有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方 (コア新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864366021

感想・レビュー・書評

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  • 序章で、有吉が死んだような目をしているのを東野幸治に見ぬかれたくだりが出てくるが、私も実際に、死んだような目をしている有吉弘行を見たことがある。
    猿岩石ブームが終わりかけていたころだと思うが、静岡市のなにかのイベントに猿岩石がゲストで呼ばれていた。
    地方の、小さなイベントの、安っぽい舞台の上で「白い雲のように」を歌っている有吉弘行は、壮絶なまでの絶望感を漂わせていた。それは、少し離れたところから見ている私にもわかるくらい、死ぬほどつまらなそうで、かったるそうな顔つきだった。ああ、もう彼は嫌になってるんだな、とその時に思ったものだ。
    今では、テレビで彼を見ない日はないくらいの活躍ぶりだけど、やっぱり眼の奥は笑ってない気がする。いや、そんなことわからないのだけれども。

    本書はそういった芸人の内側、本音などが、本人の発言を元に鮮明に描かれている。
    オードリーの話も、オリエンタルラジオの話も、ダイノジ大谷の話も、胸が痛くなるようなエピソードばかりで、芸人ってなんて壮絶な生き方なんだろうと思う。逆かな。壮絶な生き方しかできない人が、結果として芸人になって残っているのかもしれない。
    でも、読後感が悪くないのは、著者の、芸人に対する深い愛情のおかげだと思う。著者は決して批判しないし否定しない。かといって、持ち上げたり称賛するわけでもない。ほどよいスタンスで見守っている感じが、読んでいて心地よいのだと思う。

  • 『タモリ学』が『いいとも!』最終回とグランドフィナーレの前に発売され、『水道橋博士のメルマ旬報』連載の『芸人ミステリーズ』の中から選りすぐりのものと有吉弘行についての書き下ろしが追加されたこの『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』(←タイトル長い!!!)がほぼ同時にと言える時期に出た事がすでにてれびのスキマという物書きが必要な時に、今しかないというタイミングで書籍を出して単著デビューしたという印象を持つ。

    この二冊は読めばすぐに読み終わってしまう。スルスルと読み進んでいって楽しんで終わる。情報量は多いはずなのに交通整理が巧みにされていてスルーと滑らかに読者に読ませていく。

    お笑い好きな多くの人が読む事になるだろうし、これから出会う人がたくさんいる本だと思う、同時にこれからお笑い関連の本がスキマさんの登場によって変わっていきそうな気配がある。

    『いいとも!』のグランドフィナーレの裏番組で司会をしていたのは有吉弘行がメインを務める『有吉反省会スペシャル』だった。タモリさんがお昼の座から降りるお別れ会にはダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるず、爆笑問題、ナインティナイン、明石家さんまというビッグネームが一堂に会した奇跡が起きていた。
    ただ、見ながらそこにいるお笑いの綺羅星は当然ながらタモリさんとは別の輝きであり彼の変わりにはならないし、それぞれがすでに一等星だった。あの場にいるものが次の座に着くものではないそんな感じがあった。

    という僕の想いみたいに『タモリ学』のあとに出る本のタイトルが『有吉弘行のツイッターのフォロワーはなぜ300万人もいるのか 絶望を笑いに変える芸人たちの生き方』というのはもうスキマさん最高だ、これだこれと思ってしまうわけだ。

    ブログ等で注目されていた書き手が書籍を出すと言うのはすごく夢のある事だし、誰だってブログを始めて文章を書く事が出来る時代だけに実はブログで人気になっても(まずそれが困難なのに)その先の景色を見れる人はさらに、本当に限られている。プロの書き手になれるという意味で。アフリエイトとかそういう手段での儲けじゃなく書き手としての原稿代や書籍の印税やなんかで自立するのは一昔の物書きよりもさらに難しいはずだ。

    もう、熱量をどこまでぶつけて形にできるか巻き込めるか、いやはや巻き込まれるか。
    星座の繋がりを意識すればただの星々の輝きがある像を浮かび上がらせていきそこに物語が生まれる。物語は世界を理解する最良のモデルだ。てれびのスキマさんという書き手はお笑いを通じて僕ら読み手に星々の輝きの繋げ方を浮かび上がらせ方を教えてくれる書き手だから。もう次の三冊目も楽しみに待っている。

  • このタイトルを見て、
     「有吉ってツイッターやってるんだー」
    というのと、
     「300万人もいるのね」
    と思ったから。

    ちなみに、今の時点でのフォロワー数は以下。へぇ〜

    有吉弘行 710万
    松本人志 570万
    きゃりぱみゅ 530万
    ローラ 430万
    はじめしゃちょー 390万

    人気を博しすぎて社会現象にまで発展した「進め!電波少年」の立役者こと有吉の人気に迫る本。当時の有吉たちを見返して面白かったのは、最後の最後にドイツのヤバい店に連れ(釣れ)られてボッタクリ恐喝にあったこと。それくらい?ヒッチハイクは、わたしはチューヤン&伊藤(パンヤオ)の方が断然好きだった。

    タイトルに「有吉弘行」とあるが、有吉については全9章の構成のうち序章と終章にしか登場しない。
    他は、
     オードリー、オリエンタルラジオ、ダウンタウン、ナインティナイン、爆笑問題、ダイノジ、マツコデラックス
    の芸人を各章で取り扱っている。
    といっても、この2章で全体の約1/3ページを割いているので、内容量には申し分ない。
    要は、本のメインは有吉を扱っているが、今人気になっている芸人のこれまでの背景を評した作品。

    タイトル「フォロワーはなぜ300万人もいるのか」についての回答は本書で明示的に謳っていない。といっても、本書は有吉についての詳細が書かれているので十二分に知ることができる。

    この本が面白いのは、何と言っても「出典」。こういう本は信憑性に欠けるものが多い中、芸人の発言した番組や媒体の年月日まで書かれている点がよかった。この著者はテレビや本を読むのが好きなんだなぁ。なお、著者は「てれびのスキマ」。何かの番組名かと思いきや、ブログの名前みたい。


    本書は第三者の書評のため、本人視点での話を知りたい場合は、「有吉弘行」名義で5冊、「猿岩石」名義で多数出版しているので、こちらを参照されたい。

  • 間違いなくこの上半期のベスト!*『タモリ学』はまだ読めてない。評判はハイプじゃなかった!
    「ビジネス書みた
    いなタイトルはどうなの?」とよく言われてているけれど、ビジネス系自己啓発書と勘違いして読んだとしても満足できる内容でしょう。

    みんな地獄を見てるんだなぁ。

    <blockquote>有吉と猿岩石に「天国」なんてなかった。ずっと違う種類の「地獄」ばかりをみていたのだ。(P.52)</blockquote>

    感涙しました。

  • なんとなくはおもしろい。
    とりあえず、あの頃の内Pが見たいんですよ。

  • 誤字多すぎ

  • 面白い。
    こういう記録は必要。

  • 有吉弘行、オードリー、オリエンタルラジオなどの言動を著者なりに分析した一冊。

    この人のブログは定評があるし、実際自分も読んでいるが、これも的確な分析で勉強になった。

  • てれびのスキマさんのメルマガを書籍化した一冊。一般視聴者でも入手できる公開情報を尋常ならざる丁寧さで積み重ねることで作り上げられた“妄想”は圧巻。これぞプロレス的エンタメの楽しみ方!本当にテレビ愛と芸人愛に溢れてる。芸人なんて人格が不完全な方が面白い、と気付かされました。

  • <目次>
    序章   有吉弘行と猿岩石の地獄
    第1章  オードリーのズレ漫才と幸福論
    第2章  オリエンタルラジオの証明
    第3章  なぜダウンタウンはそんなにも客の出来をき
         にするのか?
    第4章  なぜナイナイ・矢部浩之はいつもニヤニヤ笑
         っているのか?
    第5章  爆笑問題・太田光の偏愛、あるいは太田光を
         変えたもう一人のタケシ
    第6章  ダイノジ・大谷ノブ彦のどうかしている“熱”
    第7章  マツコ・デラックスの贖罪
    終章   芸人・有吉弘行のウソ

    <内容>
    芸人たちのテレビ・ラジオの発言、著書のコメントを元に妄想かもしれない分析をした第一弾。しかし的は得ているような気がする。芸人たちの芸の修行ではなく、若い頃の話や家族関係、相方との関係を分析しながら評論していく。彼らの笑いが真摯なものであり、表向きの顔では決して見せない素顔が垣間見える気がするのである。

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