マップとでもいって良いだろうか。

    個人的には3章以降が良かった。

  • 日経新聞でいつも愛読していたコラム。著者の代表作である「生物と無生物の間」で動的平衡という思考に感銘したが、本書ではアートを対象にすることで人間の科学の奥深さが腹に落ちる。これからも科学と芸術への興味が尽きないと本書が教えてくれる。

  • 福岡さんのコラムが好きです。

    あんなにいろいろ書いていてよく研究も出来るなと思います。
    研究だけに没頭していただいてもいいですよ、
    と言いたいくらい。

    でも本当に博識で豊かな感性にはただただ敬服いたします。

    いつも新しい世界をありがとうございます。

  • 一編のコラムごとに、素敵な「写真」がついているのがミソですね。
    改めて「科学する」というサ行変格活用の動詞を思ってしまいます。
    こんなふうに、世の中にあるものを見つめていくと
    ほら こんなに楽しいぞ
    ほら こんなに興味深いぞ
    ほら こんなに不可思議だぞ
    ほら こんなにおもしろいぞ

    たしかに 素敵な ものの見方を
    ちょっと 教えてもらった気がします

    それにしても この「… の あいだ」
    の タイトル
    もう少し、ひねって欲しかった

  • ★知らない話ばかりで勉強になる、だけでなく「衣鉢を継ぐ」とか「持ち重りのする」とかあまり見ない表現にも出会えて語彙も広がる。(私が勉強不足なだけだが。)まさに教養が広がる一冊。

  • 見方によってものは変わる

  • 読書録「芸術と科学のあいだ」4

    著者 福岡伸一
    出版 木楽舎

    p189より引用
    “生命は作ることよりも、壊すことに一生懸
    命なのだ。それは、たえまなく壊し・作りか
    えることが唯一、系の内部に不可避的に蓄積
    するエントロピー(乱雑さ)を外部に捨てて、
    生き延びる方法だからである。”

    目次から抜粋引用
    “マンハッタンヘンジ
     聖女プラクセデス
     バベルの塔
     ミミクリーズ
     カバのウィリアム”

     生物学者である著者による、科学と芸術の
    関連性について記した一冊。
     人の手による作品から自然物の造形まで、
    カラー写真と情感あふれる文章で描かれてい
    ます。

     上記の引用は、中銀カプセルタワービルに
    ついて書かれた話での一節。
    常に少しずつ調節をし続けなければ、生物も
    物も長くは存在できないということでしょう
    か。自分のお気に入りの物も、自分の体も、
    いつも気にかけてメンテナンスをしておくの
    がいいのでしょうね。
     芸術の中でも、いいなと思えるものとよく
    わからないものがありますが、どのようなも
    のにでも某かの値打ちを見いだせるような人
    でなければ、科学者としてやっていくのは難
    しいのかも知れないですね。

    ーーーーー

  • [2016年4冊目]
    世界の芸術作品や建築物、生物的な仕組みに対して、科学的分析や推論から新しい見方を提供するコラム本。本来芸術と化学は不可分だったという著者の主張通り、観点を分けることなく綴られている。

    世の中で素晴らしいと評価を受けている作品に対して、また日常の中に潜む素晴らしい発見に対して礼讃の言葉を与える一方で、その価値の真偽を問うような推論をいろんな角度からぶっこんでいる。

    作品を作品のまま見ない。
    別次元の知識や見解を持ち込むことで、絵が絵ではなくなり、建築物が建築物ではなくなって、他のものとしての側面を読者に見せている。これは色んな分野に精通している作者だから書けるコラムなんだろうと感じる。


    自分の仕事や作品に対して、全く別次元からインスピレーションを得たい人には素晴らしい本。(自分はWebサービスのUX・UIの知見を深めるために、ギブソンとノーマンの「アフォーダンス」の概念を勉強したいと思った。)
    別次元からの知識と知識を結びつけて新しい上位概念を生み出し、それを仕組みとして伝播させることを「イノベーション」と称するなら、イノベーションの源泉となる学びがいっぱい詰まった著作だった。行き詰まったときにふと読みたくなる本。

  • この世界の繊細さとその均衡の妙に驚くこと

  •  常々感じることがある。日本の教育制度が、かなり早い段階で ー中学とか高校のレベルでー 文系向き、理系向きという区分を作って仕分けをしてしまっていることは大いなる問題だ、ということだ。中学・高校レベルの数学や物理の好き嫌いや成績の良し悪しだけで、若い知性の芽が摘み取られるのはたいへん不幸なことだ。

全28件中 1 - 25件を表示

芸術と科学のあいだを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

芸術と科学のあいだを本棚に「積読」で登録しているひと

芸術と科学のあいだの作品紹介

『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』の著者が科学の言葉で解き明かす、芸術深読み論。

ツイートする