流刑の街 (ヴィレッジブックス)

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制作 : Chuck Hogan  加賀山 卓朗 
  • ヴィレッジブックス (2011年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863323032

流刑の街 (ヴィレッジブックス)の感想・レビュー・書評

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  • 以前であれば、ベトナム帰還兵。最近ではアフガニスタンやイラクの戦場を経験した元兵士を主人公に据えた作品が多くなってきた。いかにアメリカが過去も現在も、あらゆる戦争に当事国として関わり続けているかが分かる。

    本作は、麻薬マフィアの抗争を軸に、生きる糧も行き場も無くした元兵士の成り上がりと挫折、壮絶な復讐劇までを描くノワールタッチの犯罪小説。
    中盤までは、無垢で従順な主人公の行動はいささかじれったいが、全てを失ったあとからの血みどろの闘いは、クライマックスまで疾走し、怒濤の盛り上がり方をみせる。

    ストーリー展開に船戸与一の猛き箱舟との類似を感じた読者も多いだろう。血のたぎるテンションの高さでは船戸の筆力が勝るが、破滅へと向かって全てを破壊していく暴力の噴出度では負けてはいない。

  • 主人公はイラクからの帰還兵だ。不如意な生活、うだつの上がらぬ日々が続いた。暴漢に襲われ、仮借のない反撃を加える。その後、見知らぬ男からオファーがある。男も元軍人であった。仕事内容は麻薬組織の襲撃で、軍隊時代を彷彿(ほうふつ)とさせる生き生きした生活が蘇った。ドン・ウィンズロウ著『犬の力』と似ているが、私はプロパガンダ臭がない分、本書に軍配を上げる。
    http://sessendo.blogspot.jp/2014/04/blog-post_7.html

  • イラクからの帰還兵メイヴンが元軍人の謎の男ロイスに誘われ、街の浄化のために麻薬組織を次々、襲撃するのだが…

    ドン・ウィンズロウの『犬の力』やスティーヴン・ハンターの『極大射程』、デイヴィッド・マレルの『一人だけの軍隊』を彷彿させる血と暴力の物語。

    『強盗こそ、われらが宿命』よりも断然面白い。また、ギレルモ・デル・トロとの共著『ザ・ストレイン』よりも圧倒的に面白い。今のところは、この作品がチャック・ホーガンの最高傑作であろう。

  • ボストンで鬱屈した日々を送るイラク帰還兵のメイヴンは、麻薬組織を襲撃して街を浄化するという集団に引き込まれるのだが……。
    行き場のなさ、虚無感に苦しめられる帰還兵という設定がどこか『ランボー』を思い起こさせる。前半部の鬱屈してやさぐれていた心情が、仲間や使命を得ての高揚感へと変化していく辺りの描写が秀逸。中盤で少しダレるものの、終盤の怒涛のアクションシーンも見事。

  • 麻薬を扱ったクライム・ノヴェルというと『犬の力』が真っ先に出てくるのだが、本作品は同じジャンルでも『犬の力』のような胃もたれ感はない(あの作品を超える“胃もたれミステリ”はまず出ないだろうが)。むしろ同じウィンズロウの『フランキー・マシーンの冬』のイメージが近いかも。

    好き嫌いは別にして、各キャラが魅力的で巧い。帰還兵メイヴンの使命を失った虚脱感と、元軍人であるがゆえ社会に馴染めない焦燥感など、人物のもがき苦しむ細かな描写が、よりストーリーを非情な空気に変えていく。

    ロイスと出会って、プロ集団を形成していく前半はとても面白く読めた。中盤は残念ながらトーンダウン。“メイヴン日記”とでもいうべき日常のエピソードが雑多に並べられているだけで正直退屈した。「そうかもしれない」が「やっぱりそうだった」に確信する後半から一気にギアチェンジ。メイヴンの使命感の復活に無理矢理っぽさは感じるものの、期待通りの殺戮シーンがストレスを解消してくれた感じ。

    キャラクターやエピソード、小道具の使い方や会話などは素直にカッコイイと感じたが、展開がなんとなく粗っぽい。続編を読むかどうかはストーリー次第かな?

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