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- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863851597
作品紹介・あらすじ
「うつつ」を超える「ゆめ」
わたくしが〈私〉という荷を背負うときそれも一つの旅のはじまり
中畑智江はこの歌集で歌人としての〈私〉を背負ったのである。
旅は始まった。
大塚寅彦
<自選短歌五首>
まだ青きトマトの皮をむくような衣更えする初夏の雨ふり
レタスからレタス生まれているような心地で剝がす朝のレタスを
表札にとんぼ止まれば照りつつもこの家の姓に影を落とせり
南国の木の実でできたお茶碗がわたしの離島のように在る午後
数えられないもの数多あふれたるこの世それらを数えるこの世
感想・レビュー・書評
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中畑智江 短歌 水に春しんしん映るこの朝をa painというタイトルにする 君という海をゆくとき一粒のさみしい貝であろうなわれは 五分毎に噴水されて傍のわれらも五分毎におどろく 伸び上がる水を捕らえて飲み干せる少年たちに微熱の五月 ああ今日は雨の月曜<水玉のお涼>と名付けた傘を取り出す わたくしが育てるゆえにわたくし化していく子ども雨降り嫌い 生と死を量る二つの手のひらに同じ白さで雪は降りくる 返歌 雪が降るあなたが来れば四つの手かまくら造り広さ測ろう
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