リスボン 坂と花の路地を抜けて (KanKanTrip) (KanKan Trip)
- 書肆侃侃房 (2013年5月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863851108
作品紹介・あらすじ
ポルトガルの小さな古都リスボンの<br>旅の小箱をそっと開けてみる<br><br>そこにあるのは栄光の残照と、人々の懐かしい暮らし。太陽に打ちのめされたあとには、謎めいた青い夜が来て、街灯に照らされる金色の光を流したような石畳。南ポルトガルに住む著者ならではのリスボン街案内。<br>
感想・レビュー・書評
-
「ヨーロッパ最後の田舎」と言われるリスボンはポルトガルの首都である。
本書は南ポルトガルに長く住む著者が、旅人の目でリスボンを見つめ直し、巡り歩いたフォトブックである。
行きずりの観光客でもリスボンっ子でもない著者による紹介は、ディープでありながら親しみやすい。美しい写真が満載なのも楽しい。
有名な名所旧跡をくまなく回るわけでもなく、気の向くまま、ある意味、個人的嗜好の強い旅であるが、それだけに通り一遍ではなく、著者とともに旅をしている気分が味わえる。
鰯の塩焼きや、豆を煮込んだフェジョアーダ。カニみそにワインを注ぐのもおいしそう。リスボンにはさまざまな庶民の味がある。
パステル・デ・ナタ(エッグタルト)をつまみ、さくらんぼの酒を味わい、石畳の坂をそぞろ歩く。路面電車に乗ってスリに遭遇したり、香水を量り売りする小さなお店を見つけたり。
青い花に誘われてジャガランタの咲く通りを探しに行く。
イスラムの影響を受けたという、タイル装飾アズレージョを見つけながら歩く。
抜けるような青い空。鮮やかで色とりどりの花。照りつける日差し。
この美しい街にはしかし、底抜けの明るさだけが漂うわけではない。写真の中の街のそこここに、どこか、哀愁が感じられる。
それは古い歴史のゆえだろうか。かつての栄光のためだろうか。
エネルギーに任せた若さというよりも、酸いも甘いも噛み分けた大人の魅力をたたえた街、それがリスボンなのかもしれない。
著者はリスボンを旅するのに、リスボンをよく知るガイドの利用を薦めている。生身のガイドには及ばないかもしれないが、この本もまたよき「ガイド」だろう。
*著者あとがきに、「地理音痴」とある。なるほど、そうだろうなと思う。各章に地図は添えられているが、本文を読むと、地図を読み、あるいは地図を頭に入れて歩いているようにはあまり思えない。自分も方向音痴なので、ちょっと親近感が涌く。
*タブッキ『レクイエム』を読み直しつつ。リスボンには彷徨がよく似合うのかもしれない。 -
リスボンの懐かしく、親しみやすさが感じられた。
写真がたくさんで眺めているだけで楽しい。
エッグタルト、魚介類、ファド、アズレージョ、坂の街、路面電車。 -
ガイドとしてはとてもいいと思う。
エッセイとしては弱い。 -
街角の光や色を感じる散歩
-
代官山蔦屋書店で見かけて。
-
ポルトガルに行きたくなりました。
-
“心象のなかに、風景の中に誰か大切な人が、物がない。不在が、寂しさと憧れ、悲しみをかきたてる。と同時にそれが喜びてもなる”
―サウダーデに母を思う。
いつか必ずポルトガルは訪れる。
素敵なレビューですね。
今すぐにでも旅に出たくなりました。
南欧の降り注ぐ太陽とと~っても美味しそうな食べ物。
想...
素敵なレビューですね。
今すぐにでも旅に出たくなりました。
南欧の降り注ぐ太陽とと~っても美味しそうな食べ物。
想像するだけでたまりません!!
ラテン特有の光と影、またこれも哀愁が漂って良いですね(^_-)-☆
コメントありがとうございます(^^)。
この本をめくっていて、リスボンを訪れてみたくなりました(^^)。
食べ物が...
コメントありがとうございます(^^)。
この本をめくっていて、リスボンを訪れてみたくなりました(^^)。
食べ物がおいしそうなのは大きなポイントですね☆
仰るとおり、眩しいのに陰がある、そんなところも惹かれます。