文学としてのドラゴンクエスト 日本とドラクエの30年史 (コア新書)

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  • / ISBN・EAN: 9784864369466

感想・レビュー・書評

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  • 978-4-86436-946-6
    c0276¥880E.

    コア新書019.
    文学としてのドラゴンクエスト
    日本とドラクエの30年史
    2016/12/16.初版第1刷り

    著者:さやわか.
    発行所:株式会社コアマガジン

    著者さんについて
    1974年北海道生まれ、大学卒業後、音楽業界、出版業界での会社勤務を経て、ライターとして、クイックジャパン、ユリイカ、朝日新聞などで執筆
    単著
    ・僕たちのゲーム史
    ・-0年代文化論
    ・文学の読み方
    ・キャラの思考法 等

    カバー袖より
    2016年に誕生30周年を迎えた「ドラゴンクエスト」シリーズ
    ドラクエの作者・堀井雄二は「物語を体験する」ゲームを作り続けてきました。
    あるいは、あなた自身が主人公になることができる文学を書き続けて北ともいえるでしょう。
    その試みは、実は村上春樹や、ライトノベルといった日本のすべてのポップカルチャーの進歩と密接な関係があるのです。
    今、ドラクエが切り開いた新しい文学の地平への冒険が始まります。

    ---------------
    評価低めですが、目次を見た感じ「ドラクエ」を文学とするのが分かりにくいのかな?。
    読むのはこれからですが、ドラクエ30年が2016年 そのあとコロナがあり、オンライン生活もアリ、ずっとゲーム周辺機器は目覚ましい進歩を遂げてきていますから変化がないはずはなく、生活の変化があれば、価値観も変わるでしょうし‥。

    偶然目にして、開いてみるご縁の一冊です。
    「ドラクエ」全シリーズをやったわけではないですが、なんとなく「3」がおもしろかった記憶があります。
    もっと言えば、ドラクエよりスピンオフの「トルネコの大冒険」が好きでした。かなうなら今でも遊んでみたいです。
    ファイナルファンタジーも「チョコボの冒険」の方が好きだから、私のゲームの嗜好としてはロープレよりローグ寄りなんでしょうね。とはいえ、それを知る時代の人なので、楽しみに開くことにします。

    おぼろげな記憶にマンガ「ダイの冒険」とか「小説ドラゴンクエスト」とかあったような気がするんだけどねぇ…。

    ----------------------
    読み終わり、評価が低いのが、なんとなく伺えました。

    多分著者さんは村上春樹が基準の人なのかな・・?その基準を持たない人には「何言ってるんだか分かりづらい。
    スナックのカウンターで、しみったれた常連で、人の話を「要するにぃ~」って話の腰を折る人と似てる。
    「要するにこういうことです」「つまり簡単に言えば」などの言葉が度々ありますが、全然纏まりになってない。
    自分の前の著書に書いた部分は「別の著書を読んで」とあるけど、著者(と、その著書を読んで覚えている人)が、わかっていること と「たった今読んだばかりの読者がわかっていること」を同一視しているのか、その部分がわからないまま話が進む。
    そのため、私は取り残されてしまい、共感も、そういう考え方も有るのかなどの気づきがない。

    物語、アニメ、漫画、文学などと比較して「ドラクエシリーズ」の変化を追っているようだけど、どれをとっても「自分があんなに夢中になって遊んだのは、こんな理由が有ったんだ・・」とは全然思わない。

    この本を読んで、得たものは、村上春樹って人がどんな感じの本を書いていたのかってこと位。
    「村上春樹氏と堀井雄二氏はあの時代の・・」ってことにしたいようだけど、他にもゲームは有ったし、本も出ていた。

    「自分の好きな著者さんと、自分の好きなゲームを作った人の話を猛烈にさせてくれ!!」というのではなく、なんとなく上からの目線で、「実は世の中こんな流れになっていたんだよ、キミ 気がついていたか?」みたいな感じで、楽しくもなければ
    共感もできなかった。
    著者さんはドラクエを作った堀井雄二氏は「物語を体験する」ゲームを作り続けてきた。と、言いたい。のだろうけど、ぜ~んぜんそうは思わなかった。
    物語を体験したかったからドラクエしたのか?と言われたら答えは「はぁ?」である。

    しかも、物語=村上春樹作品ではないと私は考える。
    村上春樹氏はハルキストと言われる人々がいるように、他の著作業の人では伝えられないものがあるらしい。だからそれが彼の価値なんだけど、つまりは一般的でないがゆえの強みの部分を持つ人を一般論の基準にされても理解が困難になる。

    評価は、共感なく、得るものは期待したものではなく、楽しくもなかった。ので。
    2016年出版物で、このあとコロナが有って、ドラクエは現在爆死状態にある噂も聞く。果たして・・・。

    あ、ポートピア殺人事件とオホーツクに消ゆ のゲームがしたくなりました。
    どんなゲームでしたかね?ソフトは中古屋さんに有るでしょうか?ゲームの機の本体が〈多分ファミコンかな?スーパーファミコンかな?)無いなぁww


    ポストモダン:社会全体で共有できる大きな価値観が消失した時代(1989年~1995年)

  • イマイチ。文学の何たるかを知らない立場での印象ですが、文系のこじつけを感じました。

    1995年に起きた阪神淡路大震災と、同じく1995年に発売されたドラクエ6が、大地だとか混沌とした時期だったとか、無理やり符号させようとする論調は、幽霊を信じる心理とよく似ていると思います。

    ドラクエ7や8が3D化したことについて、従来のシンプルさがあったから物語に集中できたのだとすると、演出が豊かになったために物語そのものはさほど凝らなくても構わなくなるかもしれない、などと簡単に破綻する文章を読ませる。実際、その後に、自分で否定する。稚拙なマッチポンプ。

    「ゲームの冒頭が島から始まる」ことは堀井雄二が淡路島出身だという出自を彷彿とさせる、というようばことを書いているが、いやいや、ドラクエ1は島という発想はなかったと思いますが…。ストーリーの規模を大きくするに当たっては、島からスタートして世界を広げるというのは、島育ちでないと思いつかないものか? こじつけでしょ。

    p.190で、批評家の大塚英志という人が、「ミッキーマウス的な非リアリズムで描かれたキャラクターに、リアルに傷つき、死にゆく身体を与えた」のが日本的なキャラクター表現で(正直よく分からないが)、これがドラクエにも当てはまると言う。一方、p.216では、堀井雄二が「死んだとしてもGAMEOVERになるだけ」と言ったことを受けて、これが大塚英志が言った「リアルに傷つき、死にゆく身体」がないということに近いと言う。死にゆく身体を「与えた」ことに当てはまり、死にゆく身体が「ない」ことに近い?? どうしても一貫した記述になっているとは到底思えません。

    オンラインゲームとなったドラクエ10を「堀井の理想が叶った」としても、最初期からやり込んだプレイヤーには、ドラクエはオンラインではない方が良い!という意見を持つ人もいるはずです。故淡路恵子さんは、オンラインとなったドラクエ10を酷評していましたし、結果、続編のドラクエ11はオフラインに戻りました。ドラクエ10が失敗作だとは思いませんが、ドラクエらしさがないのはドラクエ10であって、筆者が言うドラクエ9ではないのだと思います。

    結局最後まで読みましたが、こじつけに継ぐこじつけばかりに感じられ、こんなに論理的に通底するものがないのに、それでいてドラクエに通底するものを描こうとするのだから、無理筋だと思いました。借りて正解だった。

  • この本の中で少なくとも『文学としてのドラゴンクエスト』は語られていない。
    最初と終章だけにやたらと“文学”という言葉が乱発されているだけ。

    “だそうです。”、“でしょう。”、“と思います。”の言い切れない文書が多く、言い切っているところは、既に公になっている事実のみ。(ドラクエファンなら誰でも知ってるレベル)

    単なる個人的な自由研究の成果発表だな、こりゃ。
    とても残念。

  • とりあえず別のテーマにかこつけて村上春樹を語るのはちょっと勘弁してほしい。そういうのはタイトルで宣言してくれないと。なんか、語りたくなる作家なんだろうなということは理解できるんだけど、村上春樹について前提のない人には色々厳しい。

著者プロフィール

ライター・評論家・マンガ原作者。1974年北海道生まれ。大学卒業後は、個人ニュースサイト「ムーノーローカル」を運営(1999年~2001年)しつつ、音楽業界・出版業界での会社勤務を経て、ライターとして執筆活動を開始。小説、マンガ、アニメ、音楽、映画、演劇、ネットなどについて幅広く評論する。著書に『僕たちのゲーム史』『一〇年代文化論』(共に星海社新書)、『キャラの思考法』(青土社)他多数。マンガ原作に『qtμt キューティーミューティー』(作画・ふみふみこ/スクウェア・エニックス)がある。

「2017年 『僕たちのインターネット史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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