かわいい海とかわいくない海 end. (現代歌人シリーズ10)

著者 :
  • 書肆侃侃房
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本棚登録 : 97
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852129

作品紹介・あらすじ

恋よりももっと次第に飢えていくきみはどんな遺書より素敵だ

瀬戸夏子に言葉を渡すな!
読み手は母語を狂わされるから。
          ――星野智幸

感想・レビュー・書評

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  • 『帽子屋のその背中には三色足りない虹よりずっと可愛さがある』

  • 光源をふるえさせる房はまるで紫式部のブルー・ブラッド

    行方はくだものになる噂ひととおり春を凍らせクリストファー・ロビン


    .
    中尾太一の詩やデキリコの絵画のスタイルみたいな、心のモヤモヤを構築し直して薄くならして言葉にする以前の"モヤモヤ自体"をなるべく表現しようとするような形而上的なものを感じた。普通の短歌の議論になるような次元(世界の切り取り方とか)を超えた次元で戦おうとしてるような態度がかっこいい

  • あまりタイプではなかった

  • 1番難解な歌集かも。
    今まで読んだことのある自動筆記の詩でも、もう少し単語と単語の間に連関がある。
    歌われてる風景を想像するための足がかりが見つけられなかった。メモに残した数少ない歌は、なんとか”理解できた”歌ばかりで恥ずかしい。他の歌人みたいに、この歌好き!!までいけてない。
    異和によって新しさを生み出す、シュルレアリスムのデペイズマンって概念があるけど、化学反応を起こすためには、二物が離れすぎていてもいけないのでは?と思ったりした。不気味の谷みたいな境界線があると思う。あまりにも連関がないと脳が処理落ちして、目が滑っていく。
    無限の読みしろがあるから、一旦星3。

  • 『思い出や記憶もないことが 冬にうまれたこととはなんの関係もないと』

    『かなわない頬っぺたのように夜の空 クリスマスと浮気は何度もしよう』

    『きみならば首を吊るだろう夕焼けに音楽ははじめに馴染んでく』

    『永遠の死を誓いあおう死んでしまった誰かの家のバスルームで』

    『恋よりももっと次第に飢えていく
    きみはどんな遺書よりも素敵だ』

  • むづかしい〜…

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著者プロフィール

1985年生まれ。2005年の春より作歌を始め、同年夏、早稲田短歌会に入会。その後2009年の創刊から2011年の解散まで同人誌「町」に参加し、現在「率」同人。著作に第一歌集『そのなかに心臓をつくって住みなさい』(私家版、2012年)、第二歌集『かわいい海とかわいくない海end.』(書肆侃侃房、2016年)。

「2019年 『現実のクリストファー・ロビン 瀬戸夏子ノート2009-2017』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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