人間コク宝サブカル伝

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  • コアマガジン
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864365581

作品紹介・あらすじ

アクの強い文化人こじらせインタビュー集。男気&バイオレンス&童貞臭が詰まったシリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 吉田豪氏の対談集。今ひとつ興味を持てる人がいなかったのが残念。

  • 宮崎吐夢さんはおもしろいなあ

  •  おなじみの、ディープな面々へのディープなインタビュー集。
     「サブカル伝」とタイトルにあるものの、一昨年の『サブカル・スーパースター鬱伝』のように思いっきりサブカル寄りというほどではない。基本的には過去の『人間コク宝』シリーズと同じテイストである。

     インタビューイとして登場するのは、次の面々。

    《諫山創・乙武洋匡・枡野浩一・穂積隆信・山本寛・宇川直宏・宮崎吐夢・久田将義・小西克哉・安東弘樹・神足裕司・上杉隆・YOU THE ROCK★・須永辰緒・安岡力也・清水健太郎・岸部四郎・品川ヒロシ》

     乙武洋匡・穂積隆信・安岡力也・清水健太郎・岸部四郎あたりは過去の『人間コク宝』と共通の流れで、それ以外が「サブカル伝」に相当する人選ということになろうか。

     サブカル人士に型破りなタイプは少ないから、シリーズの中では本書はわりと薄味な印象である。とくに、諫山創(『進撃の巨人』の作者)・山本寛・宮崎吐夢へのインタビューはじつにつまらない。
     品川ヒロシはイメージどおりのイヤなヤツで、インタビューを読むだけでも不快な気分になってくる。神足裕司のいいかげんさにも呆れ返る。

     意外によかったのが、穂積隆信・小西克哉・安東弘樹(TBSアナウンサー)へのインタビュー。とくに安東へのインタビューは、彼に対するイメージが一変すること請け合いだ。

     でも、一冊通して読むと、けっきょくいちばん内容が濃くて面白いのは、巻末の町山智浩への総括インタビュー(本書のインタビューイ一人ひとりに対する寸評を町山が語るもの)だったりする。

     たとえば、町山は乙武洋匡についてこう言う。

    《あの笑顔は何もない人たちの妬みや嫉みに対する攻撃だから。あの笑顔は何も優しさじゃない。攻撃だよ! 何も持たない人は、あの笑顔を見て屈辱的な気持ちになる。「俺は手足があるのに何もできない。だけど彼はこんなに勝利の笑顔を!」って。》

     また、次の一節は町山の「師弟論」として興味深く読んだ。

    《やっぱり人間、歴史だから。好きな人がいて尊敬して、それこそマッカーサーがシーザーを尊敬して、シーザーが誰を尊敬してとかずっと続いているの。それから断ち切られたら、人間っていうのは誰でも生まれてきたときはたいしたことないけど、誰かを尊敬することで一段上がれるんだよ、その人が上に乗るから。
    (中略)
     誰か尊敬する人を見て、その人を真似する。その人みたいになりたいと思うことってホントに大事だと思う。それがいま世の中にないの。》

  • 2017年4月27日読了。吉田豪による著名人インタビュー本。複数本が出ていると知らずに読んでみた。本人も忘れているような細かいエピソード・発言を繰り出す徹底した下調べがこの人の持ち味だそうだが、時に暴走する語りに決して引かず、かといっていたずらに煽るでもない距離感が絶妙で、ここがインタビュイーに信頼されるところなのだろうか。世の中には本当にろくでもない生き方をしながら、それでもその人なりに葛藤を抱えながら生きている人が沢山いるのだなあ…と、なんというか「人間の抱える業の深さ」みたいなものを思う。安岡力也の話なんか、「絶対嘘だろ」としか思えないハチャメチャなノリだが、これ本当なのかね?

  • 文字通り、吉田豪によるコクのある人を集めたインタビュー集。

    人選が幅広いので、興味ある分野とそうでない分野で興味が別れるものの、全体的には面白かった。

  • あとがき(総括)での町山さんのハジケぶりがなかなかヤバい

  • Podcastで良く聴いているTBSラジオで見かけた人が収録されてるな〜〜、と軽い気持ちで購入チビチビ読んでいたのだけれど、とうとう読み終わっちゃった。
    はじめは、物見遊山的な感じでインタビューを読んでいたのだけれど、穂積隆信(『積み木くずし』の!)や、はっきり思ったのは安岡力也だったんだけれど、彼らのインタビューを読んだ時に、「これは、こういう形で文字になって本当に良かったなぁ…」としみじみ思いました。時期を空けて二回掲載されてる清水建太郎とかもそうだけれど、その時にその人が思った事話したい事を、スタンプすることの大切さ。バカに出来ないな、と思いました。
    町山さんや小島慶子さんのインタビューがNGだったのは、残念。町山さんのは雑誌探して入手したからまだいいんだけど。
    吉田豪氏のこの『人間コク宝』シリーズはこの本がはじめてだったんだけれど、既刊本も折を見て読みたいと思いました。

    余談ながら、品川ヒロシのインタビュー、先日TBSラジオたまむすびで本人を呼んで流した内容がエグくてドイヒー!とPodcast聴いてて思っていたのだけれど、このインタビューを読むと、ラジオ放送の内容に対するこちらの気持ちがちょっと変わりました。興味深いですわ〜。

  • みんな病んでる。
    安心した。

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著者プロフィール

吉田豪(よしだ・ごう)
1970年、東京都生まれ。プロインタビュアー/プロ書評家/コラムニスト。編集プロダクションを経て『紙のプロレス』編集部に参加。そこでのインタビュー記事などが評判となり多方面で執筆を開始する。現在、雑誌・新聞に多数の連載を抱えるほか、テレビ・ラジオ・ネットなど様々なメディアにでも活躍中。今までに格闘家、プロレスラー、アイドル、芸能人、政治家と、その取材対象は多岐にわたる。著書に『人間コク宝』シリーズ(コアマガジン)『聞き出す力』『続 聞き出す力』(日本文芸社)『吉田豪の空手☆バカ一代』『吉田豪の“最狂”全女伝説』『吉田豪のレジェンド漫画家列伝』『吉田豪と15人の女たち』『吉田豪の部屋の本──@猫舌SHOWROOM──』(白夜書房)などがある。

「2021年 『証言モーヲタ ~彼らが熱く狂っていた時代~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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