良識派 vs 常識派で徹底分析 これが日本経済<<世界「超」最強>>の仕組み なぜ日本は世界とこれほど違うのか

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  • ヒカルランド (2013年2月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864710978

良識派 vs 常識派で徹底分析 これが日本経済<<世界「超」最強>>の仕組み なぜ日本は世界とこれほど違うのかの感想・レビュー・書評

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  • マクロ経済への理解がとても深まった。マネタリーベースで為替が決まる訳じゃないなんて。。

    ・三橋:自由貿易というのは、基本的に昔は帝国主義者が使っていた言葉です。今もそうかもしれないけれど。それでどうなったかというと、インドにワーッとイギリス製品が入っていった。インド側は家内制手工業でつくっていたので生産性の差でまったく太刀打ちできず、インドの工場は全部つぶれました。
    ユーロもそうですけれど、生産性が高い国と低い国が関税撤廃、あるいは為替レートを固定にすると、生産性の高い国が儲かるだけなんです。そう考えると、ユーロとは高生産性国の搾取システムという側面もある気がします。
    百歩譲って、フランスとドイツとルクセンブルク、ベルギー、オランダの5ヵ国での共通通貨というのならわかるんですよ。各国の生産性がだいたい同じだから。ドイツは確かに製造業の生産性が高いですが、それでもフランスはフランスで農業とか原発とか、特色がある。でも、そこに生産性が格段に低い南欧の国を入れてしまったという時点で、実はユーロ圏内で、イギリスがインドに対してやったことを繰り返そうとしている人たちがいるのではないかと。

    ・三橋:ギリシャには自動車産業がないんです。あそこの国民は消費が大好きで、GDPの7割以上が消費です。さらに車社会なのに、自動車産業がないんです。本気でギリシャが自動車産業をつくろうとしたら、まずは関税を挙げる。関税を上げ、かつ為替レートを安くすれば、あれだけ車を欲しがっている人がいっぱいいるわけなので、自動車産業が興隆すると思います。
    ところが、現在のギリシャはその武器を両方とも奪われているんです。ギリシャはユーロ加盟国、EU加盟国ですから、関税をかけられない。為替レートも対ユーロで変わらず、どうにもならない。

    ・岩本:円高もそうなんですが、結局、何か原因があってその結果が円高や円安のような経済現象として現れているわけです。結果自体に原因を求めても、解決にはならないと思うんです。今、結果の方を皆さん見ていますが、むしろそっちじゃなくて原因のほうを追究しないと。

    ・岩本:なぜ日本はデフレなのかという根本的な話なんですけど、1990年代ぐらいは、先進国の価格の収斂が起こっていて、先進国同士での価格調整が起こっていました。物価の高い日本は低くなるように調整が入らざるを得ない。それが2000年代になるとになると、2001年に中国がWTOに加盟したことによって、今度は先進国と新興国との間の価格収斂も起き始めた。先進国の間だけだったら多分90年代で調整は終わっていたはずなのに、中国が入ってきてしまったことによって、国家間の価格調整が長引いて、デフレが日本ではまだ続いている。
    日本経済はこれまで失われた20年となり、デフレの状況下に実際にいる日本人には実感として分からないと思いますけど、デフレでこれだけ価格が下がっても、それでもまだまだ日本の物価はほかの国に比べて圧倒的に高いんですよ。
    スイスの大手銀行であるUBSが2012年9月に発表した世界72都市の物価ランキングではノルウェーの首都オスロが1位。スイスのチューリヒが2位、東京が3位だった。結局、デフレというのは、非常に大きなスケールの問題として、新興国との価格調整みたいなものがあって、今でもまだ調整済みじゃないという側面が1つあるかなと思うんです。

    三橋:物価と所得は同じですよね。ようは、主要国の所得が低位層に接近してくるわけです。

    ・三橋:日本のマネタリーベースで円高、円安は決まるのか、というとこれは疑問です。

    岩本:2004年から2007年のドル・円については、実際にはマネタリーベースでは説明がつかない。修正ソロスチャートといって中央銀行の当座預金の分をひいたら、もうちょっとうまく反映していると言うんですけれど、実際に取引していた実感としても、マネタリーベースでは為替レートは決まらない。
    実はユーロ・ドルでの説明もつかない。2004年の前半から2008年ぐらいまでは、欧州のほうがFRBより資金供給をしていました。この通貨の量を増やせば通貨安になる理論でいくのであれば、ユーロ安にならなきゃいけなかったんですが、この期間はユーロ高になっているので、これでは説明ができない。必ずしもマネタリーベースでは為替は決まらないと思います。

    三橋:多分マネーストックでも決まらなくて、マネーストックからきちんと物価に影響を与えた日本円の量で決まるんじゃないかな。
    なぜかというと、インフレ・デフレの違い、つまり物価上昇率の差が出てきて、実質金利が動くから。でもこれは統計的には、ちょっと把握できないんじゃないでしょうか。ようは、銀行に預金があります。このうちのいくら分が物価に影響を与えるカネで、それ以外はいくらであるかを把握できるのか。

    ・三橋:マネタリストのなかには、例えば「GDPの成長に合わせて通貨を発行していきましょう」などと、明確な決まりで通過を発行するべきといった考え方がある。どういう不確定要素があるかわからないから、これは私は絶対うまくいかないと思う。
    …日銀の利益は国庫に納付されています。だから、政府が日銀の国債に金利を払っても、戻って来ちゃう。あれはムダなオペレーションだからやめたほうがいい。

    ・これが最終的にどこまで行くかというと、多分日本は自力で高層ビルがつくれなくなる。そんな先の話しじゃなくて、20年後くらいに。なぜかというと、高層ビルは、鉄筋を結びつけていく部分にかなり特殊な技術が必要で、人手でやるしかないんですね。ロボットには絶対できない。この技術者の平均年齢が60歳を超えている。本当にそうなんですよ。だから、20年後どころじゃなくて、10年後には技術者がいなくなっちゃうかもしれない。
    これは、一番わかりやすいんで毎回話しているんだけど、こういうのが全産業で起こるのがデフレです。そのうち物がつくれなくなる、サービスが供給できなくなるという形でデフレが終わる。その後は間違いなく悪性インフレです。

    ・三橋:ドイツにしても、輸出依存度が40%を超えているんですよ。ヨーロッパの盟主とか威張っているけど、逆です。ドイツこそがヨーロッパに依存しているんですよ。輸出先の7割がヨーロッパですからね。それで何が盟主ですか。メチャメチャ欧州に依存しているんじゃないですか。今、ヨーロッパの市場から締め出されたら、ドイツ経済は成り立たなくなります。GDPの40%が輸出で、その7割がヨーロッパですから、3割近いGDPが吹っ飛ぶんですよ。どれだけ脆弱なんだという話です。

    ・三橋:北欧のノキアとかが目立っているのは当たり前ですよ。外国のグローバル市場を相手にしているのは、ほかに市場がないんだから。自国の人口は600万、700万くらいしかいないですから。日本の評論家って、それと日本を比較しちゃうからイヤなんですよ。日本と比較するんだったら、せいぜいがドイツですね。あるいはアメリカでしょう。ドイツは40%のGDPの7割がヨーロッパへの輸出ですよ。しかもどの国もバブルが崩壊して、日本が今さらどこに輸出しろというの?中国?
    結局、内需でやるしかないんです。

    ・三橋:典型が、公共投資というか建設産業。日本にとっての建設産業って、各地域にないと困るじゃないですか。自然災害が頻繁に起きるんで。ところが、アメリカは違いますよね。アメリカが新古典派的に建設企業同士をバリバリ競争させて、淘汰していく。これは勝手にやればいいんだけど、日本は同じことができないわけです。なぜかといえば、自然災害が多いから。

  • 経団連に対する皮肉が面白い。自分の頭でもっと考えなければなあ。

  • 2013/10/04:読了
      岩本沙弓さんの話が為になった。
     『新・マネー敗戦』 は、読んでみよう。

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20年デフレの最大の問題点は、物価下落以上の所得の減少。民間は国内に投資しても儲からないと思っている。誰もお金を使わない今だからこそ、政府は内需を喚起するために、行動を起こさないといけない。安倍政権に突きつける「日本国民の、日本国民による、日本国民のための経済処方箋」。

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