感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シリーズ第四弾。なんたってビールである。「グビグビ、プハーッ!」というヨロコビに満ちている。いろいろ蘊蓄はあろうが、私は絶対「ビールは冷たいほど良い」派だ。意外にそういう人が多く(そうでないのはなかったような…)、そうだよね!と意を強くする。あと、椎名誠さんが「家で飲むビールのランクはこのスーパープレミアムと、ヱビスとブラウマイスターが黄金の御三家で」と書いていて、おお、隊長と好みが同じじゃん!と嬉しくなった。

    心楽しいものがほとんどなのだが、吉田直哉さんの「ネパールのビール」はちょっと異色だ。ビールを買うには何時間も徒歩で行く必要のある僻地にいたとき、お使いを買って出てくれた現地の少年の思い出が語られていて、これが切なく、ホロッとした。

  • 一流作家陣によるビールにまつわるエッセイ。中には赤塚不二夫の漫画もあるし、物故作家の作品も結構ある。おっと思わせる異色の作家が並んでいたりする。それぞれの作家のビールへの個性的すぎるこだわり、愛着、主義が興を漂わす。笑わせてくれる。個人的には北大路公子が好き。ここでもいつもと変わりなくスパークしている。一番光っていた。阿川佐和子氏のとりあえずが「まず最初に」。これに対して北大路氏は「義務」。そして「ひっひっひっ切るかい」。などと言っている。なかなか意味不明。気味悪きこと青天井である。ビールの季節を前に思いっきり舌を唸らせてもらった。

  • 私はビールは飲めないので、
    乾杯っ!!!
    は、ひとりCOFFEEにて。

    賑やかな酒席のいちばんはしっこの席で
    (そうか、そうか。
     仕事終わりにね、
     旅のお供にね、
     美味しいビールの銘柄ね。)
     盛り上がり続ける酒豪さん達のお話に
     なんとな~く耳を傾けていたのだが。
     
    星新一さんの話にはおっ?と、思わず身を乗り出してしまった。
    ある日、ビールの製造工場へと見学に来た星さん。

    同級生である工場長の説明に、
    率直な疑問をどんどん投げかけ続ける。
    わからないことや
    納得いかないことをお座成りにはしない性格なんだなぁ。

    星さんの思考はビールを置き去りに
    どんどんどんどん先へ進み、
    一周回ってCOFFEEへ戻ってきた?(笑

    フト、今手にしているCOFFEEに視線を落とし、
    (これ、私いつから美味しいと思って飲むようになったんだっけ?)
    いつの間にか、星さんワールドへの突入を余儀なくされていたのであった。

  • 東海林さだお氏の「生ビールへの道」が傑作。エラのはりっぷりと自己肯定感には、どうやら相関がありそう。

  • 明治、大正、昭和、平成、それぞれの時代に活躍してきた作家さんたちのエッセイから、「ビール」をテーマにしたものを集めたアンソロジー。

    ビールが生み出すさまざまなドラマを楽しめました。

    作家さんたちそれぞれの味が出ている作品ばかりで、ビール好きはもちろん、ビール好きではないけどエッセイ好きという方も楽しめます。

    読んでいるうちにビールが飲みたくなってくるので、お好みの銘柄を用意して読むのをおすすめします。

    ◇特に好きな収録エッセイ
     ・恩田陸「列車でビール 長旅には酒器を連れて」
     ・平松洋子「もうしわけない味」
     ・久住昌之「九月の焼きそビール」
     ・辰巳浜子「ビールのおつまみ」
     ・内田百閒「タンタルス(上)」
     ・小泉武夫「不味いビール」
     ・森茉莉「独逸と麦酒」
     ・小沼丹「倫敦のパブ」
     
    ◇こんな方におすすめ!
     ・エッセイが好き
     ・ビールが好き
     ・いろんな作家さんの文章に触れたい

  • ビールについてのアンソロジーです。
    内田百閒さんの文章に、立派な食堂で、「お飲み物はお一人につき麦酒又はサイダーのどちらか一本ずつと云う事になっている」と支配人に言われ、追加のビールを出してもらえなかったとありました。
    昔はそういうこともあったんでしょうか?

  • 古今東西ビールにまつわるエッセイで、作家さんごとにビールへのこだわりがそれぞれ違うのが興味深い。

  • お酒はたべものより更にプライベート。

    著者に興味があれば物凄く興味深いし、そうでなければまるで食指が動かない。

  • 飲まずにいられるか!? 東海林さだお、川上弘美、阿川佐和子らのエッセイから、赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」まで、喉が鳴る鳴る41篇を収録した、ビールにまつわるアンソロジー。

    古今東西?
    面白く読めるものと読めないものとごちゃ混ぜ。
    ビールが飲みたいような飲みたくないような。

    ケメコ先生が異色(笑)。

  • ビールを飲むと幸せな気分になるんだな。

著者プロフィール

東海林さだお=1937年東京生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学文学部露文科中退。早大漫画研究会草創期のメンバー。文藝春秋漫画賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。漫画に『新漫画文学全集』『ショージ君』など、長期連載のエッセイに「男の分別学」「あれも食いたいこれも食いたい」など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東海林さだおの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×