名探偵クマグスの冒険 (静山社文庫)

著者 :
  • 静山社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863892026

作品紹介・あらすじ

時は19世紀末。各国のスパイやギャングが跋扈するロンドンで、若き日の南方熊楠が遭遇する奇っ怪な事件。政治的陰謀も、ケルト伝説の怪物出現も、クマグスが博覧強記の知識で謎を看破し、豪胆な行動力で決着をつける。虚実を巧みに織り込んだ博物学的エンターテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • わが故郷の偉人、南方熊楠大先生がイギリスで謎を解く。イギリスの地理や時代、蘊蓄が大変面白い短編6本立てミステリ。敢えて難をつけさせていただくと、熊楠の話す”和歌山弁”が少し変で、しかも紀北っぽい。熊楠はこてこての南紀州弁でないとあかんわ。「ノーブルの男爵夫人」蘭クラブでのムカデ毒での殺人事件。「ムカデクジラの精」ケタキア、ケルトの伝説と相続がらみ殺人未遂。「巨人兵の棺」ケルトの古い遺体と屍蝋商人。「清国の自動人形」孫文拉致事件、救出解決。「妖精の鎖』コーンウォールのパスティが出てくる。巨石文化とレイラインを利用した殺人事件。「妖草マンドレイク」古代英国のカニバリズムについて、ローストビーフの話。
    もろコナンドイルの子供用訳本的面白さ、楽しめた。

  • ロンドン滞在中の南方熊楠がその知識を力に怪事件を解決する話。1,2話はちょっと「?」なところもあったが、話を重ねるにつれてどんどん面白くなった。6話で終わってしまったのが残念。

  • 三葛館一般 913.6||TO

    19世紀末のロンドンで起こる6つの怪事件。それらを見事に解決するは、鹿内帽にパイプをくわえた、かの名探偵ではなく、英国人相手にも紀州言葉で悪態をつく「クマグス」である。本書はロンドン留学中の熊楠をモデルに、クマグスの豪胆奇抜な行動と、その博学さで以って快刀乱麻を断つ、痛快なエンターティメント作品です。孫文にチョボ六に、と熊楠ゆかりの実在の人物(猫)も多く登場する本作、さてさて物語の虚実はいかに!?
                                  (ぶどう)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=88645

  • やっと文庫化!ホームズと漱石と熊楠が同じ時代とはワクワクする。

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著者プロフィール

東郷隆/横浜市生まれ。国学院大学卒。同大博物館学研究員、編集者を経て、作家に。詳細な時代考証に基づいた歴史小説を執筆し、その博学卓識ぶりはつとに有名。1990年『人造記』等で直木賞候補になり、93年『大砲松』で吉川英治文学新人賞、2004年『狙うて候 銃豪村田経芳の生涯』で新田次郎文学賞、12年『本朝甲冑奇談』で舟橋聖一賞を受賞。その他著書多数。

「2022年 『妖変未来記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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