- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784865060782
感想・レビュー・書評
-
シリーズ第四弾。なんたってビールである。「グビグビ、プハーッ!」というヨロコビに満ちている。いろいろ蘊蓄はあろうが、私は絶対「ビールは冷たいほど良い」派だ。意外にそういう人が多く(そうでないのはなかったような…)、そうだよね!と意を強くする。あと、椎名誠さんが「家で飲むビールのランクはこのスーパープレミアムと、ヱビスとブラウマイスターが黄金の御三家で」と書いていて、おお、隊長と好みが同じじゃん!と嬉しくなった。
心楽しいものがほとんどなのだが、吉田直哉さんの「ネパールのビール」はちょっと異色だ。ビールを買うには何時間も徒歩で行く必要のある僻地にいたとき、お使いを買って出てくれた現地の少年の思い出が語られていて、これが切なく、ホロッとした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一流作家陣によるビールにまつわるエッセイ。中には赤塚不二夫の漫画もあるし、物故作家の作品も結構ある。おっと思わせる異色の作家が並んでいたりする。それぞれの作家のビールへの個性的すぎるこだわり、愛着、主義が興を漂わす。笑わせてくれる。個人的には北大路公子が好き。ここでもいつもと変わりなくスパークしている。一番光っていた。阿川佐和子氏のとりあえずが「まず最初に」。これに対して北大路氏は「義務」。そして「ひっひっひっ切るかい」。などと言っている。なかなか意味不明。気味悪きこと青天井である。ビールの季節を前に思いっきり舌を唸らせてもらった。
-
私はビールは飲めないので、
乾杯っ!!!
は、ひとりCOFFEEにて。
賑やかな酒席のいちばんはしっこの席で
(そうか、そうか。
仕事終わりにね、
旅のお供にね、
美味しいビールの銘柄ね。)
盛り上がり続ける酒豪さん達のお話に
なんとな~く耳を傾けていたのだが。
星新一さんの話にはおっ?と、思わず身を乗り出してしまった。
ある日、ビールの製造工場へと見学に来た星さん。
同級生である工場長の説明に、
率直な疑問をどんどん投げかけ続ける。
わからないことや
納得いかないことをお座成りにはしない性格なんだなぁ。
星さんの思考はビールを置き去りに
どんどんどんどん先へ進み、
一周回ってCOFFEEへ戻ってきた?(笑
フト、今手にしているCOFFEEに視線を落とし、
(これ、私いつから美味しいと思って飲むようになったんだっけ?)
いつの間にか、星さんワールドへの突入を余儀なくされていたのであった。 -
東海林さだお氏の「生ビールへの道」が傑作。エラのはりっぷりと自己肯定感には、どうやら相関がありそう。
-
明治、大正、昭和、平成、それぞれの時代に活躍してきた作家さんたちのエッセイから、「ビール」をテーマにしたものを集めたアンソロジー。
ビールが生み出すさまざまなドラマを楽しめました。
作家さんたちそれぞれの味が出ている作品ばかりで、ビール好きはもちろん、ビール好きではないけどエッセイ好きという方も楽しめます。
読んでいるうちにビールが飲みたくなってくるので、お好みの銘柄を用意して読むのをおすすめします。
◇特に好きな収録エッセイ
・恩田陸「列車でビール 長旅には酒器を連れて」
・平松洋子「もうしわけない味」
・久住昌之「九月の焼きそビール」
・辰巳浜子「ビールのおつまみ」
・内田百閒「タンタルス(上)」
・小泉武夫「不味いビール」
・森茉莉「独逸と麦酒」
・小沼丹「倫敦のパブ」
◇こんな方におすすめ!
・エッセイが好き
・ビールが好き
・いろんな作家さんの文章に触れたい -
ビールについてのアンソロジーです。
内田百閒さんの文章に、立派な食堂で、「お飲み物はお一人につき麦酒又はサイダーのどちらか一本ずつと云う事になっている」と支配人に言われ、追加のビールを出してもらえなかったとありました。
昔はそういうこともあったんでしょうか? -
古今東西ビールにまつわるエッセイで、作家さんごとにビールへのこだわりがそれぞれ違うのが興味深い。
-
お酒はたべものより更にプライベート。
著者に興味があれば物凄く興味深いし、そうでなければまるで食指が動かない。 -
ビールを飲むと幸せな気分になるんだな。