「日本人」という病 (静山社文庫)

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著者 : 河合隼雄
  • 静山社 (2009年11月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863890091

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「日本人」という病 (静山社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 自分が何者なのかを見つめなおすきっかけになった。

  • 日本人という病はやめられない、やめたら日本人ではなくなってしまうから。
    日本人は同性だけで連んでいたら同性愛に見られたり、意見を求められたら"I don't know"というのは不可解だったりするアメリカ社会の個人主義について深い納得を得られる。考え方の違いを知らなくては理解できない。
    宗教性についても、欧米は宗教と社会は切り離されているが日本は不可分であるというの納得するなあ。熱心な仏教の社長だろうと、会社の建物を建てるときは神社に竣工式をお願いする。そういう。
    場というのを重視する日本人と個人主義の欧米と、その理解がなければ分かり合えない。
    アラブ人が無宗教という日本人は動物と同じというのも同じこと。
    ですます調の中に一部だ。である調が入って来てちょっと読みにくかったですが、全体話し言葉をおこしただけあってとても読みやすかったです。

  • 前半の震災の部分、後半の日本の宗教性と生活の部分が面白かった。

  • 自ら「日本人病」を発症したと語る臨床心理学者、河合隼雄。日本人として、自身が抱える葛藤を明かしながら、日本人にこれからを生きる指針を示す。
    日本人の恋愛観や宗教観について述べている部分が特に面白い。日本人は宗教を信仰せず、礼拝を毎日せずに労働ばかりしている。
    アラブ諸国民からすれば、「日本人は動物以外の何物でもない」。しかし、著者のアメリカ人の友人は、「日本人は観光に大仏を見にくるし、仏像の前で真剣に祈る。日本人はすごい宗教性を持っている」と言う。
    我々は、無意識的に日本人として物を考えてしまう。私は「日本人は無宗教だ」と思っていたのだが、この本を読んで、一面的なものの見方をしているのだと実感した。

    べっしょ。

  • 村上春樹と対談しているので、注目している。日本人の行動パターンがわかりやすく書かれていたところが興味深く読めた。

  • 一神教とロマンティックラヴ、ものづくりと宗教性、「私」の死

  • 大いなる心理学者、河合隼雄先生の講演をまとめたもの。

    震災以降、日本に生きる者としての生き方、心のありようを問う機会が多くなった今、心理学という、社会的な側面やスピリチュアルな分野とはまた違ったアプローチで、「日本人であること」ひいては「日本という地域で生まれ、日本という文化で育ったこと」を改めて考えさせてくれる、今読むと大変参考になる本。

  • 日本におけるユング心理学の第一人者、河合隼雄。専門は分析心理学、臨床心理学、日本文化論。
    この本から学んだことは多いのですが、ただわたしは今日本で日本人として生きているので「日本人とは」という問いはわたしにとってあまり切迫感が無く、勉強になるなあと思いながら読んでいてもたいして引っかからず、残念なことにあんまり心に残らないんですよね。本を読むには環境、こちらの問題意識なんかもすごく重要だなあと思った次第。

    以下、内容について。

    この本は基本的に日本と西洋の対比を根底に据え、根本的思想の差異を明らかにしながら話を進めています。
    外国、つまり異質な他者を見つめることで自分が見えてくる。

    「分ける」ことで人間の意識は明確になる。「分ける」ことを極端にやり抜いて、自然科学と技術が結びついて、便利な世界になった。人間についてもどんどん分けていって個人というものが残って、個人ができるだけのことをどんどんやるようになった。日本的「融合」とアメリカ的競争主義。
    と、いうことですが、人間には分けられない部分が存在するわけで、個人というものがどこまで個人か、という問題があると思います。社会的要因、環境、遺伝、親に左右される部分、どこまでが「個人」で作り上げた「個人」か? きちんとやればみんなできるはずで、できない人は堕ちるしかないそれも自己責任、という個人主義は限界がある。

    場の友人、個人としての友人。場の友人というのはすごく楽で、わたしはそれに多いに甘えてしまっているので耳が痛い。ただ常に個人として向き合って生きていくのは本当にしんどいと思います。対する社会という集団の強大さを考えるとね。

    一人称、二人称、三人称の「死」。「誰か」の死は客観的事実を述べるに留まっても問題は無いが、自分に関係ある「あなた」や、自分自身、「わたし」の死は意味を問わなくては満足出来ない。
    自然科学の知は客観性の前提があり、科学は万能ではない。「私」が世界とどう関わるか、という問いに科学は答えられない。人生にとって重要なのは全体性のなかで自分自身の経験。宗教性である。神話の知と、自然科学の知。「私」という問題は、科学の知に頼ることが出来ない、個人で引き受けなければならない、最大の問題。

    河合隼雄の心理学的見地からの語りは、そのような教養に欠けるわたしにとって非常に興味深く、勉強になる。結局最も解決への欲望を喚起するのはひとの精神なのだと常々思う。

  • あとがきに講演会をまとめたものだと記載されております。

    よかったです。
    どの言葉もすっと染みてアタシの心に届く!

    死の影って振り払えない。
    と、感じていた日々。

    『死に支えられて生がある』

    隣り合っていると感じてはおりましたが。
    支えられているんだぁ。
    って、なるほどです。

  • わたしはわたしであることから逃げられないと同様に、わたしは「日本人であること」からも逃げられない。
    著者は自分の人生を「日本人であること」抜きにしては考えられないと言う。

    私たちはどれほど文化というものに縛られているのだろう。私たちがすることひとつとってもそこに文化は必ずつきまとう。文化を無視して何か行うことなんて無理なのだ。この日本人の血からは決して逃れられない。

    この世の中で不可解なものあれこれを網羅的につきつめて提示してくれるので、反省とも呼べるようなぐさりとくるものが数々あった。全く、普段さぼっていることばかり。

    自分が考えることをさぼっているのだと萎縮すると同時に、改めて大した日本人がいることに敬服する。

    (20111023)

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「日本人」という病 (静山社文庫)の作品紹介

ゆれる心、迷う心、悩む心、苦しむ心、病む心…数限りない人の心と深く向きあってきた不世出の臨床心理学者・河合隼雄が、さまざまな問題をかかえ、たいへんな時間を迎えている日本人に、これからを生きるための指針を語る。自らを「"日本人"という病を背負う私」と言い、日本人病との自分自身の葛藤が明かされる。また、「友情とエロス」「恋愛・結婚・内なる異性との出会い」などなど、人生を左右することがらに答える。

「日本人」という病 (静山社文庫)はこんな本です

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