イタリアの街角から スローシティを歩く

著者 :
  • 弦書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863290396

作品紹介・あらすじ

イタリアの建築、都市の研究に約40年かかわってきた著者が、近年のイタリアで、都市とその周辺の田園に見られる新しい文化運動「スローシティ」を視座に、この国の変わらぬ魅力、価値を語りながら、日本の都市における問題にも思いを向ける。

感想・レビュー・書評

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  • EU企画展2022「Ciao!イタリア」で展示していた図書です。

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BB02465436

  • 写真がたくさんつかわれていてイタリアの街並みがよくわかる。

  • 戦後の復興期から産業・工業発展を遂げて疲弊したイタリア各都市の中心市街地の再生にまず成功したのは1970年代中頃のボローニャだった。そこで行われた歴史地区(チェントロ・ストリコ)の保存再生事業は、従来の文化財としての街並み保存ではなく、郊外へ展開していた大規模住宅建設から大きく都市発展のベクトルを修正し、ローコスト庶民住宅のための公的資金を法律を読み替えて、歴史的地区の保存再生に当て、個性的で質の高い生活環境の実現と古い住宅群の修復再生、旧市街地への人口回帰を同時に成し遂げた。
    また、イタリアの豊かな自然と歴史的な資源を生かしたアグリツーリズモ、ペスカトゥーリズモ。1973年にアルト・アディジェ集がアグリトゥーリズム支援の法律を公布したのが最初で、1985年にはイタリア政府が法制化した。ベッド数や食材の半分以上はその農家で生産されたものであること、農家収入の半分以上は農業収入であること、古い建物の再生等を条件に認可を受けると、税金の優遇や建物の修復への助成が得られるしくみとなっている。これによりイタリアの暗部として貧困と犯罪の巣窟と見なされたきた南イタリアが贅沢なリゾート地として認識されるようになり、プーリア地方のアルベロベッロ、オストゥーニといった小さな海洋都市の再生のきっかけとなった。
    2006年に世界遺産入りしたジェノヴァ(レンゾピアノの水族館)からチンクエテッレと呼ばれる五つの村々、女神の港という意味の港町ポルトヴエーネレあたりの自然と人の暮らしが一体となった美しい地中海沿岸の風景を車で巡ってみたいと思った。

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著者プロフィール

陣内秀信(Hidenobu Jinnai)1947年福岡県生まれ。東京大学大学院工学係研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学、ユネスコのローマ・センターで研修。専門はイタリア建築史・都市史。現在、法政大学特任教授。著書に『イタリア海洋都市の精神』(講談社)、『ヴェネツィア―都市のコンテクストを読む』(鹿島出版会)、『都市のルネサンス〈増補新装判〉』(古小烏舎)ほか多数。主な受賞にサントリー学芸賞、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号、アマルフィ名誉市民、ANCSAアルガン賞ほか。

「2022年 『トスカーナ・オルチャ渓谷のテリトーリオ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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