- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784863852419
感想・レビュー・書評
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森の兄弟 傑作
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なんかスッキリしない本だった。大きな衝撃などは何もなく、たんたんと運ぶ物語。こんなに何も感じない本があるのだなって。読んだばかりなのに、もう内容を忘れようとしている。普通の家族の普通の話。なのに、何か気持ち悪い。
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ようやく読み終えることができた。表題作「あひる」は少し前に読んだけれど、日本の純文学を読むのは久しぶり。
『こちらあみ子』でもそうだったけれど、この人は独特の「不穏な空気」を書くのがとてもうまい。日常のあるかもしれない、あるいはありそうでなさそうな、そのギリギリのラインをついてくる。 -
子どもの頃、とても多感な人だったらこのザワザワ感が分かると思う。読んだあとに気持ちがスッキリするものではないけれど、こんな短編小説が読みたかった。
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揺れ動く心と、変わりゆく日常が描かれた三編でした。
『あひる』
あひるを飼い始めた一家に、子供たちがよく遊びにくるようになります。父と母は嬉しそうですが、幸せな日常の危うさと、それを維持しようとする努力が見えて、気持ちが揺り動かされました。
『おばあちゃんの家』
少しずつ変わっていくおばあちゃんを見て、みのりのように、胸がざわざわしたり、ほっとしたりを繰り返します。当たり前の日常は変わっていきますが、いつしかそれがまた日常となり、ざわざわしなくなるものなのでしょうか。
『森の兄妹』
マンガも貸してもらえない、ヨーグルトも買ってもらえないモリオは、びわの木の近くの小屋に住むおばあさんと出会います。モリオのおばあさんへの気持ちの移り変わりを感じて、嬉しくも悲しくもなりました。 -
「あひる」は不気味だった。病院に行くたびに別のあひるになるのりたまに、もやもやして、落ち着かない気分になる。何より、主人公がどんな人か全く見えてこないのが不気味。本当に存在しているのか不安になる。「森の兄妹」は、終わり方が良かった。
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子ども特有の純粋さゆえの残酷さが描かれていて、読んだあとなんだか切ないような悲しい気持ちになった。
そして、
なんだか怖い。ぞわぞわしました。 -
短編集3編.
「あひる」の何でもないような日々に寄り添うような軋み.不協和音が鳴り続ける不気味さ.ペラっと二重写しになったような現実のズレ感が,収まりの悪い異常さを醸し出している.子供視線の怖さがすごい. -
結構前に読み終わっていたのに感想を書いていなかった。
とにかく全編通して漂う気持ち悪さ。
グロイとかそう言う気持ち悪さじゃなくて、収まりが悪いと言うか居心地が悪いと言うか…
この言葉で説明出来ない気持ちからしてもう気持ちが悪い笑
この微妙な機微を上手く書けるところが凄いと思う。 -
正直なところ、わかるようで何だかわからない。と言った感じ。
短編集なので、スラスラ読めるが若干怖い。あひるについては、こども達を引き止める為に何羽も連れてきたのかな。でも、こどもは残酷で、、
私の読解力がないのか、何が何だかわからないところもあるが一気に読める作品であることは間違いない