無声映画のシーン

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制作 : 木村 榮一 
  • ヴィレッジブックス (2012年8月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784864910057

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無声映画のシーンの感想・レビュー・書評

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  • 発展も成長もない、ただ断片が続き、永遠の向こうからこちらを見返してくる視線に、語り手は、とらわれるでもなく、注視している。
    普通に考える小説という概念から少しはずし、続いていないわけでもない、続いているとも言い切れない、何かしらの発見も飛躍もない、なのにどうしてこんなに不思議な読後感が得られるのか。
    文体、着眼点。どこから郷愁が湧いてくるのかはほんとうに不思議。
    ゆっくり読み直すこと。

  • 黄色い雨の後に興奮して読んだが、黄色い雨が良さすぎてピンとこなかった。でも楽しい。

  • 28枚の写真を頼りに、少年時代12年間過ごした炭鉱の町での出来事を思い返すノスタルジー溢れる作品。
    自伝のようであって自伝ではない作風で、淡々とした語り口で慣れるまでに時間がかかった。
    しかし、読み終える頃には一本の映画の如く壮大なストーリーへと変貌していく何とも不思議な小説だった。地味だけど、珠玉の1冊。

  • 「彼らが誰なのか思い出せないし、彼らが誰で、何をし、死んだのかどうかさえ分からないが、写真がある限り彼らは生き続けていくだろう。というのも、写真は星のようなもので、たとえ彼らが何世紀も前に死んだとしても、長い間輝き続けるからだ。」

    記憶にかかる靄。時間という映写機の歪んだ焦点。過去の思い出に光が差し込み、遠く離れたところからぼくを呼ぶ声が、たった今聞こえているかのように耳の中でこだまする。深い淵の上にかかる橋。時間の深淵を越えるに際して覚えるめまい、同時に捕らわれるもの悲しさ。

    ――今では雪にいなっている母に――

    作中の『ぼく』のもとに送られてきた1957年から1969年までの、かつて住んだ鉱山の町オリェーロスと、そこに生きた人たちの姿を映した30枚の写真。
    そこから紡ぎ出される、回想でありながらフィクション。それは町の住民、鉱山労働者、外国人狼奏者、旅芸人や楽団員、写真屋が織りなす過ぎた時代の肖像。
    虚実のはざまで揺れる短い物語集。

  • 全編これ「喪失」の物語のさまざまな変奏である

    写真 映画 記憶 死 生 …

    周到に選ばれた、喪失を語るメディアのかずかず

    それはとりも直さず、人生がいかに失うことに彩られているかということを語ることなのだ

  • 虹をつかむ男そのまんまだけど,何で国も時代もこんなに違っても懐かしさを感じるんだろうなぁ。テレビの話がいちばん好きかな。鉱山労働のことを考えさせられたり,深い。朝日の書評も素晴らしい。

  • 母がのこした、著者の子供時代の30枚の写真から、故郷の炭鉱町に思いをはせる連作集。
    「言葉を蒸留する」と著者自身が述べる文章は詩的だけれど、とても穏やか。

    あとがきで訳者の木村榮一さんが述べているように、この本を読みながら、私自身の故郷の人々のことを思い出しました。
    白と黒でおおわれた炭鉱町でない、日本の小さな田畑が点在する方田舎だけれど。
    あの人たちは皆どうしているだろう。

  • 表紙がええわ、

  • 第3回(2013年度)受賞作 海外編 第7位

  • 前にある三十枚の写真。スペインの今は廃坑になった町オリェ-ロスでのぼくの最初の十二年間がつまっていた。そこには、少年時代の淡い思い出や哀惜の記憶が思い出されるものだった。

    __自伝と思うような文体だが、冒頭でフィクションだと前置きがあるくらい、写真の中での記憶が鮮明に描かれている。派手なストーリー展開というよりも、その時代のオリェーロスの栄枯盛衰や、少年が次第に大人へと成長する様を写真というアイテムを通して描き出している。

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無声映画のシーンの作品紹介

この30枚の写真は、ぼくが切なく楽しい少年時代に帰る招待状だった。『狼たちの月』『黄色い雨』の天才作家が贈る、故郷の小さな鉱山町をめぐる大切な、宝石のような思い出たち。誰もがくぐり抜けてきた甘く切ない子ども時代の記憶を、磨き抜かれた絶品の文章で綴る短篇集。

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