- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864103725
感想・レビュー・書評
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仏教について総合的な観点から扱ってくれる本は少ない。ダライ・ラマとの対談もとても良い
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教養をつけようと思い読み始めた。神社とお寺がどっちが仏教だっけというレベルだったが、成り立ちや特徴、さらにはダライ・ラマとの日本に対する対話もあり読み応えあり。日本がほぼ無宗教なのに、なぜ生きていられるのかと言う点については特に議論がなく、もう少し意見が欲しかった。
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池上彰氏による仏教についての解説本。
氏とチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世との対談の様子が掲載されています。
欧米の多くの人が、仏教=ダライ・ラマ法王と連想するほど、外国ではチベット仏教が浸透しているのだそう。
仏教とはどういう教えなのかという命題をもとに「仏教徒になる必要はなく、よい生き方をすればいい」と説くダライ・ラマ14世。
ダライ・ラマ氏も、仏教についてわかりやすく説明してくれる人であるため、対談のくだりは両氏の話すことにとても納得がいきました。
キリスト教は唯一絶対の神がすべてを定めている一神教なので、聖書の解釈などの違いで宗派ごとに大きな諍いが起こったりしますが、人が生み出した仏教は多様な解釈が存在し、そもそもベースは「無常」なので、大きな争いはないとのこと。
日本仏教でも宗派によっていざこざがないとはいえませんが、それも他の宗教に比べると深刻なものではないということなのでしょう。
日本では、かつて中国から伝来し、国家と結びついた奈良仏教がメインストリーム。
教えの中心の一つが比叡山延暦寺。そこの出身ながら主流から外れたドロップアウト組の法然、親鸞、日蓮、道元たちは、新しい宗派を立ち上げました。
彼らは庶民を対象とし、葬儀を引き受けるようになったことで、世の中に浸透していったとのこと。
今でこそお寺は葬式仏教と揶揄されますが、時代の流れにおいて仏教が葬儀を執り行うのは革新的な取り込みの一つだったというわけです。
仏教に関する基礎知識本ですが、池上氏のかみくだいた解説でとても分かりやすい内容になっています。 -
インドにおける仏教の成り立ちと、アジア圏へ広がっていった伝来の過程についての概要を解説した第1章。チベットの高僧:タムトク・リンポチェとの対談、ダライ・ラマ法王との対談が収められた第2章。そして著者:池上彰自身の仏教に対するスタンスが簡潔に書かれた締めの第3章。単行本が発売された2012年に初めて読んだときに、本編で紹介された「この世は苦しみに満ちている(一切皆苦)」という考えで、色々とスッキリしたのを思い出す。所詮生きることは苦しみで、合間合間にいいコトがあるだけなんだと。
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やはり池上彰さんの解説はわかりやすい。
私が仏教の教えに興味を持ったきっかけは、メンタル失調からだった。
最初はメンタルを保つための心理学の本やYouTube動画を見ていた。
その中で、マインドフルネスに辿り着き、そこからブッダの教えに興味を持つに至った。
仏教とはとても合理的だとは思っていたが、この本でも心理学的な側面がある事に触れている。
神を信じるのではなく常に自分の心と向き合い、他に対して慈悲の心で接するという教えはとてもとっつきやすい。
日本における仏教がなんとなく身近にあるが仏教が何かをよくわかっていないという当たり前の事が、だんだんとおかしなものと感じてきている。
仏教の歴史をわかりやすく解説した第一章と、ダライラマ法王のインタビュー中心の第二章。
ダライラマ法王の話はとても興味深かった。
日本人について、「日本人は物に依存しすぎた」というのには深く納得。
自分は死ぬ時に物に固執せず、満足な心で死ねるだろうか。
そんな事を考えさせてくれる本だった。
自分の心に自信を持って生きていこうと思う。 -
日本人と仏教との関わりの歴史、今の日本人の仏教に対する宗教観がわかりやすくまとめられていた。
仏教の思想を通じて、不安を克服し、心穏やかに生きる術を身につける必要があると感じた。 -
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仏教の用語・思想に関連するちょっとしたツイートを見て気になって読んでみた
身の回りにいる穏やかな人はなるほど確かに煩悩が少なそうかも、っていうかやっぱりお釈迦様みたい〜と勝手に納得
仏教のこともっと勉強してみたくなった
諸行無常、諸法無我、分かっちゃあいるつもりなんだがなかなか体現するのは難しい... -
仏教に興味を持ち、まず最初に手にした本。
仏教の歴史や現在の日本の仏教にも触れられている。
この本を読んで、仏教についてもっと詳しく知りたくなった。 -
非常に面白い。単なる仏教解説に留まらず、ダライ・ラマ法王との対話や、現代日本人が仏教とどう向き合っていくべきかという点にも言及している。
葬式や法事でしか接点がないと思っていたが、我々の生活に根付いている仏教、その教え(心の制御)について、もっと学びたくなった。 -
読書開始日:2021年5月1日
読書終了日:2021年5月1日
要約
①仏教の目指すところは、「諸行無常=すべては常に移ろいゆくこと」「諸法無我=すべてのものに実体はないこと」を理解し、無知から脱却すること。
②現代の日本の仏教は、人の死に関わる葬式仏教色が非常に強いため、今こそ生きるための心理学的な意味合いでの仏教を一般教養として広めていくべきで、そのような機運が上がっている。
③究極は「利他、他社の幸せに寄り添うことで己の心の平穏を掴み、人生に意義を見出すこと」であり、それを実践できるものは、特別仏教とになる必要もない。
所感
自分は自分の家がどの宗派なのか、法事とはなにであるのか。
そんな基礎的なことすら全く知らずに、無宗教をどこか誇りに思っている部分があった。
それは、今まで生きてきた中で、信仰という言葉にどこか危ないイメージが出来上がってしまっていたからだ。
先日に「塩狩峠」という作品を読み、キリスト教について興味を持った。
キリスト教について知る前に、おそらく自分の家は仏教なので、座禅に行ってかたちから入ることにしてみた。
そこで、初めて仏教というものに触れた。
もっと学びたいと思い本書を手に取り、仏教に関する時代の流れや、目指す場所、現状を知ることが出来た。
本書でもあったが、「仏教はやさしく、器が大きいもの」であり、仏教徒になる必要もないので、
まずは、仏教の目指す場所、仏教の基本理念を理解し、実生活でも活かしていきたい。
そして人生の意義を見出し公開が無いよう安らかに逝き、理解が出来た仏教、ひいては自分家の宗派で弔ってもらいたいと思う。
仏教に俄然興味の沸いた作品。