絶望名人カフカの人生論

制作 : 頭木弘樹 
  • 飛鳥新社
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本棚登録 : 931
感想 : 151
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864101158

感想・レビュー・書評

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  • 最近、気になった本がフランツ・カフカ賞受賞のものだったり(『グルブ消息不明』)本の作者がカフカの再来と呼ばれていたり(『タタール人の砂漠』)で何か縁があるのかなあ、と思って手始めにこの本を手に取ってみた。

    カフカの本は高校生の頃『変身』を読んだのみ。
    作品の真意を理解しているか自分でもわからないが、面白かった記憶がある。

    帯にもアマゾンの解説にもあるカフカの言葉
    「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」
    には共感と同時に爆笑。
    ほかの名言も同じく爆笑、そしてしんみり。
    たまらない。

    右ページにカフカの言葉、左ページに編訳した頭木さんの解説&つっこみがあるのだが、まずカフカの言葉を咀嚼して飲み込み、自分なりに解釈してから解説&つっこみをみると二度おいしい。

    カフカは生涯独身だったが、3度婚約、3度婚約破棄。
    ひとえにカフカの自信の無さ故だったそう。
    でも女性にちゃんとモテたのも分かる、ほっておけない感。
    なんかくすぐられるわー。
    ブス専っぽいのも好感度大(笑)

    親友がカフカの死後、作品を世に出そうと尽力したのも、作品の素晴らしさだけじゃなく、そのほっておけない感のためもあるかも。
    意外と愛されキャラだったんですね。
    例え本人が満足せず、絶望していようとも。

    今回わたしはウキウキテンションで読んでしまったのだけど、本当に絶望している人にはどうなんだろう。

    恵まれているところもあるカフカに「こいつは甘い」と感じるだろうか。
    恵まれているにも関わらず、絶望から逃れられなかった彼をどう思うだろう。

    朗報?がひとつ

    カフカは病気に殺されるまで、自殺をしなかったそうです。
    どんなに絶望していても。

  • カフカが絶望しながらも生きている強さに逆に圧倒されました。父親の存在、仕事、人間関係、婚約、社会、全ての普通に手が届かない自分と板挟みになりながらも小説を書いたカフカ、意外に強い(?)と思いました。絶望しても不幸ではないカフカ。不思議です。

  • 現実に押し潰されそうな時に読むと、心が楽になる本。全てに共感できるわけではないけど、いくつかは心の底から共感できて、自分の代わりに言い訳を雄弁してくれているような感じ。

  • 暗い気分に浸りたいときにおススメ。思いっきりネガティブになれます。

  • 京都の恵文社で出会った1冊。
    はじめに に書かれていた筆者の言葉↓
    ----------------------------
    ポジティブな明言は確かに価値のあるものですが、心がつらいときにいきなり読んでも、本当には心に届きません。
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    と、帯の文↓
    ----------------------------
    誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰よりも前に進もうとしなかった人間の言葉
    ----------------------------
    に、落ち込んだときポジティブな言葉で励まされるのが嫌いな私は、すごく共感して購入した。

    ネガティブ思考からパワーを得て名作を残したカフカという存在を知ると、ますますポジティブ思考がそんないいいとなのか?と考えてしまう。
    ダメな部分があったとき、「でも自分にはこんないいところもある!」といったように、目をそらしてばかりいるのではなく、ときにはとことん「は~、なんて自分はダメなんだろう」と受け入れることでスッキリしたり、そこから何かを見つけることができるのではないだろうか。

    カフカの言葉に、筆者の丁寧な解説がついているのでとても読みやすく面白い。
    おすすめ!

  • カフカとはいい友達になれそうだ。おわりの一言がまた効く。

  • ネガティブパワー・カフカ。

  • こんなネガティブな人、見たことない。
    だからこそかもしれないが、読んでるとかえって勇気がもらえる気がする。
    自分より絶望してる人を見ると、自分がまだマシと思えるからだろうか。

  • 最高
    カフカのあらゆるものを読みたい

  • 図書館で。なんだろうこの読了感。絶望の世界に引き込まれていたはずなのに、気持ちが軽くなっている。カフカって凄い。

著者プロフィール

1883年プラハ生まれのユダヤ人。カフカとはチェコ語でカラスの意味。生涯を一役人としてすごし、一部を除きその作品は死後発表された。1924年没。

「2022年 『変身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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