- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864101158
感想・レビュー・書評
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気持ちが沈んでいるときに読みはじめましたが…。
え…私…カフカほど落ち込んでない!(笑)
そんな心境になりました。
読めば読むほど逆にカフカを心配しちゃいます…
世の中にはポジティブな言葉、思考が多いですが、ネガティブな言葉にしかできない、ネガティブの強みを感じました。
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カフカかわいい。
カフカは好きすぎて何回も何回もいろいろな作品を読み返しているけど、関連本や人物そのものを深く掘り下げる気にはならず、よくいる神経衰弱気味の小説家というイメージしかなかった。
この本はまえがきにもあったとおり超訳してる部分も多いだろうけど、その徹底してネガティブに向かう姿勢の中に何故かかわいらしさを感じてしまう。 -
絶望的な言葉が並べられているのに、なぜか笑いがこみあげてくる。
変身を読んだときに、「この人どんな家庭環境で育ってきたのかなー」と思ったけど、父親が大きな障壁となっていたことがよくわかった。 -
どんだけ絶望してるのかなと思って読んでみた。
確かに暗い。
しかもその絶望を隠すことなく手紙にしたためて
友人だの恋人だのに送りつけてるあたり、強い。
勝てないなぁと思いました。 -
『ぼくは彼女なしでは生きることはできない。
……しかしぼくは……
彼女とともに生きることもできないだろう。
(P146)』
絶望というよりは承認欲求の塊と
他へのおことわりの集合体のような人だなと
絶望したというより、『こんな僕ですがよろしく』と言っているように聞こえる不思議。
いろいろなメモや日記などなどちりばめられた記録の総合体。
読み進めていくのが楽しい。 -
ネガティブさもここまでくれば笑える。
ただ振り回された女性たちには同情する。
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カフカのような人でもこんな事を考えるんだなぁと驚いた反面、カフカその人に対して興味を抱いた。機会があれば作品を読んでみようと思う。
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一回りして面白いとあったが、まさにその通りの本。
ほんとうに生き辛い人だったに違いない、と断じていいものか迷うがおそらくそうだっただろう。
しかしながら、生涯独身で病気で早死にしたカフカよりも
もっとずっと色々欠けている(私含め)人だっているぞ!
と思いながら読んだ。
(厳格な親だが裕福な家に育ち、婚約を3回もでき、つかの間の恋人もいて、社会と完全な断絶もしていないで、なにが絶望だコノヤローとも思った)
ばっさり切り捨てるなら、ただ甘い。
でもその甘さをあのように惨めなほどに吐露する能力は素晴らしい。そして、彼の作品もけっこう好きだったりする。
世の中は簡単ではない。 -
絶望名人カフカの人生論
カフカの人生と共に語る「絶望の名言集」。
自分の将来、世の中、身体、親、学校、結婚、食べ物から睡眠までカフカは日常のあらゆる事に絶望していた。勿論、彼の言葉が本心なのかどうかは誰にも分らないが、彼が書いたものにはネガティブな言葉しか並んでいない。小説同様、日記や手紙、ラブレターに至るまで、楽観的な記述が無く、現代人の悩みの全てを先取りしたような印象を受けた。
彼は絶望していても、実際は裕福な家庭で育っており、会社勤めもこなす(遅刻は多かったらしいが)普通の人生を送っていた。ただ、あまりに理想が高すぎて、自分の現実とのギャップを感じていたのだろう。自分の人生に絶望しても、多くの作家のように自殺するようなことはなかったし、気持ちを素直に書くことによって、逆にストレスを解消していたのかもしれない。