ハルムスの世界

  • 214人登録
  • 4.16評価
    • (21)
    • (12)
    • (8)
    • (3)
    • (0)
  • 26レビュー
制作 : 増本浩子  ヴァレリー グレチュコ 
  • ヴィレッジブックス (2010年6月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863322554

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
フェルディナント...
川上 未映子
J.L. ボルヘ...
レーモン クノー
フランツ・カフカ
今村 夏子
ジェイムズ・P・...
アゴタ クリスト...
リチャード ブロ...
三島 由紀夫
村上 春樹
村上 春樹
ジョルジュ ペレ...
クラフトエヴィン...
有効な右矢印 無効な右矢印

ハルムスの世界の感想・レビュー・書評

  • ダニエル・ハルムスの掌編集。彼の作品全てにおいて、笑いがある。
    しかし、その笑いは時にシュールだったり、シニカルだったり、と様々だ。
    作品の合間に入る解説もGood!
    旧ソ連の内情がわからぬと読めない作品も多く、読み終えてふん?と首をひねった後の解説。とても役に立ちました。

  • ソ連時代スターリンの圧政下で闇に葬られた作家・ダニイル・ハルムスのアヴァンギャルドでナンセンスでシュールで残酷な超短編集。間あいだに解説付き。

    読んでいるうちに、マザーグースやスタンダップコメディアンが話す日本人にはあんまり笑いどころの分からない(分からないというより、大爆笑扱いなのが謎というか)ジョーク集のようにも感じてくる。奇妙で不条理な素敵な本。そして、人はつながりを持つことが出来ないというリアリズムを根底に、彼が生きた時代の不条理さ、今に繋がる感覚を共有できる。

  • 最初に読んだのは、モンキー・ビジネスという雑誌で。
    なんだこれは。
    というのが最初の感想。
    不条理文学というジャンルの中に入るというのを後から知った。
    どうも“不条理文学”というとカフカ辺りを思い浮かべ、ジメッとした感じがして手を出すことは無かったのですが・・・。

    しかし、彼の作品はカラッとしている。
    カラッとしているが、世の中のひどいことが沢山出てくる。隣の人がいきなり殴り倒されるし、死んでしまうし、突然居なくなってしまったり、と。
    しかも因果も理由もあったものではない。

    でも、きっと世の中そんなもんなんだろうな。と思えてしまう不思議さ。

    結構好きです。こういう話。
    ということで、★5つ。

  • アバンギャルドな不条理文学。
    後半の「ハルムス傑作コレクション」には粛清の荒れ狂うスターリン時代の世相をイメージさせる短編が幾つかあって、これらは(当然ながら直接的に表現はしていないものの)物語としてイメージが伝わってきます。しかしこれらは体制の理不尽を表したもので不条理とは違いますし、数もごく僅かです。
    その他の大半は、特に前半の「出会い(ケース)」は1~3ページの不条理ショートショートです。それも不条理(非論理的、因果関係欠如)を物語で表現するのでは無く、不条理そのものの文章化です。何の脈絡もなく人が死に、足をもがれ、執拗に文章が繰り返され、極めてシュールです。
    この作品を読んだ多くの人たちが高評価を与えています。また"ユーモア"とか"笑い"があると書かれています。しかし私はダメでした。
    この作品のユーモアが判りません(笑える所もありましたがごく僅か)、またほとんどが"判らない”と言うのが素直な感想です。おそらく"感じる"べきところを"理解"しようしてしまう読書姿勢が間違いなのでしょうが。

    しかし、著者が言いたいのが
    ・この世は不条理である
    ・言葉は人に何かを伝えるのに適切で道具はない
    という事なら、なぜこんなに多くの作品を残さなければならないのでしょう。
    (そんなことを考えるのがそもそも間違いなのでしょうね)

  • なんというか,奇妙な感じ
    ちょっとブラックな稲垣足穂のような印象
    本の途中で掲載されている,翻訳者によるコラム?で,著者であるハルムスをとりまく,当時の環境・社会情勢などが説明されており,作品の書かれた背景などがわかり,作品をより楽しむことができた。
    ユーモアに隠れて,当時の危うい社会情勢が垣間見え,怖くもなる

  • 「落下する老婆たち」の文章でハルムスを知って読んだが、面白かった。

    全体的に、読者に対してフェイントをかける作風。意味のない事をわざともったいぶって意味ありげに書いたり、どういうことか説明が必要そうな状況でまったく説明せず横を素通りしてしまうような展開が多かった。

    前半の「出来事(ケース)」のほうは意味のなさがおかしく、読んでいてひたすら脱力する感じが癖になる(『ポン!』が好き)。

    後半の「ハルムス傑作コレクション」では、ズボンが見つからない・人間が急にいなくなるといった、ソ連の社会状況がベースになっていると知り寒気がした。

  • 【選書者コメント】シュールすぎる!でも解説つき
    [請求記号]9800:229

  • 表紙の飄々とした感じが以前からずっと気になっていて、古本でお安く出ていたので購入。
    なんじゃ、こりゃ?(笑)不条理も不条理、暴力的であまりにも淡々としていて、頭が飛んだり、足が切断されたり、やたら人が死ぬし。不条理ワールド全快!
    あまりにブラックユーモア過ぎて、思わず鼻の奥から「ふっ」と笑いが洩れてしまうほど。
    しかし、これがスターリン圧政下でのおそらく「日常」だったのでしょう。ユーモアの裏に「虚無」のような怖さが潜む。
    裏表紙にハルムスの書いたメモの写真が載っています。「今日は急ぎの用事があるので、家にいるけれど誰にも会わないし、ドア越しにも話しません」
    おいおい…(笑)。こんな人に興味を持ったら、是非どうぞ♪

  • 四本足のカラスは気に入った。
    多くの凄くつまらないものとちょっと面白いものが少しという感想。
    不条理さも湧き上がってきたものというよりポーズのように感じてしまい冷めてしまった。
    執拗に繰り返すパターンが散見されて途中で飽きる面も。

  • 寝る前に1編ずつ...

    というのが間違いだった!

    もれなくもやっとした朝をむかえられます。

  • 第1回(2011年度)受賞作 海外編 第10位

  • コントのようなユーモアと不条理あふれる短編集。とにかくおもしろい。

  • 以前この本に対する書評を見かけ(確か円城塔さんの書評?だったと思うのだが・・・)、ふと図書館で見かけて借りた。
    その書評の記憶がおぼろげながら残っていたので、さぞかしシュールなんだろうなと思って読み始めたものの、想像の軽く5倍はシュールでびっくり。なんだこりゃー。

    ハルムスが描くのは、規定の常識が通用・成立しない、バラバラでトンチンカンな世界である。
    そこでは意味のありそうなへんてこなことに意味がなく、登場人物たちの会話が成立せず、誰もが気まぐれで暴力的だ。

    当時の20世紀ロシアが、いかに不条理で、そして有無を言わせない矛盾だらけの世界だったかがということが伝わってきてぞっとする。
    ハルムスの作品だけを読めばこの世界は「シュール」で「滑稽」で「へんてこ」な印象しか受けないかもしれないが、それが著者がそのまま生きていた世界を反映したものだという読みをすると、とんでもないことだなと思う。

    明日が今日の続きではないなんて。自分の生活が何の予兆もなく終わるかもしれないなんて。そして、目の前の人とでさえ、何も通じ合えないなんて。おそろしいことである。それでは、世界はがらくたとどう違うのだ。

    そんなことを思いつつも、ハルムスの作品は不思議にユーモアがあって、適度にまとまっており、そして奇妙な共感がある。
    ありえない。けれど、全くありえないわけでもない。これらの作品に描き出される「不条理」は、しかし私たちの現代の生活の中でも、どこかにかすかに息をひそめている。

  • これを書いたために投獄されたかと思うと恐ろしいです。

  • 不条理文学の先駆者として名を知らしめるハルムスの作品をはじめて読んだけど、まさしく不条理で、驚きの連続です。だけれども、人生に、人間社会にピタリと寄り添う内容が、読むにつれ更に驚かされます。これからも定期的に読みたい作品。

  • 「ハルムスの世界」読んだ。http://tinyurl.com/27oqj4s 解説が大変理解の助けになる。同時に当時のソ連の状況も垣間見ることができる。解説を読んだ後で再び作品を読むと、全く違う感想に。前衛/不条理小説という位置づけのようだけど、見方によっては超リアリズム。

  • スターリン弾圧下のアヴァンギャルド作家、ダニイル・ハルムスの短編集。不条理文学の先駆者というだけあって、カフカよりも意味不明で超前衛です。どんな悲惨な出来事も笑いに変えてしまう語り口がドツボ。

  • 前衛っていうのはこういうのか…しかし怖いなぁ。

  • ああ、面白おかしく語られるけれども、どれも身におぼえがあったりして、私にとっては現実世界の延長線を物語と一緒に終始歩まされている感覚でいた。それが不思議と苦痛に思うことなど全くなく、人間なんて糞喰らえの裏側にある、誰よりも人一倍人間が好きであるような観察にむしろ好意。ハルムスはこれで三冊目なのだが、もっともっと読みたい知りたいと思わされる作家の一人である。

  • monkey bussiness(柴田元幸さん責任編集の)で連載してたロシア人作家の不条理世界。

  • 老婆はビルから落ちた老婆をみようと窓から身を乗りだして転落死しました。
    その老婆をみようと身を乗りだしたつぎの老婆も転落死しました。……

    終始こんな短編。
    厳しい弾圧下でここまで徹底した前衛的文学が生まれるなんて!
    芸術の奔流をみた気がしました。

    ロシアかっこいいなー、、

  • 不条理文学の先駆者ことハルムスの短編集。
    不条理文学というジャンルは初耳だったが、印象としてはカフカを極端に先鋭化させたような感じ。

    読み始めた時は何だこりゃ、と面食らうが、読めば読むほどなぜか「ああ、こんなもんだよね」と馴染んでくるのが不思議。
    やっぱり、意味不明は快感だと思う。

  • めちゃくちゃ面白かった。ロシアの不条理文学の先駆者である彼の作品は、当時の政治や社会がからんで生み出した最高傑作。このどうしようもない空気感は現代人にも共感できて、ひたすらいい、と褒めたい。

  • 「ひとりのフランス人にソファがプレゼントされた…」が一番好き。どの椅子に座るか決められないというだけの話。

全26件中 1 - 25件を表示

ハルムスの世界に関連する談話室の質問

ハルムスの世界を本棚に「読みたい」で登録しているひと

ハルムスの世界を本棚に「積読」で登録しているひと

ハルムスの世界の作品紹介

ナンセンスでアヴァンギャルドで滑稽で、ときに残酷-。スターリンの弾圧下で闇に葬られ、20世紀後半に再発見された作家ダニイル・ハルムス。彼が遺した数多くの作品の中から代表作『出来事』+38篇を収録した傑作短篇集。

ツイートする