「やさしさ」という技術

  • 飛鳥新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864104210

感想・レビュー・書評

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  • やさしさ、利他、周囲への貢献・支援行動は、やるべきことであり、結果として自分の得になるという打算をもっても実現する方がよい。なぜ、やさしさをためらうのかに気づき、やさしくあろうと決意し、一歩を踏み出すこと。
    やさしさというよりも「貢献の勇気」がぴったりくる感じ。利己、打算に基づく行為でもOKなのはよく分かるが、エゴよりも愛に基づいた行為を選びたいと思う。
    16-67

  • ●読むキッカケ
    ・かっきーさんに、いい男になるための条件として優しくなること、というキーワードをもらい、
    そのための手段を模索していたところ、本書をみつけたため。
    ・『愛するということ』もそうだけど、一見先天的資質に思われるものを、
    そうではなく習得可能なものであると説く本は、好きそうだなあと思ったから。

    ●サマリー
    ・倫理に関する定義が秀逸だった。
    自分が今まで求めてきた、人に対して促したい要素は、まさしくこの言葉だと腹落ち出来た。
    ・やさしさの重要性を理解でき、そのために何が必要かを諸々理解できたように思う。
    ・やさしさから派生した、tipsもたくさんあって、良書。

    ●ネクストアクション
    ・相手に対する観察行為を意識的に行う。
    ・賞賛を意識的に行う。

    ●メモ
    ・「倫理」とは、「私達と、仲間や周辺世界との関わりかた」という意味の言葉らしい。
    自分の認識としては、全体最適的な振る舞いをし、結果Win-Winをあらゆるところに築き、
    全体の幸福度のパイをプラスサムするための、心のありようだと認識。

    ・やさしさとは、長い目で見れば相手に最善の利益をもたらすと思われる行為をすること。
    →一時的な場しのぎで、相手を叱らない、とかではないということ。

    ・やさしさには、一定のルールや決まりが存在しているわけではない。
    状況や条件に応じ、思考し判断し行動するという、極めて知的な「力」を必要とする行為である。
    ・最終的に行動を導くのは、自分が傷つくことを厭わない、勇気である。
    ・なので、倫理や優しさに絶対解は存在しない。
    前提とする価値観などによって、いかようにも変容しうる。

    ・やさしさは、動機が利己的であろうとなんだろうと構わない。
    結果として、上記の倫理的な振る舞いが出来ているかどうか、その行動結果こそが重要である。
    ダライ・ラマもそう言っている。

    ・やさしさの重要性を認識していても優しくなれない状況は、得てして9つの要因が影響する。そのうち、
    ・思慮不足→相手を観察し、相手の立場にたってみたりして、最終的に相手がどうしてもらいたいと思うのかを察知する。
    ・他人事主義→じゃあ誰がそれをやるのだろうか、という問をたてみる。
    ・攻撃性→所与のものとして、いかにコントロールして着地させるかに注力する。
    ・無力感→ゆうて出来ることはあると肝に銘じる。究極、祈ることだったら出来る、とか。
    ・選べない選択肢→考えを尽くし、ベターを選択せよ。もしくは第三の案を見出す。

    ・集団の利益に貢献したいという思いを持つ最大人数は150人。
    →それ以下のコミュニティが生まれるような、人間集団のデザインが必要だね。

    ・賞賛は一円のコストもかけずに、Win-Winを築ける良い物。
    贈るのになんら制約もない。
    特に、上司とか普段褒められない人に心からの賞賛を送ることは、効果的である。
    ・また、似たものとして、相手の成果を喜び、尊敬の念を示すこと。
    そうすると相手は色々教えてくれたりして、果実を手にすることが出来ることがある。

    ・建設的な批判は、①個別化して与えること②成長を期待するものであること③愛が根底にあること
    が重要。

    ・自分の欠点や失敗をオープンにすることは、他者が自信を持つ手助けになるという意味で、いい行い。

    ・共感力を鍛えるには、相手の身になり、観察して仮説検証をするという、地道な作業が必要。

    ・他人のロールモデルになることは、ある種の責任行為である。
    なぜなら、人は得てして人から学び、それを糧としていくから。

    ・JFK「国家があなたに何をしてくれるのかを問うのではなく、国家のために何が出来るのかを問うて欲しい。」
    まさしく、倫理的な思考だ。

ステファン・アインホルンの作品

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