反官反民 中野剛志評論集

著者 :
  • 幻戯書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864880015

作品紹介・あらすじ

この厳しい時代には、世論の不評を買ってもやらなくてはいけないことがある。政治家には選挙があるし、企業は利益を上げなくてはいけない。官僚だけが世論に抵抗できる。なのに経産省は、ずっと世論に迎合してきた。思想の確かさは、具体的な事象への判断によって試される。たった一人の闘い、その10年の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 中野剛志氏の2002年〜2012年の間に発表した言論をまとめたもの。現役官僚でありながら、執筆活動を続けている。
    筆者の、「思想の確かさは具体的な事象への判断によって試される」という言葉、表現の大切さを実感できる本。
    10年前ほどの言論ではあるが、今読んでも、非常に勉強になる。

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    ...この厳しい時代には、世論の不評を買ってもやらなくてはいけないことがある。政治家には選挙があるし、企業は利益を上げなくてはいけない。官僚だけが世論に抵抗できる。でも、経産省は不要論を恐れるあまり、ずっと世論に迎合してきた。
    ...私は経産省から大学に出向中の身分でtppを批判するので、好奇の目でみられたり、心配されることが少なくありません。しかし、公益に奉仕する国家公務員が、自由な学問の府である大学に出向したら、公益のために発言するのはむしろ当たり前であり、それこそが私に課せられた義務ですらあります...たかだかtpp批判程度の義をみてするのに、たいした勇もいらないのです。...



    ※読書メモ

    マキャベリズムのすすめ-対米自立への第一歩、社交論、自由と民主合併の条件、規律と道徳、政治と宗教、現実主義と保守主義、裁判員制度を裁く、日本において保守は可能か


    表現について、全体主義体験記、天皇制の政治論理的基礎、危機を乗り越える精神、マスメディアと大衆


    脱・官僚支配指南、国債はツケではない、外国人参政権より深刻な国家的危機、政治とカネ、法人税パラドクス、二十一世紀の先進国病


    東電批判はお門違い、ショックドクトリン、原発事故が明らかにした思想の危機、経済安全保障省めざせ、tppなど、さっさと見送れ!、大阪維新と批評精神、日本人の本当の敵、道州制導入論の誤り、今こそ旧い自民党の政治を!

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著者プロフィール

中野剛志(なかの・たけし)
一九七一年、神奈川県生まれ。評論家。元京都大学大学院工学研究科准教授。専門は政治思想。九六年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。二〇〇〇年よりエディンバラ大学大学院に留学し、政治思想を専攻。〇一年に同大学院にて優等修士号、〇五年に博士号を取得。論文“Theorising Economic Nationalism”(Nations and Nationalism)でNations and Nationalism Prizeを受賞。主な著書に『日本思想史新論』(ちくま新書、山本七平賞奨励賞受賞)、『TPP亡国論』(集英社新書)、『日本の没落』(幻冬舎新書)、『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』『全国民が読んだら歴史が変わる奇跡の経済教室【戦略編】』(ベストセラーズ)など多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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