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- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863851856
作品紹介・あらすじ
あの街で、生きていたこと。今、ここにいること。
不在の人の気配が、あたたかな充足にかわっていく。ささやかな日常が、新鮮な情景となってよみがえる。(東 直子)
【自選短歌五首】
ライラック思い描けばえがくほどさようならこの手を離れゆく
てのひらを風にかざしているようにさびしさはぶつかってくるもの
鳴き声を設定したらよさそうな亀のかたちの飛び石を踏む
まっさらなノートのような思い出が音もなく降りこぼれる僕に
ため息を眺めていたら指差したゆびが消えたら春の花々
感想・レビュー・書評
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土岐友浩 短歌 ときどきはうつむきながら川べりを走ってくれるバスに乗りたい ひと言を伝えるようにはらはらと時雨落ち葉をたたいて消える 自転車を橋の手前に停めておく川よカモメのとどまるところ 暗くしたホールのなかのいちまいのスライドに映されるみずうみ ゆるやかに降り出す雨の寄り道の神社に咲いているつぼすみれ 僕の手を離れて水になっている母を亡くした春の記憶は よく冷えた缶コーヒーを飲みながら違いがわかることのかなしさ 返歌 温かい簡易珈琲飲みながら違い分からず落ち込んでいる
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