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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863852808

作品紹介・あらすじ

小説と翻訳と短歌を中心にした文学ムック

わたしたちは誰もが重力というものに支配されています。

「たべるのがおそい」は、その重力を少し弱めてみたいと思っています。

読んでいるあいだ、少し動きやすく、歩きやすい、

それがこの一風変わったタイトルの文学誌の目標です。

西崎憲(編集長)

感想・レビュー・書評

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  • 木下古栗「人には住めなくなる地球になるまで」のみ読了。

    猛暑からの連想に始まり、営業最終日の商業施設でもらったチューハイのサンプルを、受け取る列で知り合った青年と公園で一緒に飲むという話。

    「亜熱帯の進行するところの、あの気候がまさしく、自分にとってサウナの役割を果たしているからではないか。それもサウナ単体ではない。屋外のうだるような暑気がサウナに相当するなら、冷房の効いた室内は冷水浴に相当する。そこを出たり入ったり、交互に過ごすうちにひとりでサウナ通いに類する効果をこうむり、おのずから我知らず、身体がそれを求めるようにもなった。これは先に露出盛りの効果に繋げれば、なるほどあの時節の街の賑わいは混浴サウナのごときであり、そこに溢れる肌もあらわな女人はいずれも、タオル一枚きりを裸体に巻いた姿にあらかたひとしい。たしかに出がけ甲斐があるというものだ。」(p.101)

    また、フランス古典小説集として紹介されていたアルフォンス・アレーの「風変わりな死」もユーモラスで面白い。

  • 町田康「狭虫と芳信」 外苑前ベローチェ

  • 芥川賞候補作となったディレイ・エフェクトが軸。町田康の短編もなかなかの出来映え。

  • ■巻頭エッセイ
     皆川博子

    ■特集:わたしのガイドブック
     澤田瞳子 谷崎由依 山崎まどか 山田航

    ■小説
     木下古栗「人には住めぬ地球になるまで」晩秋、建て替え中のビルについて問われ、3か月前を思い出す……
     古谷田奈月「橙子」★可愛らしい仕草のお父さんに、橙子はこのところ違和感。高校入学説明会の帰り、お父さんはバスを一駅ぶん歩こうと言い、橙子は乗って、合流することに……
     町田康「狭虫と芳信」広原狭虫がぼくジュニーに頼んでくる、「大願王芳信がうちからものを盗むが、その反動で美味しい仕事が入るようになった。のに、最近は盗まない。盗みを働くよう仕向けてくれないか……
     宮内悠介 「ディレイ・エフェクト」1944年の風景が、現在に二重写しになって、しばらくして。音楽のディレイ・エフェクトのような状況を、人々は受容しつつある……

    ■短歌
     伊舎堂仁 國森晴野 染野太朗 野口あや子

    ■エッセイ
     辻山良雄 都甲幸治

    ■翻訳
     アルフォンス・アレー「風変わりな死」★水彩画で……
     マルセル・シュオッブ「眠れる都」★海賊の集団が見つけたのは、時間の制止した町……
     マルセル・ベアリュ「小さな少女がパリにやってきた」★すれ違う人々に体の一部を……
       (西崎憲訳)
     マルレーン・ハウスホーファー「さくらんぼ」宗教の時間にわざとスペルを間違う遊びをしていたところ……「雌牛事件」家には様々な罰則や決まりがあったが……「フォン・ガイエン氏の夜の出逢い」親戚の子供から……
       (松永美穂訳)

    「ディレイ・エフェクト」が芥川賞候補だが、功労賞狙いの候補入りか、この雑誌を話題にするための候補入りだろう。
    そう思わざるを得ないほど都合のいい小説。
    素敵な短編にいくつか出会えた。

  • 芥川賞候補作「ディレイ・エフェクト」読了。著者らしい、しかしわかりやすい設定のSF短編。ガイブンぽいかも。しかし急に終わるのが、なんか寂しい。

  • 目次を見ると、【巻頭エッセイ】皆川博子に、【特集〈わたしのガイドブック〉】澤田瞳子 谷崎由依 山崎まどか 山田航が気になる、、、

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    小説と翻訳と短歌を中心にした文学ムック
    わたしたちは誰もが重力というものに支配されています。
    「たべるのがおそい」は、その重力を少し弱めてみたいと思っています。
    読んでいるあいだ、少し動きやすく、歩きやすい、
    それがこの一風変わったタイトルの文学誌の目標です。
    西崎憲(編集長)
    http://www.kankanbou.com/kankan/index.php?itemid=823

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著者プロフィール

1981年生まれ。著書に『ポジティヴシンキングの末裔』、『グローバライズ』、『生成不純文学』、『人間界の諸相』など。

「2020年 『サピエンス前戯 長編小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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