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アンソロジー カレーライス!!の感想・レビュー・書評

  • いやぁ~、お腹空いた~!( >_<)

    エッセイの間に挟まれた様々なカレーの写真といい、
    真っ黄色な紙といい、
    著名人たちの好きが溢れたカレーエピソードといい、
    これでもかーっ!と
    まさにカレーライス一色な一冊です(笑)

    いまや日本の国民食と言えるカレーだけに
    それぞれが熱く語るエピソードにもみな愛が溢れているし、
    読むたびに顔がにやけてお腹が鳴り出します(笑)


    僕が印象に残ったエピソードを挙げると、

    両親が離婚し、親戚の家に預けられた私に洋食屋のカレーライスをご馳走してくれた小学校の先生の思い出
    『カレーライス / 池波正太郎』、

    カレーと強く結びつく厳格な父親の記憶。
    父親の威厳を再確認するための
    家族とは別ごしらえの辛いカレーと父親にだけ付くコップの水の話は分かるな~(笑)
    うちも父親の食事だけかなり豪勢だった記憶があります(笑)
    『昔カレー / 向田邦子』、

    母親が寝込んだときだけ食べられる
    「喫茶・おばちゃん」の
    片栗粉でトロミをつけた異常に甘いカレーの話に爆笑した
    『子供の頃のカレー / 中島らも』、

    カレーを五口で豪快にかっこみ、
    食後にタバコを一服する好きだった男子の姿に妙にときめきを覚えたという
    『カレーと煙草 / 林真理子』、

    世界の小津が監督になれたのは、
    実はライスカレーのおかげだった!(笑)という驚愕の裏話が面白い
    『処女作前後 ライス・カレー / 小津安二郎』、

    スーパーのカゴに入った材料を見ただけで、今晩のおかずがカレーだと他人に見破られることが恥ずかしいという(笑)男子特有の思考を面白おかしく分析した
    『カレーの恥辱 / 町田康』、

    かつてこれほどまでに家で食べるカレーライスの危険さを
    文章で的確に表したエッセイがあったであろうか(笑)
    家カレーだと食欲が瞬間沸騰し、腹が完全にいっぱいになるまで食べないと納得しないし、最後の半杯は皿を片付けに行った台所に立って食うには共感同感(笑)
    『カレーライス / 久住昌之』、

    大阪のいらちな性質が生み出した名物カレーを潜入レポした
    『大阪自由軒のカレー / 東海林さだお』、

    ククレカレー、カリー工房、カレー曜日などのレトルトパックを食べ比べて、記憶と味の関係を探った
    『即席カレーくらべ / 吉本隆明』
    かな~。


    それにしてもカレーを語る著名人たちがみな、まるで子供のように嬉々として思い出を語っているのが、なんとも微笑ましいし、
    カレーには誰もを笑顔にするそんな力があるのかな~って思います。

    僕自身、週に6日だったら
    朝昼晩カレーでも全然OKだし、
    学生時代なんて給食がカレーだったら
    もう一週間も前から
    横目で献立表チラ見しながら
    『早くカレー曜日来えへんかな~』って
    夜眠れないくらいワクワクしてました(笑)

    カレーの良いところは
    リーズナブルで手軽に作れて主婦の見方だし、
    食欲のない日でも
    カレーならなぜか食べれるし、
    沢山の野菜を一度にとれる(笑)

    その日の気分によって
    コーラやビターチョコや
    ピーナツバターなんかを隠し味に使うことで味のバリエーションもつけられる。
    (鶏肉か豚肉か牛肉かミンチ肉かでも劇的に味が変わります)

    そしてそしてお楽しみは
    作ったその日オンリーではなく、
    二日目のカレーがまた旨味成分が増して
    奇跡的にウンマイッのですよ(o^-^o)
    (自分は三日目の少し残った分は和風ダシ風にして、うどんにかけて食べます。あとは食パンに余ったルーをトッピングして上からスライスチーズを載せて、焼きカレー風トーストにしてもウンマイ!)


    夕暮れどき、
    家路を急ぐ人た... 続きを読む

  • カレーライスにまつわるあれこれ。
    皆さんカレーへの並々ならぬ愛を語っている。

    食べ物の話が好きで、カレーライスも好きなのでとても楽しく読んだ。
    ところどころに美味しそうなカレーの写真が挿まれていて、カレーが食べたくなってしまう。

    カレーライスが嫌いという人にはもしかしたら今まで会ったことがないかもしれない。
    辛い物が苦手でも、辛くないカレーというのが世の中にはあって、それがやはりとても美味しい。
    キムチではこうはいかないのではないかと思う。(辛くないキムチがあったらすみません…)
    カレーの懐の深さを感じるなぁ…。

    何人かのエッセイには、子供の頃に食べたお母さんのカレーが思い出の味と書かれていた。
    思い出の味が忘れられないというのもカレーの一つの特徴なのかもしれない。
    私は家の中辛のカレーですら辛く感じていたのでそれほど好きではなく、小学校の給食のカレーが思い出のカレーの座についている。
    甘くてどろっとしたカレー。必ずサラダとリンゴがセットで出てきていて、いつからか生野菜が給食に出なくなり思い出のカレーが私の人生から消えてしまった。
    (サラダとリンゴはカレーと関係ないようでいて、非常に重要な要素だったのだ)
    思い出の味(給食のカレー)を再現するのはどうやらとても難しく、甘くてどろっとしたカレーというだけでない何か大事な要素が隠されていた気がする。
    もう一度食べたいけど、脳内で美化された思い出が崩れるのも嫌だから食べられない方がいいのかもしれない。

    普段なかなかカレーの話を真剣にする機会がないけれど、カレーの好みについていろんな人と話してみるのも楽しいかもしれないなと思う。
    好きな辛さ、具材、ルーのかたさ、ライスで食べるかナンで食べるか…。
    目玉焼きに醤油をかけるかソースをかけるか、塩コショウか、マヨネーズか…なんて話も盛り上がるというし。
    食べ物の話はやっぱり鉄板ですよね。
    今度誰かとカレーを食べる機会があったら、カレー話を振ってみようと心に誓った。

  • 夏はカレーだ!カレーが好きだ!くるりの「カレーの歌」も好きだ!

    そんな気分でもなかったのに、隣からカレーの香りが漂ってきたときの暴力的なまでのカレー欲求。もうカレーのことしか考えられない。カレー・アニマルと化して、めくるめくカレーの世界に誘われるがまま。

    内田百間、吉行淳之介、池波正太郎、よしもとばなな、井上靖、吉本隆明、中島らも、内館牧子、伊集院静、小津安二郎、寺山修司、北杜夫、阿川佐和子…

    みんな、カレーが好きなのだ。
    ライス・カレー、カレー・ライス、昭和のどろどろ黄色いカレー派もいれば、本格インドカレー派もいる。
    個人的には我が家の母カレーが史上であり、外で食べるならインド風かエスニックのグリーンかイエローカレー、また近畿圏以外ではあまり知られていないインデアン・カレー。ここはご飯にルーをかけられるのは店長ただひとり、熱く辛い一杯のカレーに汗が噴き出す。チャツネの余韻か、水が驚くほど甘い。水の甘さとカレーの辛さの対比に、箸休めの酢漬けキャベツが優しい。カウンターのみの狭いお店なので黙々と平らげた後は速やかに他のお客さんに席を譲る。

    阿川家のカクカレーが気になる。骨つき鶏肉を炒め、そこにザクザク切った玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモを投入。よく炒めたら牛乳をトポトポトポ…ルー無し、すりおろした生姜とニンニク、トマトと鷹の爪、カレー粉。まろやかで美味しそう!

    安西水丸さんのカレーのお供は梅干しサラダ。梅干しを叩いてそこに砕いた生姜とサラダ油。福神漬、らっきょ以外にもキャベツナサラダ、コールスローなんでもござれ。

    我が家は皆辛口派なのでいわゆるお子ちゃまカレー(バーモントとか)を食べたことはないのだけれど、星の王子さまカレーには別の美味しさがある!と力説されて以来、最近気になっている。

    京大の総長カレーもまあまあいけたし、百万遍のグリーンカレーも恋しい。あぁ、カレー遍路の旅に出ようかしら。

  • 著名な作家33人がカレーについて本気で綴った33編。

    まず、カレーが食べたくなる。そして、思考が黄色がかってくる。そのまま読み進めると、おなかいっぱいな気分になる(笑)カレーライスかライスカレーか、水気の多いしゃばしゃばのカレーか、小麦粉でとろみのついたカレーか、具がごろごろしているか、具が溶けてなくなるまで煮込まれているか、スパイスのきいた本格的な味か、給食のような甘い味か……一言で「カレーライス」と言ってもバリエーションは無限大、好みも人それぞれ。この本を読むとカレーライスは本当に国民食だと思う。身近で誰からも愛される食べ物なのではないだろうか。
    エッセイのほとんどは、カレーライスが手作りの思い出と結びつけられている。母親が作ってくれた懐かしい家庭の味である。だから身体や記憶に刷り込まれ、日本人にとって切っても切り離せない食べ物となっているのであろう。誰にでも作れる簡単な料理でありながらまず失敗しない、ボリュームがあり、記憶に残る味で、日本人が愛するお米との相性も抜群。カレーライス、恐るべし!!!

  • カレーライスというテーマひとつで
    これだけの数のエッセイが存在するという事実がすごい。
    しかも書き下ろしたわけではないという辺りがもう。

    年代も幅広くて、恐らくいちばん古いものは大正時代に遡る。
    戦前から高度経済成長期くらいまでのカレーライスを語るとき
    大抵『カレーライスとライスカレーの違い』について言及していて
    その定義がその人それぞれに違うところが面白かった。
    そして、ライスカレーなるものは
    『メリケン粉(或いはうどん粉)でとろみをつけてあり、あまり辛くない』
    という共通点があるのがまた興味深かった。
    時代が下ると、外食の本格カレーについて語られるものと
    家で自分で作るカレーについて語られるものとに綺麗に分かれる。
    どの時代の話でも、カレーライスと密接に結びついている思い出を
    ひとりひとつは持っているというのが発見だったし、すごいと思った。

    カレーライスに纏わる遠い記憶を語る体裁のものが多い中、
    自作カレーのレシピとエピソードを絡めて描いていた阿川佐和子さん、
    カレー屋の店主との因縁めいた関わりを描いたよしもとばななさん、
    レトルトカレーの食べ比べを論文のように書いていた吉本隆明さん、
    このお3方のエッセイが印象に残った。

    黄色い紙に印刷されているのがまたカレーライスっぽくて
    こだわってるんだなーと妙に感心した。
    最初は紙が日焼けしちゃってるんじゃないかと心配したけど。

  • カレーライスにまつわるエッセイを集めたアンソロジー。
    すでに鬼籍に入っている文筆家も多く、特にこの本のために書き下ろしたわけではなくてさまざまな書籍に収められたエッセイをかき集めて構成されている。
    そんなバラバラに集められたエッセイなのに、やはりテーマが一緒なためかそれなりに統一感があるのがおもしろい。格段依頼されていなくても、こんなにもカレーライスについて語ったエッセイがあるものか、というのもなんだか面白かった。
    ある一定世代より上の人たちが口をそろえて「カレーライスはご馳走だった」「懐かしさがおいしさ」「うどん粉(メリケン粉、片栗粉などもあり)でかためた黄色くて辛くないカレー」「コップに入った水にスプーンがささって出てくる」ということを語っているのがまたおかしい。昭和だなぁ。
    それぞれの出典の年がわからなかったけれど、かなり昔に発表されたエッセイが多いようで、なんとも懐かしいような雰囲気が独特だった。

  • 「アンソロジー おやつ」に続いての読了。

    カレーへの想いが一冊にぎゅっと詰まっています。

    中のページまでやわらかなカレー色にくっきりと黒い文字。
    こだわりだなあと思います。

    不況のご時世に敢えてこういう装丁とレトロな写真で
    本をつくる。

    パルコというデパートが創業時持っていた、
    とんがった時代への嗅覚やおお、と目を引く斬新さを
    まだPARCO出版さんは持っておられる。、

    こういう気概が西武グループで残ってるのはここと
    パルコ劇場くらいかなあ。大事にして欲しいですね。

    ちなみに私は関係者ではないですよ(笑)

    むしろ西武系列では買い物しない。遠巻きに見てる派で。
    お買い物は別のお店に行くのです。あくまでも私が広告や
    出版物から受ける印象です。

    いかん。話がそれた(笑)…カレーです。うん。

    母の作ってくれる団欒の味であり、若い時に猛然と食べる
    空腹を満たす味であり…。夕暮れに嗅げば人懐かしくなる。
    みんな違うカレーを食べてるのに、想い出の感触を共有
    できる食べ物なのですね。

    カレーと言われたら名店のカレーも含むけど、
    カレーライスと書かれたら、私はおうちで食べるものと
    思っています。

    気が済むまでお腹いっぱいおかわりするから、
    この日ばかりはサラダやデザートは出ません。
    麦茶のピッチャーが用意され、いい匂いが部屋中に。

    食卓は素っ気ないけど、家族全員が顔を揃えて頂くのが
    ごちそう。その日あったことを賑やかに話しながら食べます。

    うちはポークカレーで、じゃがいもも人参も玉ねぎも
    どっさり入れます。コーヒーやチョコレートをほんの少し
    入れて煮込んだり。ガラムマサラは入れてるかな。

    外で食べて美味しいのは、ロイヤルホストの
    夏のカレーフェア。

    帝国ホテルのカレーフェアもお家では出せないお味で
    とっても美味しいです。

    不思議と、カレーフェア以外では、外でカレーは頂きません。
    ドリアとか、カレー味の何かはよく頂くのに。
    カレーライスは家で頂くもの。やっぱり。

    そしてね。

    元気が出ない時にカレーを食べたくなるのは
    ガッツ欲しい時。

    それをチーズの入ったカレーリゾットで食べちゃう時は
    食べたらもう一度横になりたい時。

    カレーを2日食べて余った時は、カレーうどん。
    カレードリア。あとは真冬ならカレー鍋。

    この本に収録されてるエッセイの名手はどうやって
    お食べになるのかしら。知りたいなあ。

    カレーは旨いかどうかじゃなく、懐かしいから旨いんだ
    という文章がありましたが、誠に鋭い慧眼の一文だと
    思います。

    勿論美味しいから食べてるんだけども。
    池波正太郎氏を始めとして、カレーを洋食と位置づける
    年代ほど「ごちそう感」はないけど、代わりに。

    「おうちで食べる人恋しくさせる料理」

    と私なんかは感じて。

    ただね。このアンソロジー。面白いのは。
    その次に出版された「アンソロジー お弁当。」
    と比較すると、男の人の郷愁のようなものが強く香り立つ。

    食べてる男の人や、男の子の方に想い出の主体があり
    外で精魂尽き果ててきたあとの、円居のひといき。
    ほっとする感じと勢いが仄見えます。

    「お弁当。」の方が詰めてるお母さんや、
    「女の子」であることを意識したおべんとばこの大きさ。
    貧富の差にはっとなる、比較の目線に、より女の方に
    主体がある気がします。

    こんなことに気がつくのも面白いですね。
    カレー、食べたいな。
    しまった…。
    昨日ハヤシライスのお残りでお夕食にしちゃった。

    しばらくしたら…食べるんだろうなあ。

  • 表紙もカレーなら、紙もカレー。
    どんだけ気合入ってんですかと思わず突っ込みたくなる1冊。
    ネタかぶりもけっこうありますが、
    とにかく読めば読むほどカレーライスが食べたくなります。
    しかも、母が作ってくれたバー〇〇トカレーを。

    料理が不得意な母のカレーは正直おいしくなかった。
    なぜルウを使って作るだけなのにあんなにおいしくなかったのか。
    はっきり言って、今、自分で作ったほうがうまい。
    でも、この1冊を読んで思い出すのは母のカレー。
    これはもうDNAに染みこんだのだとしか言いようがない。
    恐るべし、カレー。

    ということで、これを読み終えた今日、カレー作りました。
    伊丹先生のお言葉をふまえて、台所をきれいにしながらね。

  • カレーにまつわる随筆を集めたアンソロジー。カレーが好きで読みました。昭和の大御所が中心だったせいか、似たような内容が続いたのがいささか残念。とはいえ、時代ならではの食文化を知ることができたのは貴重。母親のカレー、ライスカレーとカレーライスの違い、まずいけどうまいカレーについて書かれていたものが多かったです。歴史に名を残す文豪に愛され、今もなお老若男女問わず愛され続けるカレー。現在の文学界で活躍する方々にも、カレーをテーマに随筆書いてほしいなあ。昭和と平成のカレー、結構違うと思うんだよな。装丁というか、カレーを彷彿させる色の紙、シズル感を出すためなんでしょうか…。ちょっと読みにくかったかな(´・_・`)

  • 先日、作家の小川洋子さんがパーソナリティーを務めるFM東京「パナソニック・メロディアス・ライブラリー」で取り上げられていたのが本書。
    早速、岩見沢市立図書館にあるかどうかネット検索すると、あるではないですかっ。
    すぐに借りて読みました。
    いずれ劣らぬ一流作家33人が書いた、「カレーライス」にまつわる随筆を集めたアンソロジー。
    私の偏愛する町田康、色川武大、中島らもをはじめ、池波正太郎、伊集院静、五木寛之、井上ひさし、井上靖、内田百閒、北杜夫、向田邦子、吉本隆明と、それこそ綺羅星のような作家たちの極上の「カレーエッセー」がてんこ盛りです。
    町田康は、カレーライスそのものではなく、カレーライスの食材をスーパーに買いに行った際の、情けなくもおかしい心の動きを主題にして笑わせます。
    「つまり、そのレジの人に、なんだこいつカレー食うのか、はは、と思われるのが恥ずかしい、っていうか」
    自意識過剰な私なぞは「分かる、分かる」と膝を叩きました。
    食通で知られる池波正太郎は、やはりここでも筆の冴えがひときわ目立っており、巻頭にふさわしい出色のエッセーです。
    渋谷百軒店の「ムルギー」のカレーライスなんて一度食べてみたい気にさせられました。
    ただ、それより、括目したのは、父母が離婚し、叔父叔母のもとに引き取られていた池波少年に、カレーをごちそうしたという立子山先生のエピソードが強く印象に残りました。
    立子山先生は放課後、池波少年を人気のない図画室へ連れて行きます。
    「どうだね。つらいことはないか?」と問う立子山先生に、池波少年は「べつに、アリマセン」と答えます。
    そこへ、カレーライスが洋食屋から運ばれてきました。
    「さ、おあがり」と立子山先生。
    池波少年は夢中で頬張ったそうです。
    「この図画室で御馳走になったカレーライスほど、強烈な印象を残している食べものはない。」
    「国民食」と呼ばれるようになって久しいカレーライスは、その味覚とともに私たちの記憶と強く結びついた料理であるようです。
    筋金入りの相撲ファンとして知られる内館牧子の随筆も良かったです。
    OL時代に同僚とプロレスを観戦しに行った内館は、お茶を飲むために女の同僚と会場を抜け出します。
    裏庭のようなところに出ると、若いレスラー2人が、夜の庭にしゃがんでカレーライスを食べている光景に出くわしました。
    「樫の木を思わせる逞しい腕を動かし、スプーンを口に運ぶ」2人のレスラーに、内館は思わず惚れ惚れと見惚れてしまいます。
    「巨大なシャベルカーがキビキビと動いているような美しさがあった」とは、何と見事な喩えでしょうか。
    ほかにも味わい深いエッセーがたくさんありますが、やっぱり大トリを飾った色川武大。
    医者に勧められて食事制限に取り組むという通俗的な話から切り出し、いつの間にか現実なのか夢なのか分からない領域に読み手を誘い、最後は見事に落とす。
    誠に目の覚めるような鮮やかなエッセーです。
    キリがないので、この辺で止めますが、小津安二郎のエッセーなんかは、小津が世に出るきっかけが「カレーライス」だったというのが分かり、そういう意味で結構価値があるのじゃないかなー、と思いました。
    途中に差し挟まれているカレーの写真も良し、ページ自体が黄色いのも洒落ています。
    カレーが食べたくなりました。

  • 手に取ってみて、カレー粉を練り込んだかのような紙の色にこだわりを感じました。行きつけの店の味、母の思い出の味など、33人の作家が思い思いに語る、カレーライスの話。

  • 紙がカレー色なのが、意表を突かれた感じだった。カレーを愛してるというこだわりが伝わってくるような。
    著者が、カレー好きだというのが、伝わってくる本。
    カレーライスとライスカレーの違いを力説したり、カレーの夢を見たという話だったりというような、バラエティーに富んだ話が多かった。その中でも、即席カレーの味比べが面白かった。
    阿川宏之さん、佐和子さん親子や、吉本隆明さん、ばななさん親子の共演作品も掲載されているので、それができるのもアンソロジーならではある。

  • よしもとばなな=吉本隆明親子、阿川佐和子=阿川弘之親子(親子と言っても並べているのではないしそれと分かるようにしているのでもないです)、内田百閒、伊集院静等々、存命で今も活躍中の作家随筆家からとうに亡くなっている往年の映画監督まで、カレーライスにまつわる小品集。池波正太郎さんがトップバッターというのは王道というか狡いというかですよね?
    同シリーズの『お弁当』はいくつかカテゴリがあったのに、こちらはどーんと一本なので若干単調かも?と思ったのだけど、実はもうカレーライスに対する思いは百人百様。全然そんなことはなかったのでした。

    収録されているものはほんの2ページ(めくったら終わり)、から数ページのものばかりで、有名人、内容(ネタ、とルビを振りたい)はカレーライス、と普段本をあまり読まない人でもわりと読みやすいかも。
    個人的には、阿川弘之さんの文章が面白くて、『鮨 そのほか』が読み止しになっているのを読み直したくなりました。

  • 池波正太郎はじめ、文豪たちがこれまでに綴ったエッセイの中から、カレーライスに関するものだけをまとめた。
    企画の趣旨がいいなあ。
    途中で、カレーライスが食べたくなること必至。
    次巻のお弁当も読んでみよう。

  • PARCO出版の食べ物アンソロジーシリーズ第三弾。気が向いたときにパラパラするのにちょうどいい感じ。

    カレーとなると、どうしてみんなこう熱く語るんだろう。しかも多くの人が、すごくおいしい!というわけではなかった「家のカレー」を懐かしんでいる。はっきり「あのまずいカレーがまた食べたい」と書いている人までいたりして。お弁当と並んで、カレーライスは郷愁の味なんだなあ。

    一番気に入ったのは、久住昌之さんの「カレーライス」。
    「カレーライスは、理屈を言わなくても、あの匂いにかき立てられて、興奮のままにかき込めば、おいしさなんてあとからついて来るんだ」
    ほんと、そうだよねえ。

    林真理子さんは、小説もエッセイも面白いと思ったことがないのに、どういうわけか「お弁当」に続いて、このシリーズのはいいなあと思う。高校生の頃の気分が、妙な自己顕示なしに書かれていて心に残った。

  • 作家さんそれぞれに個性があって、同じカレーライスなのにこんなに切り取り方がちがうのかーとエッセイのおもしろさを感じました。読み終わったらもちろん作りました、私のカレーライス。

  • 文章が黄色い紙に印刷されているので、どことなくカレーのにおいがしてくるような気にさせる本でした。これだけの著者が一度はカレーについて綴ったことがあることがオモシロく、しかもほとんどの著者がカレーはメリケン粉から手作りの記憶を持っています。市販品のカレールーの話は出てこない。市販品のカレールーの味に慣れている者としてはちょっと淋しい。そんな中、レトルトカレーの食べくらべをしているのは吉本隆明さんでした。父娘二代で著述業かつ父娘とも登場する阿川家と吉本家ですが、カレーの話が家族の記憶とも限らないようで、カレーの舞台がばらばらであることもオモシロかったです。

  • カレーが本当に美味しそうで、読んだ日から結構重ねてカレーを食べていました。カレー最高!

  • カレー好きの私にはたまらない1冊!♡
    どの人でもカレーライスにまつわる思い出って多いんじゃないかとは思っていたけれど、昔の人ほど、“ライスカレー”に対する思い入れって強いんだなぁと思った。
    それも、野外活動とかでみんなで作ったカレーではなくて、“家の”カレー。
    阿川佐和子と吉本ばななの章が、特に印象深かったなぁー。
    この本の唯一の欠点!それはお腹が空いて、無性にカレーライスが食べたくなること!!笑
    まったく違う夜ごはんの予定だったのに、急遽カレーにしてしまったww

  • 日本人はカレー好きなんだとつくづく感じた。そしてこの33人の方々それぞれに拘りを持っておられるしカレーに対する思い入れを感じた。我が家ではほとんどカレーが食卓にあがることがないけどカレー曜日が存在する知り合いがいるけど工夫をしてらっしゃるのか?
    用紙が黄色いのと「と」の字が読み辛い。

  • 大御所の皆さんがカレーライスのこだわりを書いていると、ものすごく崇高な食べ物に思えてくるから不思議だ(^^; どの話のカレーも美味しそうなんだけれど、慣れていないせいか黄色い紙と文字に目をやられた(--;)

  • ヒーヒー言いながら食べたくなってきた。。。

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    「カレーだらけの33篇
    写真:佐内正史

    阿川佐和子、阿川弘之、安西水丸、池波正太郎、伊集院静、泉麻人、伊丹十三、五木寛之、井上ひさし、井上靖、色川武大、内田百けん、内館牧子、小津安二郎、尾辻克彦、神吉拓郎、北杜夫、久住昌之、獅子文六、東海林さだお、滝田ゆう、寺山修司、中島らも、林真理子、藤原新也、古山高麗雄、町田康、向田邦子、村松友視、山口瞳、吉本隆明、よしもとばなな、吉行淳之介
    (50音順) 」

  • 昨今の作家のカレーにまつわるエッセイ集。
    さすがカレー!!昭和の作家は、何かしらカレーにまつわる文章を書いている!と言いたくなるようなラインナップ。
    ある程度以上の年齢の方々は、カレーライスとライスカレーの違いにこだわっていて、面白い。第二次世界大戦以前から終戦後のしばらくはカレーライスはご馳走で、以後庶民の家庭の、こだわりのメニューになっていくのですね。カレーは限りなく日本化した洋食(?)なんですねえ。

  •  このアンソロジーは過去に執筆されたものの中から、カレーライスというお題に添うものを集めて一冊にしてあります。
     そうだからなのか、同じお題なのにあまり統一感が感じられず、アンソロジーの良さが半減している気がします。本当に豪華なメンバーなのですが、豪華すぎて逆に主題から散逸している感もあります。

  • 華麗なる饗宴。カレーなる共演。
    日本人のソウルフードであるカレー、それについて、誰しも何かしらエッセイが書けるような気がする。装丁までカレーな感じで、ぐー。

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きょうは、カレーだ。カレーだらけの33篇。

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