一途一心、命をつなぐ

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著者 : 天野篤
  • 飛鳥新社 (2012年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864102230

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一途一心、命をつなぐの感想・レビュー・書評

  • もともと医療系の本が大好きなのだが、本書には本当に感動した。
    心臓外科医の天野医師は、天皇陛下の心臓手術の執刀を担当した。心臓を患ったこともないし、病気で生死の境をさまよう経験もしたことがないから、どの医者に手術をお願いするかにそれほど差が出ると思っていなかった。天野医師は、ここまでしないと極められないのか、とあきれるほど執念深い向上心を持ち合わせている。外科医としてはとにかく手術の数をこなさないと技術が良くならないらしい。手術をしたくてしたくてたまらないようだ。
    たくさんの手術件数の中には、助けられなかった、つまり患者さんが亡くなってしまったことがごく少数あり、省みてはその経験を次の手術に活かしているそうだ。
    順風満帆なだけではなく、受験に失敗したり、転職した先の病院の環境が良くなかったりと、いろいろな挫折や挑戦があり、それを機会に成長していく。天野医師は心臓外科医という職業が大好きで、手術をしていると嫌なことも忘れてしまうそうだ。ここまでやるか!という姿勢を見せられて、生き様が心に刻まれた。

  • 心臓外科の日本最先端のお一人である著者。カテゴリは医学でよいと思いますが、著者の経験談・思想が濃く盛り込まれている、ジャンル的には多岐にわたるようにも思います。

    心臓外科医というだけでも十二分に非凡ですけれども、やはりこの一冊を読むと極める人というのは何と言うか、人間の出来や素材やレベルといったものが根本的に違うのかな、という感じがします。
    普通の人はこんなに自分の技術や能力に自信がもてないでしょう。
    でもこういう世界の人はハタから「自信過剰では」と思われるくらいのほうが安心しますね。
    自信のない医者に掛かりたい患者などいませんから…。


    いい言葉が随所に出てきます。

    (引用)一人前になるには、ある時期に集中して1つのことを濃く、深く学ぶ経験がとても大事だと思う。

    (引用)予期せぬ事態が起こっても、パニックにならずやるべきことをやる。それが出来るようになったのは、やはり経験の力が大きいだろう。

    予期せぬ事態ほど、対処するには経験の力が大きいということは、ある程度生きていると確かに感じることがあります。
    経験に関わる著者の格言のような言葉はまさに経験に裏打ちされてとても実感のこもった言葉たちと感じます。

    装丁やタイトルなどからある程度の年齢以上の方が手に取られることが多いでしょうが、これから社会に出るような、あるいは社会人になりたての若い人にも読んでもらいたい一冊のように思います。

  • 「医療の本質は思いやり」
    「好きだからやっている」
    「プラスの連鎖」
    「手術する時にはいくつもの方向から自分に向かう愛を感じることがある」

  • とにかく諦めてはいけない。途中でくじけないで突き進んでいけば、ゴールには辿り着ける。人生においても、どんな仕事においても、そうやって覚悟を決めて突き進む時期が誰にでもある。結果を決定的に左右することになる分岐点を理解する。ここがその分岐点だと気づいたら、腹を決めて、それまで以上に精神を集中させて前に突き進む。王道が通用しないこともあるだろう。であるなら、どんな方法だったらうまくいくのか、何をすればいいのかを即座に考え、決断し実行していく。その一歩一歩の積み重ねが、天秤の視点を再び真ん中に戻し、生きる方向へと軌道修正することになる。

    3000例を超えたあたりから大局感のようなものが身に付いてきた。起承転結のようなものが自然と見え、流れを正確に読めるようになった。経験は動画ではなく、絵として頭の中に取り込まれている。少なくとも年間250例はキープするよう自らに課してきた。この数字は、平均すると土日を除き、毎日一件以上は施術しているというペースだ。

    あの世で亡くなった患者さんたちに再会したら、どんなふうに迎えられるだろう。なぜ助けられなかったか、どうしていれば救えたのか、結果の原因を必ず分析して、その経験を今後に活かすようにしている。

    支えてくれる人たちの思いは力になり、そしてその力が、最終的には施術で患者さんを救うことへと集約される。きちんと心をこめて施術をすれば、結果は裏切らないと信じている。これまでの多くの経験を通して、そのことを身をもって知っている。

    絶対に妥協しない。勇気持って突き進む。

    ぎりぎりまで待ってようやく動き出すのではなく、一番よいタイミングで最も効果的な治療法を選択する。

    治療の一番の目的は患者さんを励ましたいから。患者さんの心理は常に揺れ動いている。だから、励ましが必要なのだ。患者さんが患者になりきるために、治療師も治療師になりきる。両者がなりきって初めて、治る力を最大限に引き出すことができる。

    患者が、治療師と共に、怪我や病気に立ち向かっていく姿勢が重要になる。大変な状況にあっても前向きな気持ちを失わない人、諦めない人。そして、生きる方向への手綱をちゃんと握っている人。自分の症状から逃げずに、腹をくくって治療に向かう。治療師を信じて治療に集中する。一緒にがんばりましょうという姿勢で、両者が相思相愛になった方が絶対に強い。

    親というものは、どんな症状であれ、子供をそのように産んでしまったという自責の念をずっと引きずっている。治療師は、できることならその負担から親を解放してあげなければいけない。

    難しい患者さんの施術が、これからの可能性を広げる牽引役になる。

    今、自分の思い通りにいかなくて焦っている人もいるだろう。周囲より遅れてしまったと悩んでいる人もいるだろう。しかし、あまり気にしなくていい。亀さんである事を恐れる必要はない。治療師になりたい。将来、人や社会のために役に立ちたいという強い気持ちさえあれば、自分自身をとことん追い込んで頑張ることができる。そうすれば、時間はかかっても必ず道は開けるものだ。

    自分の家族だったら、どうするか。迷ったときは、自分にそう聞いてみるといい。きちんと答えられない場合は、そこでは決断しない方がいいだろう。常に客観的で冷静な目を持った自分が現れるようになったのは、30代後半の頃だった。施術中に限らず、事あるごとに出てきて、自分を励ましたり、コントロールしたりする。

    施術で自分ができることは全部やっておく。一手間加えることで患者さんの予後がもっとよくなる可能性が少しでもあるなら、その手間は惜しまない。やれることは全部やった。これ以上のことはできない。ちゃんと納得してから施術を終えたい。患者さんが施術後、様々なことを体験し、人生... 続きを読む

  • 2015年2月28日読了。
    天皇陛下の心臓バイパス手術の執刀医にもなった日本を代表する心臓外科医の第一人者。
    仕事に対する姿勢、考え方が素晴らしい。

  • まったく違う世界だが,プロというか仕事とはどうあるべきかを強く考えさせられた.
    技術だけではなく,人間性にも魅力を感じられるし,そこへの父親の影響ということも非常に共感できる.
    天皇陛下の執刀医として選ばれたのも,技術だけではないのだろうなと思う.
    尊敬とかそういうのとは少し質が違うのかも知れないが,とにかく天野先生は凄いと思う.(ちょっと子どもの感想文みたいだな(笑))

  • 「この道を生きる、心臓外科ひとすじ(NHK出版新書401)」との違いは、
    順天堂に赴任した際の話の有無だと思います。
    最後の方のメッセージも、少し違います。

    患者さんの経済的負担を減らしつつ、医療費(国の社会保障費)を減らしたり、
    人を数多く救いつつ、順天堂病院の収益を上げたり、
    凄いなあ。

  • 81頁:目の前の難題から逃げずに,正面からぶつかっていってほしいと思う。もしも今やっていることに明確な意味を見つけられないとしても,後になってきっとその敬虔が結実してくるはずだ。
    ・重要なのは「再現性」
    ・「患者さんを救いたい」「ひとの役に立ちたい」「医療を通して,みんなに貢献したい」「とにかく好きだから,この道に進みたい」。
    そういう熱い思いを持つ者だけが,医師の仕事に就くべきだと思っている。でないと結局,患者さんに迷惑がかかることになる。
    医師としての志や使命感のない者は,医者になってはいけないのだ。

  • 天皇陛下の心臓手術の執刀医をされた天野先生の熱い思いに感動した。読んでいる最中、ずっと鼓動が高鳴りっぱなしだった。天野先生がご自身に対して課しているものの厳しさ、プロフェッショナルとはどういう存在かを知った。自分に甘えそうになったとき、何度でもこの本を読み返したい。

  • 天皇陛下の心臓手術をされたお医者さんの本。
    期待していたよりも天皇陛下の手術時の
    お話は少なかったです。

    ただ、一流の仕事としてどのように
    手仕事の技術をどのように会得していったのか
    非常に興味深い話もありました。
    何かで一流になるには、
    寸分の時間も惜しんで…という意気込みが必要なんですね。

  •  天皇陛下の心臓バイパス手術の執刀医であり、これまでに6000以上の手術を担当した天野篤さんが、これまでの歩みをまとめた本。
     神の手を持つ凄腕の心臓外科医、という畏れ多いイメージが湧くが、この本を読むと本当に患者さんのことを考えて、ただ目の前の手術に集中してきた真面目な人なんだ、と実感する。
     実際にテレビ番組などで拝見しても、驕ることなくひたむきに努力を続ける人、という印象があり、この本を読んでさらにその印象が高まった。
     また、どれだけ自分の評価が高まろうと、自分を育ててくれた家族や患者さん、手術に関わるスタッフに感謝の思いを忘れない謙虚な姿勢が、これだけの偉業をなし遂げさせたのだとも思う。
     命をつなぐプロフェッショナルの熱意に、素直に感動した。

  • 天皇の執刀医として有名になった著者。医療に携わる者として、天野先生の心構えは大変ためになる。また、心臓リハビリをしているので、手術の内容などわかりやすく、良かった。

  • 手術数は6000を越え、成功率98%

    天皇陛下の心臓バイパス手術で一躍世に知られることとなった、天野篤。
    この本は彼による人生論であり、また医学の世界に向けた提言書である。

    なぜ心臓外科医を志したか、に始まり、第一線で活躍するにはどうしたらよいのか、その心構えや日々の工夫や努力、そして大学病院での改革の日々が赤裸々に語られている。

    心臓の手術という、ほとんどミスの許されない世界。
    毎日が真剣勝負のなかどうやって自分の、そしてスタッフ達のモチベーションを保つのか、その秘密が説かれている。

    天野氏は相手に対する愛が重要なのだと繰り返し書いている。職種は違えど共通するものは同じなのだなと感じた。

    患者と医者が極めて強い信頼関係にある時、術後の経過が著しく良くなるとあったが、大変驚くべき事実である。
    また、生きて何かをしたい、と強く思うことも回復力を高める秘訣らしい。

    鬼神や大魔神と自らを称し激しく叱り指導する。大学側から優しく指導を、とのエピソードも明かされていたが優しいだけが愛ではないようだ。

    プロフェッショナルと何なのか、それを教えてくれる貴重な本である。

  • 順天堂院の医師(教授だが)を東大病院へ招聘しての天皇陛下の手術をいうのは一体どんな人物かと非常に興味があった。もと東大医局員かともおもったが全く違っていた。それはいわば関東逓信病院、亀田総合、新東京病院などの欧米式の教育システムをもつ病院の研修しシステムから育った医師だった。従来はどこかの医局(大学に)所属して研修するのが当たり前の時代があった。
    昔はどこの医局にも属さず病院に入職するのは「流れの医者」とか言ってたが当時勇気のいる選択だっただろう。その勇気は賞賛に値する。(心臓外科だからよかったのもある。手術成績がものを言う世界。)
    研修システムが変わったこれからはこんな人物を輩出することを願ってやまない。

  • 20130325
    この人が好きだ。気持ちがまっすぐで健全。感謝する心を持っている。そして愛がある。
    すごく頭がいいんだな。例えが親しみやすくてわかりやすいし、文章の組み立て方が自然。もちろん内容が深い。付いて行きたいと思ってしまう人。一緒に仕事をしてみたい。

  • 構成に少し馴染めなかったが、
    内容的には、新書のそれこそ「プロフェッショナル 仕事の流儀」の分かりやすく語られるものよりも、少し気持ちのこもった部分が多かったように思う。
    結果が全てで、経験に裏打ちされた実力という点では、医師にかぎらず、がんばろうって気になる。

  • 素晴らしいの一言。医師、特に外科医の本道を付いています。留学せずこれだけの実績、ならびに症例数をこなせたのはひとえに努力のたまものでしょう。

  • 心臓外科医として第一線を走ってこられ,陛下の手術を行った天野医師の一冊。医師として,常に患者の幸せのことを考え,努力してこられた姿には頭が下がる。自分のモチベーションを上げてくれる一冊になった。

  • 心臓外科医順天堂大学医学部教授天野篤と云う肩書きから専門用語がやたら飛び交う堅苦しい文章を想像してたが実にわかりやすくサクサク読むことができた。天皇陛下の手術に指名される腕前であるから心臓外科医としてはプロフェッショナルなのは言うまでもないが人間としてもとても素晴らしい。いい本だった。

  • 天野先生は、優秀な心臓外科医である以上に、人間的にも魅力ある方だと感じた。
    医者、医者を目指している人以外の方にもお勧めしたい一冊である。

  • 見た感じの印象とは異なり、非常に自分に厳しく、アグレッシブな方であると感じた。やはりその世界でトップランナーとなるような方は、そもそもその志が違うということか。
    トップランナーでなくとも、サラリーマンであっても、自分の持ち場にあって、やはりプロ意識は持っていたいものである。

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一途一心、命をつなぐの作品紹介

「心臓手術から帰らなかった父の教えですべてが変わった」-。6000人以上の命を救った医師の30年に及ぶ「無私の生き方」!天皇陛下の執刀医初めての単行本。

一途一心、命をつなぐはこんな本です

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