デッドプールが何かを殺害しまくる「キルロジー」三部作の2部・3部が収録された一冊。
第1部と言える「キルズ・マーベルユニバース」がダーティな作風で、その非道さを楽しむような話であったので同じような感じかと思いきや、どちらも雰囲気がまるで違ってとても興味深かった。
デッドプールが古典文学の登場人物を殺害して回る「キラストレイテッド」は、一方的な虐殺ではなく抵抗する様子が見られるため、古典文学のキャラクターたちの個性的に振る舞う様子が読んでいて面白い。自分がもっと古典文学に親しんでいたらもっと楽しめたかもしれない。ところどころマーベルキャラクターにイメージを重ならせる(個人的にはこれはもっとやってほしかった)のも楽しい。
第3部となる「キルズ・デッドプール」は普段親しんでいるデッドプールが出てくることも相まって雰囲気がガラッと変わる。様々なモチーフの並行世界のデッドプールたちは一目見るだけで笑いにつながるキャラクターもちらほら。そんなキャラクターたちが殺し合いをして妙な結末を迎えるもんだからたまらない。第3部だけでも色々な人に読んでほしいと思えるほどである。