新訂版 “I t”(それ)と呼ばれた子 完結編 さよなら “i t” (ヴィレッジブックス N ヘ 1-13)

  • ヴィレッジブックス
3.66
  • (8)
  • (15)
  • (10)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 196
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863322639

作品紹介・あらすじ

「母さんを、ぼくは許せるだろうか?」幼い時から実母による虐待を受け続けたのち、里子として偏見と差別のなかで成長し、18歳で空軍に入隊したデイヴ。かつてはヒーローだった父親が哀しい死を遂げ、結婚生活もまた悲劇に終わる。それでも、最愛の息子スティーヴンとのふれあいを通じて、癒されてゆく。そして、ついに母親との再会を決意。憎しみと許しのはざまで苦悩しつつも、人生最大の問いかけ-「なぜ、ぼくを虐待したのか?」と尋ねるために…。虐待体験者がトラウマを乗り越え、人間として生まれ変わるまでの魂の軌跡。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「Itと呼ばれた子」完結編。
    大人になってからのデイヴの様子が綴られている。
    あんなことがあったのに、こんなに慈悲深く、利他的で素晴らしい人間になったことが、本文からも息子さんや奥様からのあとがきを読んでも見てとれた。

    人間は強い、どんなことがあっても意志一つで這い上がって来れるんだ、と心動かされた作品。

  • なぜ?なぜ?なぜ?
    それが知りたくて、下巻までアッという間…
    心に強く残った本です。

  • 沢山苦しんで乗り越えてきたデイビッドさん。父親の優しさをしりました。マーシャさんに会えてよかった。

  • 母親から受けた自身の児童虐待経験を一人称で描く実録もの、完結編。

    父親と母親の死、空軍入隊、結婚、息子の誕生、空軍除隊、離婚、そして再婚。
    何年間ものデイヴの出来事が執筆当時に至るまで収められている。

    虐待を受けた理由は…些細なこと。
    息子に対し、長年すさまじい暴力を伴い苛め抜ける正当な理由だと母親は訴えるけど、どんなに育児に疲れて夫への不信感がある中でも、あんなことをできる理由にはならない。
    デイヴ、あんな仕打ちを受けても母親に対しての愛情や救済の気持ちをまだ抱いてるんだよなァ。
    プロローグの幼いデイヴが何度も看護師に尋ねる「神様にかけて?」に胸が痛む。

    元妻パッツィ(寂しがりの酔っ払いでお金にルーズな部分以外はそんなに憎めない)を信用してないのに8年間も結婚生活を送れたのは、デイヴの母親に対する愛情深さやまだ希望を持とうとする部分と共通するかもなァと思った。

    愛する父親の死に目にあえた(それも父親を自身の腕の中に抱いて)のは、何事にも真摯に向かった彼の生き方の証のような気がした。
    最後の10代に入った息子からのメッセージ、あれ、デイヴにとって人生最高のプレゼントじゃないですか!

  • 虐待に遭った過去を持つ人が、どう生きていけばいいのかを教えてくれる作品。そういった経験がない人は、自分がいかに恵まれているかを気づかされる。

  • 壮絶な虐待を乗り越え、心から自分のような被害者が増えないことを願い活動されているデイヴ氏の実話。
    人を憎まず、許すことの重要性を教えられた。
    母の温もりを振り返る結末が清々しかった。また読みたい作品です。

  • この期に及んで・・・という程、次から次へと困難にぶち当たりますが、最終的には幸せな家庭を築けてよかったと思います。
    息子さんとは別居しているようなのですが、自由に会うことができているみたいですね。

  • 個人的には虐待をする人間の動機・心情の解明なんかどうでもいい
    本人の供述が取れたとしてもそれが真実とは思えない
    それよりも現状に救いを求める子の救済の方が遥かに優先される

  • 児童虐待の凄惨さを改めて感じた。母親の狂気と、少しずつ崩れていく家庭。
    負の連鎖を生まないために何が必要なのか…虐待にあった児童は本当の意味で自分の心を取り戻せるのか。考えさせられました。

  • 母親からの激しい虐待から救われ、里子として育った著者が、空軍に入隊し、結婚して父親となり、離婚して再婚します。
    そして、世界中の子供たちのために講演して回る生活にいたるまでのエッセイ完結編です。
    いろいろ、あるけど、何事も乗り越えていく根性が「生きていけるか」の大事なポイントになるんだなって思いました。

全11件中 1 - 10件を表示

デイヴ・ペルザーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×