鬼は笑うか (マーブルコミックス)

  • ソフトライン 東京漫画社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784864422437

感想・レビュー・書評

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  • タイトルがいいです。
    前作もよかったけど、この話はもっとツボにはまりました。
    うるっとさせられて、きゅんとさせられ、笑ってニヤつけました!

    テーマがBLなのに「生理」で、冒頭からその話でこれはもしや今流行りの…と、あれこれ勘ぐってしまいました。
    柏瀬くんにはそんな雰囲気があるんですよね~
    主人公が中坊同士で最初はびっくりしてしまいましたが、実はデリケートな思春期という時期に漠然と知っているだけの拙い性知識というものが、ストーリーの重要な役割を果たしていたので納得。
    恋愛とも言えない未熟な気持ちからだけど、一緒にいてあげたい!一緒にいてほしい!と思える相手にめぐりあった中学生の星谷と柏瀬です。

    正直、また痛い話かなとも勘ぐりました…w
    オメガで痛かったらかなりヘビーだな~と思ってしまったんですが、いい意味で期待を裏切られました。
    タイトルがすごく利いています。ホントに鬼が笑っちゃいますw
    もちろん、センセらしくかなりの痛さとか恥ずかしさもあるんですが、胸キュン成分の方が大量です。
    一冊まるごと星谷と柏瀬の話で、彼らの中学時代から10年後まで繋がった構成になっているので読み応えがあり、読み終わった後はじわじわくるものが…!満足できます。

    エロ的にも二人の関係の中でとてもナチュラルに進んでいるので、萌えまくりました。
    性知識が中坊時代漠然とし過ぎていた星谷が、高校生になっても天然かと思ったらHENTAIに目覚めていて笑ったんだけど、その後めちゃくちゃ泣かされました…!
    星谷はほんとにやさしくてイイ奴です。彼の家族もみんなすてき。柏瀬がこれからはずっと幸せになれると思える描き方が絶妙です。
    特に初回特典ペーパーはとてもほんわかできて、こっちまで嬉しくなってしまうくらいでした。

  • 彼らのもがく世界観が魅力的で最後に泣きながら自分たちの終焉を迎えるかのような描写はすごく胸にきました。そして当たり前かのようにそうなにかあるわけでもなくなにごともなく過ごしている二人にホッとしました

  • 後半の闇が深くでゾクゾクした。

  • 本編は痛さを伴う切なさでジンジンするけれど、カバー下やペーパーのおまけ漫画がわいわいと幸せなのでほっこり。ずっと幸せが続いて欲しい。

  • すごい。
    BLでここまでやるか!?というネタがゴロゴロ入ってる。木村ヒデサト先生はやっぱりすごい。
    最初はインターセックスネタなのかなとちょっと身構えながら読んでたけど、そういうフックから入って性に関するあらゆる普通とか、タブーとかを考え直す内容になってる。
    そしてこんだけ重いテーマを扱い、途中すごいシリアスなのに最後のウルトラスーパーハッピーエンドなのもすごい。木村ヒデサト先生の世界は優しい世界なんですね。いいものを読んだ。

  • BLだけど生理ネタです、といっても結果的には痔の言い回し替えてるだけですけど。
    クラスで浮いている柏瀬が体育教師にさせられていることを倉庫で目撃してしまって以来、柏瀬のことをやたら意識してしまう平凡な少年の星谷。男子なのに生理だと口にしたり体育倉庫で隠れてとんでもないことしてたり…けれど関わっているうちにそんな柏瀬もちゃんと男の子で寂しくて怖いものがあって、誰かを好きだと思っている、そんな普通のことを知っていきます。
    両親の愛に恵まれ純粋な星谷と親に虐待され先生にすら気持ちを踏みにじられ色々捻じれた柏瀬の対比も好きです。
    一冊完結ですが中2の少年らしさを醸すやり取りから始まり、大きくなった後のくだりまでが丁寧に描かれていて、彼らなりの言葉で紡がれる思春期特有の独特で絶妙な雰囲気、そして特に超展開にはならず涙の別れもありそうでない、まるで磁石みたいにくっついたままずるずる時が過ぎている流ががとてもよかったと思います。

  • 表紙とタイトルからホラーかな、と思ったら違ってた。青春のゆっくりした愛の話。キラキラしてて痛い思春期からゆっくり時間が流れていく。ストーリーに説明が足りない部分もあったけど、一貫した雰囲気で凄く好きです。

  • やさしい家族の中で育った平凡な少年×クラスで浮いているいつも屋外体育は見学の少年、中学から大人になるまでの同級生BL。

    思春期やネグレクト、淫行など前半は大人からの抑圧だったり、二人それぞれ担任教師の優しさに救われていたり執着があったりするシリアスな展開なのですが、真逆なのに似たような後ろ暗さを抱えて互いの望む未来がないように嘆く。けれど気づいたら三年、また三年……と何やかんや友達しつつ普通に恋して幸せに生きている二人。
    思春期などの出口のないような不安な気持ちに明確なキリがあるわけではなく、ただ経験が積み重なるうちに自然な形に収まっていく様子が伺えて、二人とも散々迷走はしているのに一冊で見るとめちゃくちゃ綺麗にまとまったドラマのようにも思います。(カバー裏までも然り)
    初回ペーパーが星谷父との約束を果たす流れで、星谷アットホーム体験をする柏瀬なのですが、これも含めて最高の一冊なのでこれが初回だけの特典なのが少し勿体なくもあり……。
    ともかく、生きるのは時に悲しいけどなんだから一生仲良く楽しい家族をしててくれ、と思いました。

    20210722:読み直したので併せて改稿しました。

  • これってかなり重い話だと思うんですがわりと明るく描かれてるからか皆さん高評価だし、最後は甘々でよかったよかったなんですが、どうしても「痛そう」というのが引っかかってしまってました。
    これ絶対「痛そう」じゃなくて「痛い」し、それをなんでもないことのように言う柏瀬が痛々しい。
    妊娠ネタは笑っていいのか困惑するところなのか…
    3年後があってよかった。

  • 「マリアボーイ」が好きで、「おれ、被害者。」買ったらちょっと想像の先を行っていて引いて、でもこの作品はめちゃくちゃ好きでした…。好みど真ん中だ…。

    男の子の生理?オメガバース的な…?と思ってましたが違いました。そんな要素はほんのちょっとだけありますが。

    木村先生の描く漫画には大抵何かしらどこかしら闇を抱えている子が出てきて、救われたり救われなかったりだけど、今回はほんとに幸せになってくれてよかったです。
    中学生っていう本当にアンバランスな年頃に出会った2人が一緒に大きくなっていって、考えることも増えたり広がったり…終盤はちょっと涙ぐんでしまった。

    おれ、被害者。でウワ…と思っちゃった方でも大丈夫だと思います。気になっているなら読んで損はないですよ。

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