ズレてる支援!――知的障害/自閉の人たちの自立生活と重度訪問介護の対象拡大

  • 生活書院
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784865000450

作品紹介・あらすじ

『良い支援?』刊行から7年。使わせてと訴えた「重度訪問介護」の対象拡大が実現する中、あらためて問われているものとは何か!支援を使って、地域で自立した暮らしをしている人がいること。集団生活ではなく一対一の支援をモデルにすること…「支援」と「当事者」との間の圧倒的なズレに悩み惑いつつ、そのズレが照らし出す世界を必死に捉えようとする「身も蓋もない」支援の営みの今とこれから!

感想・レビュー・書評

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  • 結構以前に出版された本ですが、今も「ずれている」と思うことが多く手に取りました。サブタイトルにもあるように出版当時対象拡大された「重度訪問介護」についての内容が重点となっていました。
    しかし出版から8年経った現在でも当時とあまり支援については状況が変わっていないのではと感じられます。地方格差や支援員(介助員)の経験値や人格によるレベル差がかなりあって思うような支援を受けられていない現状があるように感じられます。

    本書の内容については現場の(当時の)リアルが赤裸々と言ってもいいくらい著されていてとても参考になることや考えさせられることがありました。
    特に個人的には第4章の自閉症の人とのズレについては目からウロコというか、とても衝撃がありました。これこそリアルだなと。自分も身内に自閉症の人がいますがこういう「ズレ」を認識することはなかなか難しいと思います。別の視点で事象を見るという姿勢を持たないと誤解をしたまま当事者も支援者もつらく苦しいまま過ごす状態が解決しないことがあるという発見がありました。これは思ったこともなかったので貴重な知識となりました。
    まだ第5章の「ズレ」に対する考察も、とても現場的な話で支援の難しさということを考えさせられました。

    内容としては決して古くなく、むしろ現在的問題点を考えさせられる一冊だと思います。知的障害/自閉の人と何らかの関わりのある人は読まれることをおすすめしたい一冊です。

  • 障害者の具体的な事例、一日の様子などがたくさん書かれている。障害者の親の視点・障害者の視点にたって現在の問題点、理想を訴えている。

  • p135
    支援のわかりやすさはとても重要。そのために形にしていく必要がある。どれだけ本人とともに納得した形の支援をつくり引き継いだとしても、その経緯や経過、状況なども含めて引き継がなければ、支援の引き継ぎにはならない。
    (岩橋)

    p174-175
    施設職員化ー
    介護者が指導的な視線や言葉遣いになる。本人の希望より親の意向(食べ過ぎ、怪我予防、お金の使いすぎなど)優先して介護。本人の希望にできるだけ沿って介護する「見守り」ではなく、問題行動をさせないための「見張り」が役割だと勘違い。
    (末永)

  • 369.28

  • 学術的な本ではない。だが、エッセイでもない。ズレてるということに気づけ、ということが主張であるらしいが何がどれほどズレていてズレているときにどうすればいいのか、については自分で考えろ、と言っているようだ。

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