シビル・ウォー (MARVEL)

  • ヴィレッジブックス
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863323438

感想・レビュー・書評

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  • 様々なヒーローが二つの派閥に分かれて争う「内戦」を描いた大型クロスオーバー作品である。112人のキャラクター紹介を巻頭にはじまることからもわかるが、様々なキャラクターが登場する大規模さがウリである。中には小さなコマに少し描かれただけのキャラもいるが、それはそれで背景を考えるのも面白い。とにかく規模が大きい、ということが魅力なのだ。

    最重要となる中核はニューアベンジャーズ誌でもお互いを分かり合っている中心的な存在であるキャプテン・アメリカとアイアンマンである。この二人が両陣営のリーダーとして戦いを繰り広げていく。

    昔から、ヒーロー同士の対立はよくあることだ。騙されたり、洗脳されたり、そのパターンは色々あるが、その中でも最も面白いが扱いが難しいのが、信念が衝突するパターンだろう。今作はそのパターンに則っているが、超人登録法という物議を醸す一つの法律への意見の相違、というわかりやすい形にしているのが優れている。大筋として対立する理由や結末がどうあっても納得できる形になっているわけだ。

    それなのに、読後の印象はすっきりしない。理由はいくつかあるが、両陣営の戦い方が苛烈すぎるということと、そこまでやる必要性の描写が足りない、ということがあげられる。また、それに対する贖罪の描写もほとんどない(リード・リチャーズは多少描かれているが)ので、気持ちの落とし所が作りにくいのだ。

    おそらくだが、このシビル・ウォー本編は一定の巻数で留める必要が有るため、細かい描写より大筋の流れしか描けなかったのだろう。それにしても、もう少し力を注いで欲しかった部分はある。そういう部分をきっとクロスオーバーした他作品で各キャラを主役に描いてくれていると思われるので、そちらを読んでからまた考えたいところだ。

  • 結局の所、子供を亡くした母親の気持ちに向かい合っていたのがアイアンマンだけだったことと、物語のラストのキャプテン・アメリカの決断が全てだったのではないだろうか。ストーリーのためにキャラが歪められている部分があるし、すっきりしないもやもやした感じが残る話ではある。

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