- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864101219
作品紹介・あらすじ
マニ教教祖マーニーの聖なる預言が、1700年の闇を駆け抜け、20世紀中国の広大な沙漠に谺する!国家と民族の裂け目を鋭く穿つ、渾身の書き下ろし力作長篇。
感想・レビュー・書評
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これぞ物語、の一冊。
好きな世界観。
物語という砂漠を彷徨い、隊商に身を委ねるような時間は、これぞ物語、を味わえた時間。
ある日、古文書に見つけた一つの言葉。
そこから始まる時代も違う二組の双子が織りなす時空を超えた時の交わり。
その都度、方角見失なう砂漠にいるように迷い惑わされるのがたまらない。
そして、新疆ウイグル自治区、宗教、文化、シルクロード、原子爆弾と決して看過できない言葉を砂漠の中に見つけては心に拾わざるを得ない。
幻想的なだけじゃない、さりげなく心に大切なことが水のように沁み込んでくる壮大な物語を堪能。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
12/10 読了。
想像していたのと全然違う方向に物語が進んで、面白くなる手前ですべての要素が打ち切られてしまったような。偽文書、タイムパラドックス、ウイグル族、マニ教、国家の陰謀、色んな要素が盛り込まれているのに、いまいち盛り上がりにかける。ただ、2011年末にこの本を出したこと、そこにはきっと意味があるのだと思う。 -
歴史もの、シルクロードものかと思って読み始めたら…なにこれ?SF?ファンタジー??
いや、しかし、分野なんてどうでもいいのです。それぞれの結末(正解?)も、たぶんどうでもいいのです。とにかく読み始めたらやめられず、一気に読ませる面白さがありました。そりゃ、ま、偽古文書はいったいなんだったのー?と、やっぱり思わなくもないけどね。 -
70年代中国と9世紀末中央アジアが接続する幻想小説なので、石坂浩二がナレーションをやった昔の「シルクロード」にときめいた人にはおすすめ。わたしはそのくちなので楽しく読んだ。ただしこの分野の実知識がないので、言語・民族・地名がごっちゃごちゃに。わかって読んだらもっと面白いんだろうなあ。
謎のままに終わる部分が多いから、読み終わってすっきり!というわけにはいかない。でも、さまざまな人の営みが、あの広い砂漠と激しい砂嵐にいずれは覆い尽くされてしまうというほこりっぽい無常感が残って、異世界に遊ぶ体験はできた感じ。 -
過去と現在、二組の双子の物語が、意外なところで結ばれていく……。ウイグル人やソグド人を主人公にした珍しい物語。意外と読みやすい。
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フクシマよりの中国が怖い。
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時間の動き、空間認識の歪み。西域が舞台だからかこうした事象が不自然じゃない。