- Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
- / ISBN・EAN: 9784864511353
作品紹介・あらすじ
世の中の528Hzについての誤解を解き明かす!調律師であり、音楽家であり、スピリチュアルに精通した人ならではの、見破れる真実!「音」のもつ面白さ、深さに、引き寄せられます!
感想・レビュー・書評
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タイトルの528Hz(ヘルツ)は、ヒーリング効果が高いとされている音の周波数です。
1Hzは、一秒間に一回の振動数のことで、528Hzは一秒間に528回振動している周波数になります。
このヘルツの不思議な効用についてまとめた本。
著者は調律師であると共に、スピリチュアル系の人であるため、内容も前編と後編でそれぞれに分かれています。
音楽に携わっている人ならだれでも知っている音叉。楽器の調律に使われますが、19世紀までは、音の高さを測る機械がなかったのだそう。かなり近年までなかったことになります
日本の音叉は、音楽ではなく脳外科の診察に使われる医療用の音叉が始まりだったとのこと。
ヤマハもカワイも、会社のマークはよく見慣れていますが、ヤマハは音叉が三本交差し、カワイは四本の音叉を楕円状の輪にしたデザインだとは、気が付いておらず、それぞれのマークを見直しました。
音叉は繊細で、ポケットに入れていると、ピッチが狂ってしまい、同じ調律師が同じ音叉を使ってもも、北海道と九州では音が違うのだそう。
チェンバロを1時間前に調律し終えたら、早すぎると怒られたという著者。
演奏の30分前あたりから調律しないと、再び音が狂ってしまうのだそうです。
それでコンサート直前までピアノ調律師がステージに出向いて音を確認しているわけですね。
ヨーロッパでは、コンサートの際に一番先に調律師の名前が書かれ、その次に演奏者の名前が来るのだそう。
調律師によって音が違い、それによって音楽も変わるため、コンサートの目安にする聴衆も多いのだとか。日本ではない決め方です。
アメリカのフェンダー社の442~444Hzを基本ピッチにしたキーボードが流行ってから、世の中の音楽は、ほとんどその周波数になっているとのこと。
クラシックは442~444Hzで歌謡曲、ポップス、ロックは441Hzはだそうです。
528Hzの音楽を聴くのは難しく、シンセサイザーの打ち込み音楽くらいでしか聴けないのだそう。
528Hzの周波数のつもりでも、すでに音叉の音からずれたり、夏と冬、室内と外で音が変わることがあります。なかなか確実に知る機会が少ないのだとのこと。
そこまで繊細なものとは思いませんでした。
528Hz関連の本は結構出ていますが、スピリチュアル系の内容がほとんどで、実質的な情報を得るに困る状態となっていますが、この本は調律師による専門的な情報が紹介されています。
音のピッチは不変ではなく、調律が、精密な音の矯正ではなく、感性による芸術的な営みだと知りました。詳細をみるコメント0件をすべて表示