ドン・キホーテの消息

著者 :
  • 幻戯書房
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864880992

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  • 行方不明になった老人を探す探偵/お供にサンチョを連れた騎士ドン・キホーテ。それぞれの遍歴を多層的に描いていく。これはSFなのか。哲学だと言われたら「はあ」と答えるしかないし、もしかしたら怪奇小説かゾンビ小説かもしれない。
    探偵の足取りは次第に騎士の足取りと重なり、滲んで、溶け合うかと思えば分離する。そして混じり合うのは単純な二つの層だけじゃない。これは文字通り、引き込まれる。メタはメタでもどこまで越えて巻き込めば気が済むの。
    序盤はなんとなくぎこちない?ように感じたけど、それも次第に深まる混乱とのくっきりしたコントラストになってしまう。それくらい後半の語りが圧巻。
    とにかく騙されたと思って。騙されはしない全部わかってるんだと思いながら騙される。騙されたい。だからメタフィクションは気持ちいい。

著者プロフィール

1977年東京都生まれ。学習院大学文学部卒業。2007年『ジャン=ジャックの自意識の場合』(徳間書店)で日本SF新人賞を受賞しデビュー。2010年、『ハムレット・シンドローム』(小学館ガガガ文庫)でセンス・オブ・ジェンダー賞・話題賞受賞。その他の著作に『ゴースト・オブ・ユートピア』(早川書房、2012年)。


「2016年 『ドン・キホーテの消息』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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